いからです。私は少し感じるところがありました、道理上から妖怪を解釈して、人民の妄信に対して知識を開き正しい方へ導き、文明の民にふさわしいようになって欲しいと思っています。このように円了は、民衆が妖怪を信じて、その道理をしらず、文明の民になってい ないのは、教育の問題であり、また研究不足が問題であると考えていました。そのために、行動したのが、明治一九年一月二四日に発足した「不思議研究会」でした。この不思議研究会の記録ついては、井上円了の自筆ノートにつぎのように書かれています。不思議研究会究条目、会員約束を議定する。当日、会員と定めた人は左のごとし。第 一会一月第四日曜、すなわち二十四日、東京大学講義室に一堂が会し、研 三 不思議研究から妖怪不思議研究へ11
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