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第2回TIEPh公開講演会 「ドイツにおける環境にやさしい建築」

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講演者:
ウルフ・マイヤー氏
ジビレ・ファネルザ氏

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11月15日水曜日に、TIEPhの第2回公開講演会『ドイツにおける環境にやさしい建築』が、ドイツ人建築家ウルフ・マイヤー(Ulf Meyer)氏、ジビレ・ファネルザ(Sybille Fanelsa)女史をお招きして、東洋大学にて開催されました。

“エコ・フィロソフィ”を実現するためのオルタナティブデザインの一環として企画されたこの講演会に、学外の先生方や建設業界の方、学生に至るまで多数来場していただき、ドイツの環境建築・都市計画への関心が高いことを示していました。

  

 

まず、TIEPh代表である竹村先生が開会のあいさつに立ち、TIEPh設立の経緯や、東洋大学におけるTIEPhの位置とその役割に関してお話くださいました。「環境問題と建築、それらを支える哲学」のあり方に関しての重要性と期待が語られ、TIEPhは、そうした問題意識を共有していくことが示されました。

 

続いて、哲学科の山口先生が通訳を務め、マイヤー氏の講演がなされました。マイヤー氏は1989年にベルリンで建築を研究し始め、1996年にベルリン大学において建築学を修了しました。その後建築関係のジャーナリストとして、主に環境デザイン関係の著書や記事を多数出版しています。2001-02年には日本人建築家・坂茂氏(ばん・しげる)とも共同で仕事をし、現在ではBauNetz Onlinedienst Architektenというオンラインジャーナリズムで活躍されています。

 

講演の題目はドイツ語で“Über umweltfreundliches Bauen in Deutschland ”ということで、『ドイツにおける環境にやさしい建築』と訳しておりますが、「freundlich」という言葉は、そもそも「友好的な」という意味です。ですから、マイヤー氏は「環境にやさしい」ということよりも、「環境と友達であるような」というようなことを考えているようでした。

ドイツと日本はともに工業化されており、人口が密集し、石油資源の多くを他国に依存するという共通点をもっています。しかし、ドイツにはグリーン党という環境政策に力点を置く政党もあることから、環境にやさしい建築物に関する技術は、日本に較べて非常に進歩しています。

バックミンスター・フラーとも交流のあったノーマン・フォスターのような著名な建築家のスタイルである「技術(Technik)」と「生物学(Biologie)」の融合としての「ビオニーク(Bionik)」という概念があります。

この概念は1970年代以降の「自然に帰れ」というエネルギー節減へ向けられた運動において生じてきたと考えられています。ただしこの考え方は、「技術を捨てて自然に帰る」ことを意味しているのではなく、「科学技術とともに自然から学んだものを現実に適応していく」ということを意味しています。

 

この「ビオニーク(Bionik)」という概念の根幹には、「自然は最高のデザイナーである」という考え方があります。マイヤー氏は、こうした根幹にある考え方をもとにした建築物の実例を二つほど挙げ、ドイツと日本における建築のあり方の違い、さらに基本的なコスト計算の相違などを指摘しました。その後、ファネルザ女史が、インゲンホーフェン氏の手による環境に優しい建築物の例を挙げました。

実例として以下の3つのものが示されました。
1. ロンドンの建築家ノーマン・フォスター氏による、ベルリン自由大学の新しい図書館。
2. ザウアーブルッフ氏とフッテン氏による、ベルリンにあるGSW-Hochhaus。
3. クリストフ・インゲンホーフェン氏による建築。

講演終了後、参加者からは多数の質疑が寄せられました。日本とドイツの環境状況および政策のあり方の違い、コスト計算や材質に関する質問、住環境や労働環境についての感想にいたるまで、多くの議論がなされました。マイヤー氏もファネルザ女史も日本とドイツの差異などを踏まえた上で、一つひとつ丁寧に答えられ、また活発な議論がなされました。
このような講演会を開催したことによって、今後のTIEPhにおける東洋思想と西洋思想との対比における重要な契機となりました。更には環境デザインといったものの現実へのアプローチへの一端として、非常に貴重で重要な講演となりました。

  

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