東洋大学史ブックレット6
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卜ぼ筮ぜ、マジナイなどは、それまで「不思議」という用語で区別して捉えたものでしたいく  議」という用語を使っています。この用語法は明治二三年の「妖怪総論」にも、「私のいわゆる妖怪とは広き意味であり、あるいはこれを妖怪不思議ということもできます」とあり、この時期まで変わっていませんでした。そして、明治二四年七月四日の「妖怪学一斑」(『教育報知』)で、はじめて「妖怪学」という用語を使い始めました。このときに論究された、偶合論、天文と人事の関係、が、円了はこの論文ですべてを「妖怪」という用語で説明しているのです。そして妖怪学への展望をつぎのように述べています。今日、学術が進歩してきたと言いますけれども、その範囲はきわめて狭小であり、妖怪のごときは多少、心理学の分野において研究されてきたのですが、いまだに一科の学問とはなっていません。つまるところ、手をくだすひまもなかったのであります。それなのに、私は心理学を研究する間に、このこと(妖怪)を思い 四 哲学館と「妖怪学」講義21

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