井上円了氏、夢の説、第一回を述べる。不思議研究会はこのようにして出発しました。そして、この他に、「一年五〇銭」の会費を徴収したという記録はありますが、その後、「私が久しく病床にありまして、その事務を斡旋することができなくなり、ついに休会することになりました」と、円了が書いているように、第三回のあと再開されることなく終わっています。しかし、円了の個人による研究はこれで中止されることなく継続されたのです。四カ月後の七月に、円了は『令知会雑誌』につぎのような広告文を出していたからです。世の中に妖怪不思議と称するものは多くあります。世間一般には、これを神ま たは魔のしわざであるとしています。果たして、そうか否かの断定はむずかしいですが、神や魔について、その存在の有無すら、今日まで分からないのに、単純に神や魔のしわざにしてしまっておいて、さらに妖怪がなんであるのかを究明し 三 不思議研究から妖怪不思議研究へ13
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