東洋大学史ブックレット6
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出したのであります。……この妖怪のごときもまた、十分に研究を尽くしたならば、必ず一つの学科となることができるであろうと思います。このようにみますと、円了の明治一七年の不思議研究は、その後に妖怪研究へと進められ、明治二四年頃にはさらに発展して、「学」として体系化する見通しができて、そして「妖怪」「妖怪学」という用語の統一がはかられるようになったと考えられるのです。ただし、正式に「妖怪学」という用語を使うのは、明治二六年の『妖怪学講義』からです。このようにして、円了の妖怪の研究は徐々に進展していったのでした。 井上円了の妖怪学22

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