先輩からのメッセージ 毛塚 由希子さん

Q.進学を決意したきっかけは?

社会を個人ベースで心身共に健康になってもらいたいという思いが一番のきっかけです。現在生業にしているヨーガ療法というエビデンスをベースに心身の健康に寄与するヨーガで、心身共に健康になる人を多く見てきました。ヨーガは紀元前からあると言われていて、文献も多く残っており、その中には根拠となる書物も多くあるのですが、科学的に解明されているわけではありません。そのため、まだまだ研究が少ないということが1つと、人生につまずいた時、困った時に、その解決策の1つとしてヨーガ療法をより多くの方に提供できるようにするには、研究しかないと進学を決意しました。

  

Q. 現在の研究テーマを教えてください。

「ヨーガ実習におけるメンタルタフネス効果についての調査」というテーマで研究をしています。自然災害、未曽有のウィルスの蔓延、経済的な側面など、これまでの普通とされていた価値観が害され、様々なストレスの中で生き抜かなければならなくなりました。「メンタルタフネス」はストレス下にあって強くなる精神性を指します。ヨーガの文献によれば、ヨーガにはメンタルを強くする技法を有しています。しかし、現代において、根拠として提示されていないので、メンタルを強くする技法の1つとして、提示できるような研究がしたいと考えています。

 

Q.研究での苦労はありますか

新型コロナのパンデミックにより、対人でヨーガの実験をすることが難しくなり、大きく研究テーマと研究方法の変更を余儀なくされたことが一番苦しかったです。本来は、海外や病院内での実験を考えていたのですが、すべてできなくなりました。しかし、研究は社会の中にあり、必要なものにこそフォーカスできる素晴らしい手段なので、このような社会になったからこそ、ストレスにタフに生きる、「メンタルタフネス」にヨーガを利用していくという研究テーマに変更できたというのは不幸中の幸いなのかもしれません。もう一つの苦労は、ヨーガの効果をどう可視化していくのか、つまり、どの評価で判断するのかを間違えると、研究の質が大きく変わるので、研究の中で、一番大変な部分です。 

 

Q.学会発表に向けた取組み(準備・活動)を教えてください。

国際学会での発表は、毎年おこなっておりましたが、最後に口頭発表させていただいたのが、The 18th Congress of the Asian College of Psychosomatic Medicine ソウルでの発表です。”Observations on the cognitive characteristics of people who choose to practice yoga therapy” というタイトルで、発表させていただきました。ポスター発表とは違い、舞台の上で、しかも母国語ではない英語で発表するというのは、非常にハードルが高く、いつにもまして、発表の練習を重ねました。一番苦しいのは、質疑応答でした。どのような質問が来るかもわからず、英語の聞き取り、回答、すべて即興で行わなければならないので、質疑の時間になる直前はとても緊張しました。しかし、ポスターセッションで何度か行っていたので、思っていた以上に緊張することはありませんでした。英語の発表も場数を踏むことが重要だと実感した瞬間でした。

                  

   Q.今後の目標をお聞かせください。

博士論文を完成させることです。その後、ヨーガ大学で講師としてさらに指導していくので、博士論文を完成させ、修士学生を担当することで、ヨーガの研究ができる人を増やしていくお手伝いをさせていただけたらと思っています。それが、延いては、ヨーガで健康のお手伝いをさせていただくという、私の人生の大きな目標に繋がっていくことになります。仕事と研究の両立は、考えていたよりも大変ですが、日々調整をしながら、まずは、博士論文を書き上げていきたいと思っています。

 

Q.大学院進学を検討している人にアドバイスをお願いします。

社会人として、大学院に来てよかったなと思うことは、世界が広がるということです。世界が広がると、見えるものが変わり、出会う人も変わります。大人になると、なかなか変われない、成長できないと思ってしまうこともあります。しかし、自分の興味のある分野で、更に飛躍し、自分自身の見地を広げ、社会を広げていくことは、一生可能だと思います。社会人として、主婦、お母さんとして、毎日忙しいとか、記憶力が衰えているとか、学部から進学してくる方たちと、肩を並べることを気後れする気持ちもわかります。進学しない理由はいくらでも作ることができますが、進学することで、自分にしか歩めない人生を謳歌することができます。大変ですが、その大変さが価値あるものだとわかるのは、経験している人だけだと思います。

Q. 現在のお仕事について教えてください

ヨガセラピーのスタジオを経営し、オンラインとスタジオとでヨーガ療法の指導と啓蒙活動をしています。一般的にイメージするヨガスタジオと違い、個人を尊重し、ヨーガの理論やエビデンスに基づき、個々の問題を解決するために、ヨーガ・カウンセリングをして、アセスメント後、ヨーガ技法を提供しています。企業のストレスマネージメント、社会福祉施設でのヨーガ療法実習の提供、また、講師業として、ヨーガ療法士育成講座の講師も行っています。大学院に進学したことで、インドに母体があるヨーガ大学の講師をさせていただくことにもなり、博士課程修了後は、修士学生を担当する予定です

            

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