社会学研究科 先輩からのメッセージ(陸 英善さん)

社会心理学専攻 博士後期課程1年 陸 英善さん

掲載されている内容は2014年7月現在のものです。

写真:陸 英善さん

研究によって、日本と韓国の間にある見えない距離感をなくしたい。

Q. 日本に留学しようと思った理由を教えてください。

私は以前から日本の文化や言語に興味があり、日本語を学んでいましたが、言語だけを勉強していても日本のこと、日本人のことを深く知ることはできないと感じました。日本にどんな習慣があり、日本人がどんな社会で生きているのか、肌で感じながら学びたいと思い、留学を決意しました。

Q. 東洋大学大学院を選んだ理由を教えてください。

日本に来た当初は他の大学で学んでいました。そこで心理学に強く興味を持ち、もっと深く勉強してみたいと思いました。いろいろな大学院を調べたところ、東洋大学が社会心理学の分野で著名な先生が多く集まっていることを知り、入学しました。

Q. 先生や先輩、研究室の仲間はどんな雰囲気ですか?

ご指導いただいている先生方は、第一線で活躍されている高名な教授ばかりですが、研究以外のことでも気軽に相談に乗っていただけます。時には冗談も言い合える、とても身近な存在です。研究室の先輩方も、表面的な優しい言葉ではなく、本当に私のことを考えてアドバイスをしてくれているのがわかります。私はここで、日本人の本当の優しさに触れた気がします。来日して9年になりますが、今が一番充実していて幸せです。

Q. 研究テーマについて教えてください。

人が感情を表に出すことの影響について日韓比較の研究をしています。韓国では、できるだけ感情を表したほうがよいとされており、怒りや悲しみの感情であっても、人目をはばからず表に出します。それに対し日本では「他人に迷惑をかけない」という文化があり、できるだけ感情を表に出さないのが美徳とされています。こうしたことから、韓国では「日本人は冷たい」「何を考えているのかわからない」と思われがちです。私はこうした先入観を、研究によってなくしていきたいと思っています。日韓比較なので、質問紙を作るときも日本語版と韓国語版の二つを作らなければいけないし、実験も日本と韓国の両方で行う必要があるため、かなりの労力がかかります。ですが、修士論文を執筆する際に行った実験では、私の仮説通りの結果が出て、優れた論文として表彰されたのは、とても嬉しい経験でした。

Q. 今後の目標・夢を教えてください。

博士号を取得して韓国に戻り、社会学研究者として、感情表出についての日韓比較の研究を続けていきたいと思っています。先ほども申し上げたように、韓国では日本人に対して、間違った先入観を持っている人も少なからずいます。論文や書籍を発表することで、そんな先入観をなくし、日韓がより友好的な関係になれるよう貢献するのが私の夢です。