社会学研究科 先輩からのメッセージ(佐藤 重隆さん)
社会心理学専攻 博士後期課程3年 佐藤 重隆さん
掲載されている内容は2015年6月現在のものです。
自分の研究をもっとちゃんとした形にしたいという気持ちが強くなって、
研究者の世界に行きたいと思ったことがきっかけでした。
Q. 進学しようと思った動機・経緯は?
高校生のときに心理学と出会ってから、大学院の存在を知り、「心理学を学ぶなら、大学院まで進まねば!」と勝手に思い込んでいたのがきっかけです。幸い、両親の理解があり、また興味を持つことのできる領域と出会うことができたので、より積極的に大学院で研究を深めようと決意できたというのもあります。加えて、大学の同期生に大学院進学希望者が多く、情報を共有できたり、励ましあったりできたのも大きかったと思います。
博士後期課程に進んだのは、自分の研究をもっとちゃんとした形にしたいという気持ちが強くなって、研究者の世界に行きたいと思ったことがきっかけです。
Q. 大学・大学院で学んでみて気づいたこと・発見したことは?
本や資料を見るときに、内容を学ぶだけではなくて、執筆する側から見るようになりました。
英文のアブストラクトなどは特にそうですが、分野によって頻出する表現があるので、自分で執筆や資料作成をするときに、参考にしたりしています。
Q. なぜこの大学・大学院を選んだのですか?
学部の当時に指導をしてくださった北村英哉先生(現在は関西大学)の研究領域に関心を持っていたのが一番です。また、著名な先生がいらっしゃるのは知っていましたし、よく知っている環境で研究をするのが良いのではと考えてこの大学院を選びました。
Q. 大学・大学院での学びを通して得たものは?
理解しやすく伝えることの重要性です。大学院生というと、研究室にこもってあまり他人とあまりやり取りが無く…みたいなイメージがあるように思いますが、実際には様々な形で人とのやり取りがあります。
例えば、研究発表の場や共同研究の際のやり取り、指導教授との研究内容の打ち合わせなど、専門的な知識を持っている人とのやり取りだけではなく、実験参加者や調査対象者のかたに的確に指示に従ってもらったり、こちらの意図した内容についてきちんと回答してもらえるような質問項目の作成などを行う必要があります。
特に気を使うのは後者ですが、このようなコミュニケーションの必要な場面でシチュエーションと対象を考えて、どのように伝えればこちらの意図が伝わるかをきちんと考える必要があることを学び、できる限り実践するようにしています。
Q. 現在の研究テーマについて教えてください。
感情が人間の思考や行動に与える影響を研究しています。
特に、同じように不快な感情である不安と怒りがリスクの推定や意思決定に対して異なる影響を及ぼすという現象の背景にあるプロセスを知りたいと考えて研究を行ってきました。
例えば、不安を感じた人は、怒りを感じた人と比べて、将来に対してより悲観的な予測を支持したり、リスクの低い選択を行う傾向を示します。
逆に怒りを感じた人は、不安を感じた人に比べて、楽観的な予測を支持したり、リスクの高い選択を行う傾向を示します。
これは、不安を感じるときと怒りを感じるときでは、それぞれの感情が生じる際に行われるといわれる状況に対する評価の違いによるものだといわれています。
私の研究では、感情が生じる場面や意思決定の対象の操作することで起こる変化を測定/分析することにより、そのプロセスを解明することが目標です。
Q. おすすめの科目は?
社会心理学総合研究 |
社会心理学専攻に籍を持つ院生と教員が全員集まる授業です。 内容は院生や教員が自身の研究内容について発表を行ったり、 外部からゲストを招いて講演をしていただくこともあります。 この大学院には社会心理学以外を専門とされている先生も多くいらっしゃいますので、 自分の研究を発表する際には参考になる意見を多数いただくことが出来ます。 |
社会心理学研究法III | 研究法の授業はいくつかありますが、この授業は統計処理に関する授業です。 実験・調査の結果を解釈するために必要な知識と手続きを学ぶことが出来ます。 |
社会心理学特殊研究 | ゼミですが、研究に対する指導が中心です。 テーマの大枠から実験手続きの些細な部分まで、議論に議論を重ねて進めていきます。 |
Q. 将来への展望は?
研究者として、人間を「感情」という側面から探求していけるのが一番の目標ですが、今はそれにこだわらず、研究で得た知識や技術をほかの分野でも応用していきたいと考えています。
Q. お金のやりくり方法は?
収入については、TAや実験室等の管理の仕事があり、授業料や研究に関する出費に対してはこれらの収入を充てています。学外でも非常勤講師等で収入を得ています。実家で生活していますので、金銭的には比較的余裕があります。学会参加や研究については、大学から補助が受けられますので、それを積極的に利用するようにしています。お金のやりくりよりも時間のやりくりのほうが大変です。
Q. 1週間 のスケジュールは?
曜日 | 時間・時限 | 概要 |
---|---|---|
月 | 午後まで 夕方から |
非常勤講師。 情報実習室での業務補助(アルバイト)。 |
火 | 午前 午後 |
実験室管理の仕事(アルバイト)。 研究(主に指導教授とのミーティング)。 |
水 | 夕方まで 夜 |
研究。 情報実習室での業務補助(アルバイト) |
木 | 一日中 | 学外での仕事。 |
金 | 午前 午後 |
研究もしくは翌日の研究会の準備 総合研究の時間 |
土 | 研究会の幹事・学会への参加。何もなければ研究。 | |
日 | 午前 午後 |
自宅で家事。 外で読書や資料収集(主に本屋)。あれば学会、研究会への参加。 |