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金子 有子

〈新入生へのメッセージ〉

 8月のオープンキャンパスで個別相談対応をした際、高校2年生や高校3年生の相談者から多くの質問があったのが、カリキュラムと授業の受け方についてでした。学生向けに履修相談というのもやりますが、必修科目や選択科目をどう組み合わせて、自分に合った時間割を作るのか、高校生までの感覚ではなかなかイメージしにくいのかもしれません。しかし、これが大学の学びの大きな特徴の一つではないかと思います。もちろん必修科目はありますが、それは皆さんが“選んだ”学部学科に固有の分野だったり、教師になりたい場合も教職課程は教師になるために必要最低限の勉強だったりするわけですから、もともと「したかった勉強」のはずです。そして、必修科目以外は、自分が好きな科目を好きなように選択できるわけです。大学HP上でシラバスを見てもらうと分かると思いますが、選択肢はそれなりにありますので、大学では「好きな勉強」だけができるといっても過言ではないでしょう。これは高校までにはない、とても幸せで“楽しい”ことだと思います。是非、「やりたい勉強」だけに、大いに没頭してみてください(ただし、私は「基盤科目」担当教員ですので、専門科目の先生には睨まれてしまうかもしれませんが…)。

 もう一つは、「学生時代にしかやれないこと」をたくさんやってほしいと思います。「したい勉強」や「やりたいこと」がまだ見つかっていない人も是非。海外留学もいいでしょうし、旅行だけでもおすすめです。大昔の話ですが、私が卒業した京都大学は当時、教養課程(東洋大学でいうところの「基盤教育」を受ける2年間)と専門課程(自分の学部学科に固有の専門分野を勉強する2年間)に分かれていて、教養課程に必要な単位は1、2年生で、専門課程に必要な単位は3、4年生で取るシステムでした。といっても、留年制度も、一年間に修得できる単位数や科目数の上限もなく、対象学年でしか履修できない必修科目は語学と体育くらいでした。そこで私は、教養課程で必要な単位は1年生、専門課程で必要な単位は3年生でほぼすべて取り終え、2年生の時には最低限必修の体育と語学だけ、4年生の時には卒論だけをやれば良い状況にしました。2年生と4年生の各一年間に大量の“自由時間”を得た私は、その後の人生ではなかなかできないであろうことをたくさん体験しました。実際、大学院卒業と同時にフルタイム勤務の専門職につき、既に家庭もあった私の場合、大人や社会人になってからはまとまった“自由時間”などほとんど全くありませんでしたので、結果的にそれらは唯一無二の貴重な、そして“バーチャルリアリティ”ではない、本当に“リアル”な体験の数々となりました。東洋大学には履修制限がありますが、それでも一年間に48単位まで修得可能です。卒業に必要な単位数は英米文学科で124単位ですから、4年間の中で多少の“自由時間”を捻出することは可能でしょう。是非、自分の時間割を、すなわち、あなた自身の手でコーディネートできる自分の人生を、見通しと目標を持ってうまく設計し、有意義な学生生活を送ってください。

 

〈自己紹介コラム〉

専門分野:生態学、保全生物学

主な著作物

Lake Biwa: Interactions between Nature and People. Second Edition.”(共著、シュプリンガー)

“Ecology of Riparian Forests in Japan: Disturbance, Life-history and Regeneration.”(共著、シュプリンガー)

『草木を見つめる科学-植物の生活史研究-』(共著、文一総合出版)

研究テーマ:野生植物集団の個体群動態、生物多様性評価

 

〈関連サイト〉

研究者総覧(researchmap):https://researchmap.jp/90280817

 

〈新入生のための推薦書〉

書名:『これからレポート・卒論を書く若者のために 第2版

著者名:酒井聡樹

出版社:共立出版

推薦理由:筆者は知り合いの生物系の研究者ですが、大学教員としての長年の経験から書かれた本書は、「これからレポート・卒論を書こうとしている学部生」を対象に「理系文系を問わず、どんな分野にも通じるように書いています」(著者HPより引用)とのこと。何をどう書くかだけでなく、「まず、レポート・卒論とは何か」から解説されており、テーマの設定からして右も左も分からんという人にもおすすめです。