MENUCLOSE

修了生・在校生が語る大学院の魅力(茂呂多美子さん)

店舗経営だからこそ、ダイレクトにMBAの学びが活きている

経営学研究科 マーケティング専攻 修士課程修了生

レストラン CITTA' ALTA 経営管理・経理職 茂呂多美子さん

茂呂多美子さん提供:(C)日経キャリアマガジン

(掲載されている内容は2016年5月現在のものです)


 

Q.大学院に、進学しようと思った動機・経緯は?

大学卒業後、不動産会社に就職し5年半本社経理職に従事していましたが、イタリアが大好きで、どうしてもイタリアに住んで学びたいことがあり、退職し、2008年9月から1年間、イタリア国立ボローニャ大学経済学部にイタリア政府給付奨学金生として留学しました。その奨学金応募の際、学部時代の恩師2名からの推薦状が必要で、当時所属していた広告プロモーションを扱うゼミの疋田教授と、欧州ラグジュアリーブランドを研究されている塚田教授にお願いしました。卒業から5年以上も経っている学生に対しても、熱心に指導してくださり、研究計画についても快くアドバイスを頂きました。そのバックアップもあって、イタリア政府奨学金では異例のマーケティング分野にて奨学生として選んでいただき、留学することができました。この1年間で学んできたことを研究し、論文に纏めたいという思いから、大学院への進学を決めました。

Q.なぜこの大学院を選んだのか?

イタリアでの成果を、日本で初めてマーケティング学科を開設した東洋大学の恩師のもとで改めてプロモーション、ブランディングを研究したいと思いました。東洋大学大学院のMBAにマーケティング専攻ができた最初の年の受験でもあり、プログラムにも興味がありました。                      

Q.大学院で学んでみて気づいたこと・発見したことはありますか?

大学院で学んでから、ものごとの意義を意識するようになりました。それから、小さなことから大きなことまで、実現可能性を考えながら計画を立てるようになりました。        

Q.大学院の魅力は?

マーケティング専攻の学生は海外からの留学生も多く様々な国の事情や、価値観を研究発表やディスカッションを通し知ることができ、面白かったです。自分の主張を理論立てて、わかりやすく伝えるということの重要性と難しさを知りました。教授陣は学生一人ひとりに真剣にアドバイスをくださり、塚田教授はお会いするたびに文献や新聞の記事など其々の研究に関連する資料を沢山提供してくださりました。本当に真剣に学びたい学生には大変ありがたい環境です。修士論文の製本提出間際、ゼミの仲間でギリギリまで通読しチェックし合い頑張ったことが印象に残っています。

Q.大学院での学びを通して得たもの

大学院での学びの中で、様々な論文やワーキングペーパーを読み、幅広い知識を得ることができました。ケーススタディで老舗の店やラグジュアリーブランドも扱いましたが、「伝統的な良いモノ・サービス」も時代とともに、伝統を守りながらも新しく変化させながら今も確立しているということがわかり、納得しました。
主人が経営しているレストランを、変化を恐れずより良いサービスを提供できるように、働く側もより良い環境で働けるように変えていきたいと思うようになりました。

Q.論文の研究テーマ・授業の内容

 「北イタリアにおける地域食品ブランドの共同プロモーション ーパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズを例にー」地域食品のブランディングを研究課題とし、その検討の方法として、原産地呼称保護としてグローバル展開を広げるイタリアのパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズの事例研究を行いました。パルミジャーノ・レッジャーノのブランディングを明らかにする為に、共同ブランドの発生の背景、協会の広告・プロモーション、グローバル展開について現地調査をもとに分析し、成功要因を考察しました。組織的なブランド管理に注目して、パルミジャーノ・レッジャーノ協会が競争力を高める為にブランドをどのように確立してきたのか、認定制度と商標の統一、絶えずブランドの特徴を伝えようとする共同プロモーションの役割を明らかにしました。       

Q.指導を受けた教員とのエピソードを教えて下さい。

1)教員名  疋田聰教授

疋田先生は、学部時代からお世話になっています。先生のお話はとても面白く、聞き入ってしまいます。そしてそのお話の断片が私の中で教訓のように刻まれています。色々なことを教えてくださいました。「良い本とたくさん出会いなさい・良い本を読むと、背表紙を見ただけでそれとわかるようになる」、「幸運の女神は前髪しかない」、「いつどこで誰にあっても、あっどうも!と言える関係性であること」「三方よし」などなど。疋田先生の表情は豊かで発表の時などは、先生の顔をみると自分主張のピントが合っているのか、ずれているのかがわかったりしてドキドキしました。笑顔の素敵な先生です。

2)教員名  塚田朋子教授

塚田先生は、いつもパワフルです。真剣に学びたい学生には、ひとりひとり徹底的に応援してくれます。先生の著書「ファッション・マーケティング」の改正版に、ひとり1章ずつ担当制でゼミ生を共同著者にしてくださいました。皆で何度も書き直し、読み直し、検討しながら書いた文章。私達にとって、とても貴重な経験であり、製本された「本」を頂いたときの感動は忘れません。ゼミ終了後、食事に連れていってくださったり、カラオケで迫力ある美声を聞かせてくれます。

Q.大学院での学びが、今どんな形で役立っていますか?

主人がオーナーシェフを務めるレストランCITTA’ALTAの経営管理と経理をメインに行っています。
小さな店で、現在は主人ひとりで店を切り盛りしていることもあり、仕込みやセッティング等の営業時間外の手伝いも、3歳の娘と一緒にしています。大学院の学びが役に立っている点は、経営者であるシェフの様々な悩みや希望を聞いて相談にのり、よりベターな解決策を考え提案し、決断をするサポートが出来るようになったことです。経営は決断の連続です。経営者は孤独です。本当に正しいか不安を抱えています。レストランオープン3年目から現在に至るまで、大学院で学んだマーケティング理論を用いながら、「シェフの美味しく美しく楽しい料理で、お客様に満足いただく」ために、副査の塚田教授のブランド論で学んだ、本当に良いものを守り育てるブランド戦略を念頭に置きながら、夫ともよく話し合い改善してまいりました。主査であった疋田教授のお話の中で、近江商人の「三方よし」が印象に残っていて、いつもそこに立ち返ります。三方とは「売り手よし、買い手よし、世間よし」のことです。経営はこの「三方」が「よし」でないと、永続していくことは難しいのではないかと思います。これらのバランスが取れているのかを確認しながら経営するよう心がけています。最小単位の店舗経営だからこそ、ダイレクトにMBAの学びが活きていると感じています。

Q.お金のやりくり方法や授業料などの捻出方法や、生活費のやりくり方法など工夫した点や家族や職場のエピソードなどがあれば教えてください。

月~金曜日は、毎日受けられるだけ授業をとっていたので、土日のみのアルバイトで授業料は捻出しました。アルバイトも自分の研究テーマであるイタリア食材を扱う店舗を選び、研究の情報収集に役立てました。生活費は実家暮らしでしたので、家族のサポートを得ました。                                     

Q.現在の1週間、または1日のスケジュールは?

7時 起床
8時 家事
10時 娘の散歩 公園や児童館 買い物
13時 自宅で経理処理
15時 レストラン 清掃 仕込み補助
17時 レストラン テーブルセッティング オープン準備
18時 帰宅

Q.今後、東洋大学大学院を目指される方たちへのメッセージを

私は、社会人にとして働いてみてから、学びたいことに気づき、大学院へ行きました。学びたいと気づいたときがそのタイミングなのだと思います。東洋大学大学院経営学研究科マーケティング専攻は、魅力的な教授ばかりです。是非貪欲に多くの授業に参加してみてください。

プロフィール

茂呂多美子さん②提供:(C)日経キャリアマガジン

東洋大学卒業後、都内不動産会社で経理を担当。退職しイタリア国立ボローニャ大学経済学部にイタリア政府給付奨学生として留学。その後東洋大学大学院経営学研究科マーケティング専攻でプロモーション、ブランド戦略を学び直し、修了後に夫がシェフを務めるレストランCITTA’ ALTAで経営管理、経理の仕事に従事。現在、大学院で学んだマーケティング理論を活かしレストランを人気店に押し上げる。