東洋大学史ブックレット7
31/44

二センチ、長さ四四・五センチ、高さ二四・三センチの小さなカバンです。曲尺だと一尺三〇センチ強ですので、二尺というとこのカバンより少し長かったようですが、ほぼこのようなカバンを携帯していたといえるでしょう。ほかに山高帽があります。またカバンの中身ですが、タバコ入れ、硯、竹製のパイプ、筆立てなどがありました。筆立てはどくろの形と牙の形をしたもので、妖怪博士らしい意匠となっています。ほかに「旅行必携」などと題したメモ帳を持ち歩いていたようです。これは講演に使う材料をメモしたもので、これを講演の前に見て準備をしたのでしょう。世界の紹介にかかわるものでは、エッフェル塔の高さとか、インドの人口といったものがメモされています。さらに別に揮毫に使ったとされる筆と書に捺した印章が残っています。筆は長さ三四・九センチ、太さ三センチほどのもので、「猛虎一声」という銘があります。銘の 五 旅行道具と旅の様子  27

元のページ  ../index.html#31

このブックを見る