先輩からのメッセージ 立花 亮人さん

Q.進学を決意したきっかけは?

学部生の頃からハードウェアとソフトウェアの両方に理解のある技術者が求められていると強く感じており、大学院で最先端の知識とスキルを学びたいと考えたからです。現在、AIIoTをはじめとした機械系と情報系を融合した分野の発展が目覚ましく、スマートフォンや自動車といった身近な製品にも顔認識機能や自動運転などのAIIoT技術が導入されています。そのため、これからのエンジニアには、機械のメカニズムやセンサと機械を動かすアルゴリズムの両方の分野を理解し、融合することで、より使い勝手の良い機械を開発する知識と経験が必要であると考えるようになりました。大学院はそのための知識と経験を積む良い場だと思い進学を決めました。

   

Q. 現在の研究テーマを教えてください。

「自律移動ロボットのための機械学習による制御パラメータの最適化」に取り組んでいます。近年、労働力不足のため自動搬送車による工場の省力化が急務です。しかし、自動搬送車の導入にともなう工場や機材の更新費用が導入のネックでした。そのため、我々の研究グループの目的は、既存の台車を流用できる自動搬送車の開発、および工場や機材に合わせた制御パラメータの自動調整手法の開発です。その中で、私はベイズ最適化により自動搬送車の制御パラメータを最適化することで、台車にかかる摩擦や重心位置が制御モデルと違っていても自動搬送車を適切に制御できることを確認しました。今後は、実工場への導入に向けて実機実験を行う予定です。

 

Q.研究の面白みはどのようなことですか?

自分で考え取り組んだことが結果になって返って来るところが研究の面白みだと思います。学部の実験実習では予め与えられた実験設定で実験を行い、結果も教科書にある内容を確認するものなので、物足りなさを感じた方もいると思います。修士では、自身の研究課題に対して解決方法を考え検証を行っていきます。思うように結果が出ないことが常ですが、実験条件を変えてみたり実験結果の可視化の仕方を工夫したりしてデータの見方を変えることで、法則性が見えてくる時があります。そうしたときに、日々の積み重ねを感じて達成感を味わうことができます。

 

 

Q.研究での苦労はありますか?

スケジュール管理が一番重要だと痛感しました。大学院では2年間で大きな研究目標を達成する必要があるので、しっかり研究計画を立て、着実に研究を進める必要があります。大学院では毎日研究だけやればよいわけではなく、論文調査やプログラム開発、実験の合間に国内外の研究発表やその準備、授業やTA、後輩へのアドバイスなど研究以外の活動もこなさなくてはなりません。また、私の所属した研究室では、研究合宿の運営などのタスクをこなす必要がありました。限られた時間の中で研究を進めていくためには、指導教員や研究室メンバーとの密なコミュニケーションや協力が必要だと学びました

 

国際学会での発表について:

学会名:International Society of Artificial Life and Robotics

大会名:AROB-ISBC-SWARM 2022

Q.学会発表に向けた取組み(準備・活動)を教えてください。

英語論文のための原稿執筆や発表のためのスライドの作成の技術を向上させるため、理工学研究科にて開催されていた“英語によるプレゼンテーション(スピーチ) 能力向上のための英語ワークショップ 2021”に参加させていただきました。ワークショップでは、日本語の発表と違う英語の発表で気を付けなければならないことを学んだり、自身の研究内容を発表し参加者同士で英語による質疑応答を行ったりしました。自分だけで学会発表に向けた英語の学習が難しかったため、学内でこのようなイベントがあることが有り難かったです

 

Q.学会での発表はいかがでしたか。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大によってオンラインでの開催になりましたが、英語での研究発表や質疑応答など大変貴重な経験をさせていただきました。これまで国内の学会発表は3回経験しましたが、今回は全て英語でのやり取りだったため、スライドで最大限内容が伝わるように発表の仕方を工夫しました。また、他の参加者の方々の発表を拝見して発表の仕方やグラフデータの見せ方など、自分のプレゼンテーションを向上させるための参考として活用させていただきました。

 

Q.今後の目標をお聞かせください。

国際ジャーナルに寄稿するために研究成果を英語論文でまとめることが目標です。学部生の頃から進めていた動力学シミュレーションによる計算機実験に区切りがついたため、その研究成果をまとめて論文に投稿する準備を進めています。ジャーナル論文は査読を経た上で内容が認められないと掲載が許可されません。文章の整合性やグラフの視認性などにも、より一層気を配って論文執筆に取り組みたいと考えています。

 

 

Q.大学院進学を検討している人にアドバイスをお願いします。

研究に取り組める時間は思っているより少ないと思います。学会発表のために研究に割ける時間が少ない時期がありますし、2年生の11月頃には修士論文執筆のために研究成果がまとまっている必要もあります。特に学部から進学する方は就職活動もあるため、入学した頃は卒業が遠く見えても振り返ると短い2年間になっているでしょう。どのような選択をしても貴重な2年間であることに変わりはありません。主体的に取り組み、研究活動に向き合えるかどうか考えて、大学院進学という選択を見つめてみると良いと思います。

 

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