教員が語る大学院の魅力(ビジネス・会計ファイナンス専攻 依田俊伸教授)
実務からの転身、実務と理論の架橋を目指して
(掲載されている内容は2016年5月現在のものです)
Q.教員としてご自身の専門分野を踏まえ、「研究者として研究」することの意味とは?
研究することとは、あるがままの実態をみて、なぜそうなのかと考えること
法律や制度(ルール)が存在している領域では、特に疑問も持たずそれに従っているのが通常です。しかし、よく考えてみると、そのルールがなぜつくられたのか?また、そのルールは、現在の社会的な実態に十分に適合しているといえるのか? といった疑問が次から次と湧いてきます。そこに研究の糸口があるのではないかと思います。そのためには、ルールやそれが対象としている社会的な実態を予断偏見なくあるがままに見ることが大切だと思います。
Q.教員としてご自身が、研究者になった経緯をご紹介ください。
実務からの転身、実務と理論の架橋を目指して
会計・税務の実務に携わっている時にいろいろな問題点にぶつかったり、疑問点が湧いたりしましたが、どうしても実務の世界の中の論理だけでは解決ができず、理論の世界の中にこそ解決の糸口が見いだせるのではないかと思い大学院に進みました。そのような経緯から、実務から理論、理論から実務への架橋ができれば、との思いで研究しております。
Q.教員としてご自身のご専門分野について、現在までにどんなテーマを研究されているのかご紹介ください。
企業の税と会計に関わる研究
Q.研究者として、つらかったことや、嬉しかったこと?
仕事をしながらの大学院生活
私は、仕事をしながら大学院で研究するという生活をしていました。そのため、仕事と研究をどのように両立するかということに最も気を遣いました。仕事をしながらの大学院生活が大変であることは覚悟の上ですが、社会人の大学院生活にとって職場と家族の理解は欠かせません。職場と家族の理解のもとで、多くの社会人の方に大学院を目指していただきたいです。
Q.大学院で学ぶことの魅力とは?
先生方や大学院の仲間と議論する楽しさ
研究には、物事を疑ってみるとか、他人の考え方を批判的に検討してみるといったことが欠かせません。ただ、そればかりに囚われてしまうと独りよがりで狭い考え方になりかねません。それを防いでくれるのが、他人との議論です。自分とは異なる考えを持った人と議論することにより、自分の考え方が一面的であったとか、ある事柄に対する理解が浅かったということに気付くという経験は、他人との議論を通じてでなければ得られません。皆さんも多くの仲間と議論して下さい。
Q.大学院で学びを考えている受験生にメッセージを一言。
大学院で限界に挑戦を
プロフィール
経歴: 現在、東洋大学大学院経営学研究科ビジネス会計ファイナンス専攻 教授
1983年 東京大学法学部卒業、税務会計の実務に携わった後、
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程、
国士舘大学大学院経営学研究科博士課程。博士(経営学)。
2015年より、東洋大学経営学部。
専門: 租税法学、会計学
著書: 『租税法入門』(2016年)など