東洋大学史ブックレット7
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 旅行道具と旅の様子 五円了の旅は、だいたい長期にわたるものでしたが、それにもかかわらず、所持品は簡素なものでした。まったく身の回りのことは気にしなかったようです。インドのカルカッタで円了を出迎えた人の思い出話では、円了は少しも着飾ることがなく、ほとんど着の身着のままで、ろくに着替えももたず、簡単な手荷物一、二箇ぐらいで海外を大旅行していたと伝えています。宿所もいっこうに気にする風がなかったようです。もっともその記念写真が残っていますが、これではキチンと背広、チョッキにネクタイを締めて、イギリス風の紳士のスタイルをしています。これが円了の一張羅井上円了の全国巡講24

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