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名著精読

名著精読(高校2年全員)

良い本との出会いは、自分の視野を広げ、価値観を深めていくきっかけになります。「名著精読」は、課題図書を読み、課題に対して各自が考えたこと、感じたことを記述し、友人からのコメントを受け取る形式で進めています。また、友人のノートを読み、そこからさらに湧いてきた問いについて哲学対話形式で意見交換をします。

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今年度の課題図書『夜と霧』(みすず書房)は、第二次世界大戦中のユダヤ人収容所から奇跡的な生還を果たしたユダヤ人精神科医V.フランクルが、冷静な視点で収容所での出来事を記録した書物です。この本が時代を超えて人々を引きつけるのは、単なる強制収容所の告発ではなく、“人生とは何か”を問う内容だからだといわれています。戦後、フランクルは「人生はどんな状況でも意味がある」と説き、生きがいを見つけられずに悩む人たちにメッセージを発し続けました。収容所という絶望的な環境の中で希望を失わなかった人たちの姿から、人間の“生きる意味”を探りました。

 

生徒が書いた作文より

フランクルは、どんなに苦しく辛い状況でも逃げ出さずに苦悩することで人間としての尊厳を保つことができると考えている。苦悩すること、つまり考える行為をやめてその状況に流されるままに行動すれば、確かに楽になれるかもしれない。しかし、その行為は逃避であり、根本的な物事の解決にはならない。例えば、現代の私たちの生活の中で言うならば、対人関係などでトラブルが生じた時、相手との関係を断ってしまえばそのことで悩まずに済むだろう。しかしこれは悩み、考えることを放棄している。この行動をした時点で、悩むことに値しない人間になってしまう。だから私はフランクルの言う通り悩むことに値しない人間になるのは怖いと思う。それはつまり人間の誇りや権利を失くしてしまう気がするからだ。また、「生きることに期待するのではなく、生きることが私たちに何を期待するか」という問いはとても難しいと思う。私たちはやはり生きたいと思うし、その中で夢や期待を持つのは当たり前のことだし、むしろそれが生きる意味のような気がするからだ。それらの希望を生きることの中に見るのではなく、生きていく中で後ろから生きる意味になるものがついてくるのが理想なのかなと思った。そうすれば、もし生きていく中で何か起こったとしても生きる意味を見失わずにいられると思う。(M.K)

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