で、「テーブル・ターニング」という西洋の「降霊術」が数箇所にわたり抜書きされていました。ということは、「こっくり」というのは、従来の日本にあったものではなく、文明開化とともに西洋から伝来したものだったからです。円了は各地の「こっくり」に関する新聞報道を収集して、これを分析しました。そして、西洋の「テーブル・ターニング」が最初にどこに伝わったのか、その元を突き止めました。分析の結果、伊豆の下田港にいた外国人の船員が「テーブル・ターニング」に似たことをしていて、これが全国に流行したのです。円了は自ら「こっくり」を行い、その原因を突き止めようとしました。「こっくり」は三本の竹を結んで脚とし、その上にフタをかぶせて、そのフタに数人が手を軽く置いて、占いたいことをとなえ、「こっくり」と傾いた回数や大きさや方向によって、結果を判断するという占いです。円了は、性別、年齢、性格などを考えて、その人々の組み合わせを替えて、「こっくり」の実験を繰り返しました。その結果、「こっく 三 不思議研究から妖怪不思議研究へ 17
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