先輩からのメッセージ 川崎 一さん

Q.進学を決意したきっかけは?

私が進学を決意したきっかけは、卒業研究です。私は学部生のころから親の勧めもあり、大学院への興味自体はありました。また、このまま社会に出て一人前に働けるのかということに不安もありました。そうした中、卒業研究を少しずつ進めていくうちに、防災について学ぶことが自分の性分に合っていると感じました。元々中学生の頃からある程度の冊数の本を読んできており、論文や書物を読むことが苦になりませんでした。むしろ新たな知見を得られることに喜びを感じました。そこで、大学院にてより深く学びたいと考えるようになりました。

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Q. 現在の研究テーマを教えてください。

私の研究テーマは「防災プラグマティズムの展開と課題」です。1870年頃に生まれた考え方である「プラグマティズム」を防災研究分野に導入しようと研究を行っています。「プラグマティズム」は簡単に言えば「過程」よりも「結果」を重要視する考え方のことです。これを防災研究分野に導入することで、利益を生み出せると考えております。「防災」という分野において、「責任」を問うということは、「真実」の究明を阻害し、被災者遺族の苦しみが大きくなることが往々にしてあります。プラグマティズムは「過程」を重要視しないため、「責任」を問いません。このことが「真実」の究明を促進し、遺族の苦しみを和らげることに繋がると考えています。

 

Q.その研究に興味を持ったきっかけは?

私の卒業研究を進めていくうちに、「プラグマティズム」という概念の存在を担当の教授に「研究に役立つのではないか」と教えていただきました。そこで、「プラグマティズム」について自分でも調べていくうちに、当時私が研究していた「主体的避難」と密接に関わっているのではないかと考えるようになりました。そのため、担当の教授の勧めもあり、大学院にて「プラグマティズム」を防災研究の分野に取り込むことをテーマにした研究を行うことに興味を持ちました。

 

Q.研究での苦労はありますか?

前述しましたが、私は卒業論文の担当教授から紹介されるまでは「プラグマティズム」の存在を全くと言ってよいほど知りませんでした。さらに哲学の分野に関する知識もないに等しかったため、「プラグマティズム」という概念そのものを理解することには苦労しました。また防災に関する研究という都合上、実験やそれに類するものは基本的に行えず、論文にどのようにして説得力を持たせるかについては苦慮しています。現在のところアンケート調査を行う予定ですが、狙った結果が出なかった場合どのように論を組み立てるか、非常に悩んでいます。

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Q.今後の目標をお聞かせください。

私は「プラグマティズム」を防災研究に用いることの有用性を多くの人に知ってもらうことを目標として研究を行っています。論文では東日本大震災の津波の被害を受け、多くの生徒と教職員が亡くなった宮城県石巻市の大川小学校を例にとる予定です。大川小学校は報道で大きく取り上げられたことからご存知の方も多いのではないでしょうか。私はこの件に関するアンケート調査を行い、研究に役立てる予定です。大川小学校を題材にすることで防災研究分野に「プラグマティズム」を導入する有用性を理解してもらえるのではないかと考えています。

 

Q.大学院進学を検討している人にアドバイスをお願いします。

大学院では自分の行いたい研究をかなり自由に進めることができます。学部生の時は各種講義や試験などに取られる時間があったかと思います。大学院でももちろん講義はありますが、学部生の時よりも自由に使える時間は増えると思います。また学会発表やTAとして働く体験など、学部時代には機会がなかった体験もすることが可能です。こういった経験を積むことで、自信をもって実際に社会に出ることができるでしょう。もし、自分の力を高めたい、より長いスパンで研究をしてみたいといった思いがあるのであれば、是非大学院に進むことをお勧めします。

 

 

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