特色ある取組

「諸学の基礎は哲学にあり」

1年生の「総合的な学習の時間」に、東洋大学の創立者である井上円了先生の教えを説いた「井上円了の教育理念:諸学の基礎は哲学にあり」を用いて『哲学』を行なっています。


牛夫「哲学っていったい何なの?難しい学問っていうイメージがあるんだけれど・・・」

久子「哲学というのは、約2600年前、紀元前6世紀頃の古代ギリシアで始まった学問よ。」

牛夫「そんなに古いんだ。だから難しいのかな。」

久子「ギリシャ神話って知ってる?」

牛夫「聞いたことはあるよ。ゼウスとかポセイドンとかいろいろな神様が出てくる話でしょ。」

久子「ギリシャに限らず神話っていうのは世界中にあるのよ。昔の人たちは、自分たちが不思議でわからないことを、神様のしわざにしていろいろな話を作ったの。」

牛夫「風が吹くのも、雨が降るのも、地震・洪水などの自然災害も、病気の流行もすべて神様のせいだというわけ?」

久子「そう。でも古代ギリシャで、そんな自然界で起こる様々な出来事を、人間の考える力(理性)を使って、もっとちゃんとわかりやすく(合理的に)説明していこうという人たちが現れるの。それが世界で最初の哲学者、自然哲学者とよばれる人たちよ。」

牛夫「自然哲学者にはどんな人がいるの?」

久子「タレスにヘラクレイトス、デモクリトス、それにピタゴラスも有名よね。」

牛夫「ピタゴラスって数学者なんじゃないの?」

久子「今ならね。でも当時は学問は哲学しかなかったのよ。この世の中の様々なことに関して『なぜだろう?』って考えることがすべて哲学だったの。哲学者は今でいう科学者でもあったわけ。」

牛夫「もしかして、今ある様々な学問は、すべて哲学がもとになっているってこと?」

久子「その通り、『諸学の基礎は哲学にあり』よ。月や太陽について『なぜだろう?』って考える哲学がやがて天文学に、病気について『なぜだろう?』って考える哲学がやがて医学に、自然現象について『なぜだろう?』って考える哲学がやがて物理学・化学・数学などに発展していったわけ。」

牛夫「じゃあ、現在の哲学ってどんな学問なの?」

久子「『なぜだろう?』って考える基本的な姿勢は変わっていないわ。でも『人間とは何か?』、『人間とはどのように生きるべきか?』などのように、人間について考えることが中心になっているわね。」

牛夫「自分がどんな人間で、将来どんな職業に就けばいいのか、哲学を学べば、少しはわかってくるのかな?」

久子「もちろんよ。哲学は生きるヒントを与えてくれるわ。個人的なことばかりでなく、これからの日本はそして世界はどうすべきかみたいな、スケールの大きな悩みにも役立つわ。」

牛夫「なんか哲学に興味がわいてきたよ。僕も今日から『なぜだろう』って哲学しよう!」

以上は副教材「哲学」の ~はじめに~ の部分です。