先輩からのメッセージ 伊藤 翼さん

Q.進学を決意したきっかけは?

自分の研究をもっと深く突き詰めたいと思ったことがきっかけです。私が行っている研究は市販塩からのセルラーゼ生産菌の探索で、教授からも見つけるのが難しいと言われていました。最初は全く見つからずテーマを変えようとも考えましたが、諦めずに条件を変えてトライしたところ、ある条件でやっと見つけることが出来ました。せっかく見つけた菌の研究がほとんどできないまま卒業してしまうのはもったいないと思い、大学院でもっと深く研究しようと思いました。

  

Q.現在の研究テーマを教えてください。

極限環境微生物の生産する酵素は、極限環境下で作用することが多く、工業的な応用が期待されています。実際にセルラーゼは汚水中セルロース処理等に利用されており、極限環境下で作用するセルラーゼの発見は今後のセルラーゼ産業に大きな意味を持ちます。そこで、私は新規の極限環境微生物由来好塩性セルラーゼ生産菌の探索と諸性質解析というテーマで研究を行っています。

  

Q. 研究の面白みはどのようなことですか?

どの研究もそうだと思いますが、研究は失敗が9割、成功が1割です。私も研究で多くの失敗をして、その都度原因は何か考えて細かく修正を行っていきます。自身が立てた仮説と実験結果がマッチし、一つの結果として形になった時の達成感は他では味わえない研究の面白みだと思います。

 

Q. 学会発表に向けた取組み(準備・活動)を教えてください。

私は修士二年の夏に、塩に関係する国際学会Halophiles 2019で発表させていただきました。英語での発表は初めてでしたが、自分が伝えたいことを理解してもらうために何度も原稿を確認して修正を繰り返しました。その結果、発表は成功し様々な国の研究者や学生とディスカッションをすることが出来ました。様々な角度からの意見を頂き、自身の研究を改めて見つめなおす機会になりました。

  

Q.現在の課題と将来の目標(夢)は?

現在の課題は、自身が発見したセルラーゼ生産菌の生態や性質の解析と、セルラーゼ遺伝子の解析です。発見した新規セルラーゼと既存のセルラーゼの性質を比較し、利用価値がどの程度あるか評価をしています。セルラーゼ研究は時間がかかるため、研究者が他の酵素研究に比べて少ないのが現状で、その手法もあまり確立されていません。実験過程を1から考え試行することの繰り返しですが、1つ1つの達成感を感じ、日々頑張っています。

 

 

Q.大学院進学を検討している人にアドバイスをお願いします。

大学院進学を考えている方は、様々な目的をもっている方がほとんどだと思います。2年後、5年後にその目標が達成できるように計画をしっかり立てておくことをお勧めします。大学院での研究は自分のテーマと長期間向き合うため、忍耐力と目的意識を持てる人が向いていると思います。しっかり自分と向き合って、進学を考えてみてください。

 

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