松永大介選手

“周りが強い環境にいたからこそ
自分も強くなれた。”

陸上・男子競歩20㎞
松永 大介選手
Daisuke Matsunaga

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松永大介選手インタビュー

[2016年6月末現在]

決して足が速くなかったが、競歩のフォームに魅せられた

 僕は中学時代から陸上部に所属して長距離走をやっていましたが、県大会に出られるかどうか程度レベルの選手でした。そんな中で横浜高校に入学して出会ったのが競歩でした。足が速くありませんでしたが、競歩の特徴的なクネクネとした動きが自分の中で面白いと思ったのが競技を始めるきっかけでしたね。

 実際に始めてみて、こんなにも色々な筋肉を使わなければいけないのか、という点が驚きでした。競歩は簡単に説明すると「足が垂直になるまで膝を伸ばす」、「どちらかの足が地面についていなければならない」というルールがあります。そのフォームを崩さず20㎞もの距離を歩ききるためには、太もも裏から臀部、上半身の連動がとても大事になるんです。だからこそ、特徴的なフォームで歩く必要性に気づくことができました。

 僕自身、過去には何度か失格になったことがあります。特に今年(2016年)2月の日本選手権では残り500mのところで失格となりました。非常に悔しかったですがフォームをもう一度見直して、翌3月の全日本競歩能美大会で優勝し、リオデジャネイロ五輪日本代表の切符をつかみ取ることができました。

東洋大での文武両道、そして寮長を任されて充実の日々

 僕は理工学部の都市環境デザイン学科に在籍しています。そこで勉強していることは……環境のことを勉強しながら、未来に向けて構造物を建設することを学んでいます。授業では測量機械を使った実験などに取り組んでいます。ただ1年生の時は初めての寮生活や大学生活になれなくてうまく行かないこともありましたが、2年生からは競技も学業にもどんどん慣れてきて、今はそこまで苦ではなくなりました。競技と学業の両立に慣れるということが一番大切だったのかなって思います。授業に行くと、陸上部の寮では会えない友人もいますしね。

 また陸上部の寮で生活しているのですが、能美大会後に酒井(俊幸)監督から寮長をやってほしいと指名されました。最初は「五輪候補に選ばれた分、国内合宿などで長期間にわたって寮から離れることが多いので大丈夫かな?」と考えましたが、今は僕がいなくても周囲がしっかりとやってくれれば、という思いを持って寮長を務めています。東洋大学と言えば駅伝のイメージが強いかと思いますが、箱根駅伝などのおかげで長距離ブロックの中で競歩も少しずつ存在感が出てきていると感じます。自分自身も、寮でともに生活する同学年の服部(弾馬)たちから大きく刺激を受けています。

世界の頂点を目指して――リオ、そして東京五輪を視野に

 僕にとってターニングポイントとなったのは大学1年生の12月にあった記録会です。当時の先輩であるロンドン五輪で活躍した西塔拓己(2015年卒業)さんの持っていたジュニア記録を1分ほど更新することができました。その記録が世界ジュニアランキングのトップだったからこそ、世界を意識し始めるようになりましたね。

 現在の日本競歩界は競技力がとても高くなっています。僕の出場する20㎞でも世界ランク1~3位を日本人選手が独占しています。自分自身も国内合宿などに参加することで、レベルアップしていると感じます。現在僕は世界ランク3位ということもあってリオデジャネイロ五輪ではメダルは意識して臨むつもりですが、まずは自分の力を十分に発揮することを心がけています。その結果がいい順位につながると思いますので。五輪へのプレッシャーを感じるか、ですか? もちろん日本代表なので……多少の不安はありますが、むしろ「早くオリンピックが来ないかな」とワクワクしています。

 そしてリオだけでなく長期的な目標も大事にしていて、4年後の東京五輪につながるようなリオにしたいです。リオからメダルは狙いますが、東京で金を獲ること、世界ランク1位になることが自分にとっての最大の目標です。そして東京の次、2024年の五輪まで競技を続けていきたいですね。競技人生を終えたら、先輩たちが教えてくれたことを次世代に伝える立場になりたいなと考えています。そのためにはまずリオデジャネイロ五輪を全力で臨むので、応援よろしくお願いします!

(interviewer 茂野聡士 / photo 小倉和徳 )


プロフィール

松永大介選手
松永 大介(まつなが だいすけ)
理工学部都市環境デザイン学科4年
1995年3月24日生まれ(21歳)
身長 175cm  体重 61kg
出身地 神奈川県
出身校 横浜高等学校

主な成績

2013年 第92回関東学生陸上競技対校選手権大会10000mW 4位
2013日本学生陸上競技個人選手権大会10000mW 2位
第82回日本学生陸上競技対校選手権大会10000mW 4位
第68回国民体育大会10000mW 10位
2014年 第97回日本選手権20kmW 8位
ルガノトロフィー競歩20kmW 6位
ワールドカップ競歩20kmW 2位
第93回関東学生陸上競技対校選手権大会10000mW 優勝
第15回世界ジュニア陸上競技選手権大会10000mW 優勝
第83回日本学生陸上競技対校選手権大会10000mW 3位
2015年 第39回全日本競歩能美大会20kmW 3位
兼 第10回日本学生20km競歩選手権 優勝
第94回関東学生陸上競技対校選手権大会10000mW 優勝
第28回ユニバーシアード競技大会10000mW 3位

自己ベスト

5000m 19分28秒91 ★ジュニア日本新
10000m 39分08秒23 ★ジュニア日本新
20km 1時間18分53秒

(2016年6月末現在)