想像がようやく無形にうつって、多神を無形的に考えるようになりました。そしてさらに、多神の上に一神があると想定するに至ったのです。この一神の体が物心二者を支配し、一切の現象の変化はみなその想像または媒介によるものと考えるようになりました。したがって、この時代にあっては、妖怪の説明はみな神力の「干渉媒介」や「天啓感通」によるものと考えられました。しかし、この説明は想像によるもので、いまだ論理思想の作用がない時代でした。第三の推理時代は、人知が大いに発達し、虚構や想像を交えずに確実な推理によって、卑近から高遠まで及ぼし、有形から無形まで及ぼし、感覚以内から感覚以外まで及ぼすもので、今日の学術時代の解釈です。これは宇宙万物の法則をもととし、精密かつ確実なる「論理」によって様々な現象を説明するものですから、妖怪の解釈も大きく変化せざるを得なくなりました。私の妖怪学はこの第三時期の解釈法によって説明するものです。その説明にも、第一に理外的または神秘的説明法、第二に唯心的ま 六 『妖怪学講義』の定義 35
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