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全学総合科目

画像:全学総合科目授業風景 

 東洋大学における教育の特色のひとつとして、哲学思想や文学を含む人文社会科学と、物理学や生物学を含む自然科学といった学問分野の違いや、従来の科目区分にとらわれない「全学総合科目」を設置しています。離れた教室からの質問が可能となる双方向遠隔講義システムにより、キャンパスという空間の壁を越え、白山、朝霞、川越、板倉の4キャンパスで同じ授業を同時間に受講することができます。

 また、本学独自の授業支援システム「ToyoNet-Ace」を利用することで、授業内容の提示、レポート提出、掲示板を利用したディスカッションなどe-Learningの強みを最大限に活かした授業運営を行っています。

2016年度の開講科目

哲学への誘い
(全学総合ⅠA 1コース〔春学期〕/発信:白山キャンパス)

2000年以上の歴史をもつ「哲学」とその「思考法」が、どのようにして現在の私たちの「生きる力」となるのか、その手がかりを西洋とアジアの哲学的知見から改めて発掘し、展開させる。私たちは、情報化社会と密接に連動する経済不況、貧困格差、人権問題や環境問題といったグローバルにもローカルにも単純に振り分けられない諸問題に直面している。こうした中で私たちに必要となるのは、氾濫する情報の流れに翻弄されずに自己を律し、より良く行為する力であり、今いる地点から自己の経験を一歩先に進めるための能力の獲得である。

本講義はそのための哲学的トレーニングを、三つのテーマに分けて行う。その一つは、「世界と自己」であり、二つ目は「心とからだ」であり、最後は「正義と自由」である。各講義は、文学部哲学科と東洋思想文化学科の教員のオムニバス形式によって行われる。各テーマに関する西洋と東洋の異なる知見を手がかりに、各人が自分で思考を進め、行為するための力を身につけることが要求される。

留学の価値を考える ―人生やキャリアにもたらすインパクト―
(全学総合ⅠA 2コース〔春学期〕/発信:白山キャンパス)

世界の留学生人口は推計450万人(2012年OECD統計による)に達し、多くの若者が自国を離れて学んでいる。グローバル人材育成が社会的な課題となっている現在、日本においても人材育成のために留学が果たす役割はますます重要視されている。本講座では留学が持つ社会的意義や個人の成長にもたらす役割ついて実例をまじえて紹介していく。受講者自身が留学経験者にインタビューする機会を設定するなど、実例に多く触れることにより、キャリア形成のための留学について受講者が認識を高めていくことをめざす。受講者が明確なキャリア意識をもって、交換留学を含めた海外留学、海外研修、インターンなどを計画することができるように促していく。

本講座の導入部では、エリート教育として発展した留学の歴史的役割や概念を振り返るとともに、今日の大衆化した教育交流や留学の現状を概観する。次に、留学を契機として有意義にキャリア形成を展開した事例を数多く紹介していく。国際的に活躍する人材をゲストとして招聘し、個々のキャリア設計において留学が果たしている役割、留学を通じて開発した能力、知識、人的ネットワークなどについて実例をもとに学ぶ。また、カルチャーショックなど留学体験から派生する課題について議論し、異文化適応能力の意義について検証する。さらに、海外での学習において準備しておくべき事項として、語学力の強化、綿密な学習計画、安全面や健康面での危機管理などについて認識を高めていく。なお、授業以外にも留学、インターンシップ、就職に関するセミナーへの参加を推奨し、受講者に自らのキャリア・デザインの在り方を客観的に分析する機会を提供する。

「妖怪学リニューアル」ヴァージョンアップ!
(全学総合ⅡA 〔春学期〕/発信:朝霞キャンパス)

哲学館において「妖怪学」の講義が開講されたのは明治二十年(1887)である。それから百二十五年たつ現在、妖怪をとりまく社会も学問のありようもさまざまに変化した。現代に即した「新しい妖怪学」は可能だろうか?

この講義では、今までにない「新しい妖怪学」の構築を試みる。宗教学・民俗学・文学・芸能史・風俗史・神話学・心理学・精神医学などさまざまな学問分野の成果を導入し、日本だけでなく広くアジアやヨーロッパをも視野に入れた学際的アプローチの展開をめざす。
なお、心臓の弱い人でも安心して受講できますが、私語をする人は受講できません。

エコ・フィロソフィ入門
(全学総合ⅠB 1コース〔秋学期〕/発信:白山キャンパス)

環境問題の現状について解説するとともに、これらを解決しようとする試みを、東洋・西洋の哲学的思想を中心にしつつ、様々な学問を基に紹介する。受講者が環境関連の諸問題を総合的に理解し、自分なりに判断できる力を身につけることを目的とする。

現在、特に二酸化炭素濃度の上昇と地球温暖化に人々の関心が集まっているが、これ以外にも、多数の動物種の絶滅、旱魃、農地の砂漠化、異常気象等々の重要な問題が数多く存在する。これらの問題の解決へ向けて、国際協調や国際規約、地域の草の根運動、個々人の心がけなど、さまざまなレベルの取組みが行われている。

この授業では、環境問題の現状の把握をふまえて、問題を解決するための諸活動、およびその学問的な背景について考察を進める。講義は、東洋大学の研究所プロジェクトである「エコ・フィロソフィ」学際研究イニシアティブ(TIEPh)の研究者および外部講師が、それぞれの専門分野を紹介しつつ行う。

キャンパスにおける学びとリソース
(全学総合ⅠB 2コース〔秋学期〕/発信:白山キャンパス)

知識基盤社会における大学は、これまで以上に知のコミュニティとしての豊かさが求められるようになっており、学びのリソースは、教室や図書館だけでなく地域や世界にも広がっている。この講義では、そうした多様な学びとリソースを掘り起こし、自ら知のコミュニティを創造するための基礎的力量と学際的視点を身につけることを目的とする。

この目的を総合大学である東洋大学の良さを生かす形で、学外の専門家の先生方から、毎回、話題提供をいただき、加えて、キャンパス間の相方向的やりとりによって、各回の課題を重層的に考えていく。
授業時間内には、基本的に毎回グループディスカッションなど、それぞれの主体的な意見表明による学び合いの機会を用意する。

オリンピック・パラリンピック講座 ~オリンピック・パラリンピックを哲学する~
(全学総合ⅡB 3コース〔秋学期〕/発信:白山・朝霞・川越・板倉キャンパス)

2020年に東京でオリンピックとパラリンピックが開催されます。しかし、皆さんは、オリンピックやパラリンピックのことをどれだけ知っているでしょうか。また、この競技大会を種目別のワールドカップの寄せ集めだと考えてはいないでしょうか。

現在、4年に1度のペースで開催されているオリンピックは、元々は古代ギリシャで1200年近く続いた祭典競技会をモデルとしたものです。これに感銘を受けて、オリンピックの復興を近代に実現させたのがフランス人のクーベルタン男爵でした。クーベルタンはスポーツには時代や国に左右されない普遍的な価値があるとし、オリンピックの開催目的としてスポーツを通じた「人間教育」「国際理解」「国際平和」を掲げました。彼が掲げた理念を社会一般に広める活動は「オリンピック・ムーブメント」と呼ばれ、その最大の舞台としてオリンピック競技大会・パラリンピック競技大会が位置づけられているのです。

本講座はオリンピック教育の一環として実施し、オリンピック・パラリンピックに関わるバラエティに富んだテーマを毎回異なる講師陣がオムニバス形式で講義します。「講義スケジュール」に記載されているように、東洋大学所属の各教員の専門分野を下敷きにオリンピック・パラリンピックを語ることで、オリンピック・パラリンピックが単なるスポーツ競技会ではなく、社会のあらゆる側面と結びついていることが理解できるはずです。

毎回のテーマは多岐にわたっていますが、本講座ではオリンピック・パラリンピックの競技面での華やか部分や、アスリートに対するサポートの実情はもちろん、その裏側に潜む社会的課題(ドーピング・政治利用・差別・経済格差…)にも目を向けています。開催国の一員を担う東洋大生には、“光”と“影”の両面からオリンピック・パラリンピックを理解してほしいからです。

「哲学」を建学の理念として生まれた東洋大学の学生には、ただ単に「オリンピックを学ぶ」ことだけではなく、オリンピック・パラリンピックを題材として世界に広がる多様な価値観を学び、深く「哲学する」姿勢が求められています。


※それぞれの講座は多様な学部学科の教員が講義を担当します。学部学科、キャンパスにより、受講の条件は異なります。詳細はシラバスをご確認ください。