学外受賞作品

本学科の学生が制作した作品のうち、めでたく学外で受賞したものが多数あります。ここでは近年の受賞作品をいくつかご紹介します。学生でも極めればここまでのモノや空間を作ることができ、そして社会で評価される・・・思う存分制作に打ち込める環境がここにはあります。

 

2022年3月

第9回 Welfare Design Contest 優秀賞

『みんなの緊急掲示板』 木村 綾菜

緊急時に連絡手段を持たない子供や高齢者、外国人などの人々が必要な情報をスムーズに入手するための掲示板。デジタル格差のために不自由のない社会をデザインするということで、私は特にデジタル格差が表れやすくそして格差が生まれてはいけない場面は災害時にあると考えた。そこで、災害時に生まれるデジタル格差を軽減するデジタルの掲示板を考案した。


 


2021年2月

せんだいデザインリーグ2021 卒業設計日本一決定戦 上位100選

『記憶の欠片をそっとすくう ―人間魚雷回天を巡る出会いと別れの島―』 磯永 涼香

山口県周南市大津島。太平洋戦争末期に日本海軍の特攻兵器「人間魚雷回天」の訓練基地が設置された。しかしその事実は戦争体験者の減少と共に風化の一途を辿っている。そこで人間魚雷回天と出会い、回天搭乗員の想いを知り、記憶を継承していく、そのストーリーを構築する。二度と同じ過ちを繰り返さないために。


 


2020年9月

JAGDA国際学生ポスターアワード2020 入選

『カタチの透明化』 加﨑 拓海

これまで通貨は異なる場所でそれぞれの性格を獲得し、そのアイデンティティを形成してきました。昨今において、電子マネーや仮想通貨といった実体を持たない通貨の形態が一般化し始めたことで、通貨はその個性や身体を失いながら、単なる数字へと変換されていくのです。日本独自の千円札はピクセルの集合体へと変換され、それらは万国共通の英語に吸収されながら、その姿を失っていきます。そんなアナログからデジタルへと生まれ変わる一瞬に着目し、この作品を制作しました。


 


2020年2月

第7回 Welfare Design Contest 最優秀賞

『EXCEED』 中谷 明彦

車椅子利用者が電車に乗る際、基本的には駅員の介助が必要である。よってお互いに不利益が生じている。この問題を解決するために、国や鉄道会社任せになってしまう「環境の提案」でなく、利用者個人で解決できるような「プロダクトの提案」が望ましいと考えた。乗車が難しい理由は、ホームと車両の間にある伱間と段差である。この車椅子は、横に付属するレバーを用いて車輪を浮かし、電車に乗るという提案である。そしてそのレバーを活用するため、車輪の数や位置の検討、特殊な転倒防止装置の装着など、様々な工夫を施している。

 



2019年11月

建築系大学住宅課題優秀作品展 植田実賞(審査員賞)

死なない住宅』 日向野 秋穂

住宅にとって死とはなんだろう。人にとっての死は、命が尽きること。住宅にとっての死は、人の死と共通するのか。住宅として使われないことが、住宅にとっての死なのか、それとも物理的に朽ちていくことが、死なのか。多くの人は住宅と共に朽ちていくことはない。誰かに譲渡したり、住宅そのものを壊して、また別のものに変えてしまう。もし住宅の死を、人の死に置き換えたら、住宅はどうなるのか。人間本位の住宅とはどういう形なのだろうか。生物と非生物の死を重ね合わせ、住宅の位置づけを再定義した。

 

 


2019年9月

あだちの魅力を伝える合言葉ロゴデザイン 協賛企業賞

『発見とはじまりの表情』 磯永 涼香

「はじまりはあだち」これは東京都足立区のあたらしい合言葉である。はじまりとは何か、を考えた際に私は「新しいことを発見すること」だと考えた。あ! と驚き、なにかを発見した瞬間の表情をひらがなの「あ」の中に落とし込んだ。周りに散らばる三角形は、そこから広がる物事やアイディアを表す。カラーは「空色」。わたしたちの生活を支えてくれるあたりまえの存在である「空」を足立区になぞらえた。

 

 


2018年2月

第5回 Welfare Design Contest アクテイブライフ部門 部門賞

『藍伺(アイジョウ)』 中谷 明彦

既存の松葉伺は、歩行時に脇から抜けて倒れてしまうという問題点があった。しかしこの伺は、フックのような肩掛けが引っかかり、意図せず身体から離れることを防ぐ。そして立ち止まった時にも、この肩掛けによって伺が倒れる心配がない。よってバッグを開けたりケータイを見たりなどの作業をする際、腕を自由に動かすことができる。また意匠的にはスポーティな印象を与えられるよう意識した。ターゲットのイメージは「怪我をしたサッカー部の中高校生」である。