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第1回シンポジウム「エコ・フィロソフィ」の構築をめざして

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TIEPh第一回シンポジウム『「エコ・フィロソフィ」の構築をめざして』が、10月21日土曜日、白山キャンパス2号館16階のスカイホールにおいて開催されました。この企画はTIEPhによる最初のシンポジウムであり、今後の学際研究活動の方向性を作っていくうえで重要なイベントとなりました。

 
松尾友矩学長(TIEPh 機構長)

まず初めに、TIEPh機構長であり本学の学長でもある松尾先生が開会のあいさつに立ち、TIEPh設立の経緯や、東洋大学におけるTIEPhの位置づけと役割に関して、東洋大学における「共生学」の重要性を示唆しながら、「サステイナビリティの出発点となる“フィロソフィ”を、哲学館を祖とする本学から世界に発信していきたい」とお話くださいました。

 
東京大学教授 武内和彦先生

次に、サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)副機構長であり、東京大学大学院農学生命科学研究科教授である武内和彦先生に、「エコ・フィロソフィと共生思想─東洋大学のめざすもの」という題目で講話をしていただきました。その中で武内先生はIR3Sにおける協力機関で唯一の文系であるTIEPhの課題と、その期待についてお話くださいました。武内先生は自身の昔の写真や絵、小・中学校で使用した教科書の記述を素材に用いながら、時代とともに移り変わってきた環境意識の変容を解説され、「地球・社会・人間それぞれの関係性において持続可能な社会を目指すためには、すべての学問分野を包含して解決策を考えることが必要であり、東洋大学には哲学をベースにした人間の価値観、ライフスタイルといった面での研究に大いなる期待をしたい」と最後を結びました。

 
京都大学 カール・ベッカー先生

続いて、基調講演として、京都大学大学院人間・環境学研究科教授であるカール・ベッカー先生が「地球環境問題とエコ・フィロソフィの課題」という題目で講演されました。ベッカー先生は西洋の近代化や哲学がもたらした影響を考察しながらも、近現代における日本の発展史を踏まえ、東洋的な知見の重要性、それが活用されてきた近代以前の日本を再評価されました。そして、西洋的な近代化や哲学を受容しながら発展してきた日本の近代史を評価しつつも、日本に古くから存在し続ける、独自の哲学の復権を訴えました。今後エコ・フィロソフィの構築を続けるTIEPhの課題とは、サステイナブルな将来へ向けての行動指標を創出していくことであることを示唆くださいました。

 
竹村牧男先生(TIEPh代表)

 
山田利明先生

 
宮本久義先生

 
河本英夫先生

最後にシンポジウムとそれを巡る総合討論が行われました。竹村牧男教授、山田利明教授、宮本久義教授、河本英夫教授がそれぞれ、現状の環境問題に対する取り組み方を示唆しつつ、日本、中国、インドの東洋的な哲学・自然観の紹介およびそれらの有効性、さらにそうした思索の現実への適応可能性などを論じました。各先生の発表の後、パネリストおよび東京大学の武内先生を含めた五人で総合討論が行われました。この総合討論では、各先生方が、東洋哲学的な見地および西洋哲学的な見地から発言するだけではなく、それぞれの考察が如何に現実へと活用されていくべきか、その指針がどのように模索されるべきかにいたるまで様々な議論が行われました。最後には、東京大学の武内先生が所属する農学生命科学という理科学系からのアプローチと東洋大学の「エコ・フィロソフィ」という文系的アプローチとの連携を模索し、提携していくことを確認しあいました。また、フロアからも東洋的な知見に対する期待をこめて様々な意見が飛び出し、総合討論は活況を呈しつつ幕を下ろしました。
シンポジウム全体を振り返ると、学際研究という名に相応しいように、文系・理系というアプローチの差異を確認しつつも、お互いの利点を生かしつつ展開していける方法論を模索するべきことが明らかになったと思われます。今回のシンポジウムを踏まえて、今後のTIEPhの活動がますます盛んになっていくことが期待されます。より詳細な内容につきましては、次号のニュースレターで報告する予定になっております。