証拠を示す)にくわしきはもちろん、ことに目下民間においてなお迷信流行し、往々普教育学部門雑部門円了が仮怪として取り上げている主な項目でも、このように多岐にわたっています。『妖怪学講義』の実際を調べてみると、取り上げられている仮怪の細目は二七○項目を超えているのです。一般的に妖怪といえば、幽霊やお化けなどですが、円了の場合、先の分類にみるように、偽怪、誤怪、仮怪、真怪に分けられ、先の二つは虚怪であり、後の二つが実怪とされていて、妖怪は天変地異からマジナイまでと、一般的に妖怪に入れない事柄も含めて、極めて広範囲な現象を妖怪として取り上げているのです。ここに学問としての円了の妖怪学の特徴があります。円了の「妖怪学」への評価はどのようなものであったのでしょう。たとえば、明治三〇年二月に文部大臣から、「本書、材料の収集に富み、論説援据(事の是非を明らかにし、遺伝、胎教、白痴、神童、記憶術の類妖怪宅地、怪事、怪物、火渡り、魔法、幻術の類 七 『妖怪学講義』の具体的内容 41
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