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【平成27年度 修了生の声】山口 哲人さん

哲学塾で学んだことにより、既に自身の職務の中で活かされている部分を実感しています。

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Q 哲学塾に応募した理由を教えてください

A 自分と異なる分野で活躍されている方々の講演を、実際に足を運んで、自分の目で見て、自分の耳で聴いてみたい。

私は18歳で職業に於ける進路を決め、14年間現在の医療職の世界に浸かって生活してきました。その中で多くの人と出会い、多くの不幸を目の当たりにしました。世界から不幸の種はなかなか減りません。例え医療の現場で起きている不幸でも、医療の力を以て解決できないことが多くあります。そして医療と社会は密接に関わっているにも関わらず、社会の構造や問題を充分に理解していない事にも気付きました。書籍を読み、動画サイトで著名人の講演を聴いたりして、それを補完しようとしている中で微妙な違和感を抱くようになりました。それは“結局は自分自身の内にある言葉や概念に変換して理解している”ということです。他分野で活躍されている方々の講演を、実際に足を運んで、自分の目で見て、自分の耳で聴いてみたいと思っているうちに、東洋大学井上円了哲学塾のホームページに辿り着きました。

Q 哲学塾に入ってからどのような活動をし、何を学びましたか

A “言葉”というものの重みを知り、東洋大学が掲げる、『諸学の基礎は哲学にあり』という理念の一部を学びました。

哲学塾での活動は大きく分けて2つ、東洋大学講師・外部講師の講演の聴講と、塾生によるグループワークでした。聴講において学んだことは多く、ここには書き切れないほどです。敢えて1つ挙げるなら、“言葉”というものの重みが変わりました。“日本” “個人” “宗教”など普段何気なく使用していた言葉には、辞書的な意味の背景に歴史や価値観による変遷があり、それは個人のレベルでも大きく異なります。他者の言葉を見聞きする時の注意すべき点であり、一方で大変興味深いものだとも感じました。哲学において言語の定義は重要な要素だと思いますが、東洋大学が掲げる、『諸学の基礎は哲学にあり』という理念の一部を学べました。また、私が所属したのは東洋大学学生の多いグループでした。年輩者から学ぶことは勿論たくさんありましたが、自分より10歳以上若い学生は勢いと柔軟性に富んでおり、活動において触発・鼓舞されたことは貴重な経験でした。

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Q 哲学塾を修了した感想と、今後どのように学んだことを活かしていくかを教えてください

A 遠くの明るい未来を見据えて、人と人とが手を取り合える環境を、まずは自分の周囲に作ることから始めます。

哲学塾で学んだことにより、既に自身の職務の中で活かされている部分を実感しています。他者とのコミュニケーションや問題意識の持ち方などにおいて大いに役立っています。個人の能力の幅(横棒)と専門性(縦棒)を合わせてT字型人材という言葉がありますが、現代においては、2つの専門性を持つπ字型や、専門性の高い人材同士を繋ぐH字型の人材などが求められているそうです。私個人に出来ることは限られていますが、その中でも幅と専門性を広げつつ、また人間同士の繋がりによって生まれる幅を信頼していきたいと思っています。井上円了先生は当時の日本人に“遠大な目標”が欠けていることを指摘されました。現代の日本に横たわる諸問題の多くは個人の付け焼き刃の対策では解決できないもののように思います。遠くの明るい未来を見据えて、人と人とが手を取り合える環境を、まずは自分の周囲に作ることから始めます。