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〔卒業生の声〕発展途上国で開発コンサルタントとして働いています

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発展途上国で開発コンサルタントとして働いています

松井 智諒(2014年 国際地域学部国際地域学科 卒業)

写真私は2014年に国際地域学部国際地域学科を卒業し、現在は発展途上国での上下水道整備事業を専門とする開発コンサルタントの会社で働いています。

「開発コンサルタント」と聞いても、首を傾げる学生も多いかもしれませんが、例えば、発展途上国で上水道施設を建設しようというプロジェクト(ODA:Official Development Aid政府開発援助)があったとします。その場合、発展途上国の上水道施設建設予定地域に行って上水道建設に必要な情報、具体的には建設対象地域の住民が支払える水道料金はいくらか、どのくらいの水をどのように使っているのか、水道管を敷設する土質や水源地の水質はどうなっているか等々を集め計画を作成し、建設工事の施工監理を行って上水道施設を完成させるのが、私達「開発コンサルタント」の仕事です。

発展途上国と関わる仕事がしたい

どうして開発コンサルタントを選んだのかというところからお話ししますと、小学生の頃にお世話になった先生が、青年海外協力隊として発展途上国に赴任された際、水や電気のない生活をした話をしてくださり、幼心に「発展途上国ってどんなところなんだろう」と興味をもったことがきっかけでした。

そして大学受験の時に、発展途上国について学べると知って東洋大学国際地域学部国際地域学科の門を叩きました。

大学在学中、発展途上国で衛生活動の調査を行う機会がありました。その時、見知らぬ人に質問をして現地のことを教えてもらうという経験がとても新鮮で楽しく、これを仕事にしたいと思うようになりました。

「発展途上国と関われる仕事」を主眼に就職活動を行いましたが、修士号が求められたり、3~5年の社会人経験を求められたりと、開発コンサルタントで文系学部新卒者が採用される可能性は低いのが現実です。しかし「ダメでもともと」と開き直り、発展途上国での調査活動やフェアトレード活動の経験を、面接官に興味を持ってもらえるように熱弁したところ、今の会社からご縁を頂くことができました。

こう言うと、問題無く進路が定まったように聞こえるかもしれませんが、私の場合、家族は当初、発展途上国の仕事に反対でした。しかしどうしてもこの仕事がしたいと話合いを重ね、最終的には認めてもらうことができました。皆さんもぜひ、ご家族との話し合いの場を設けるようにすると良いと思います。

開発コンサルタントでの業務

写真具体的な私の業務は、ソフトチーム(環境社会配慮、経済財務分析、社会調査を担当するチーム)で業務調整をしながら、先輩の調査業務の補助をすることです。業務調整とは、契約書を整えたり、ローカルスタッフへの給与支払をしたり、カウンターパートとアポイント調整をしたり、ホテルや車輌の手配をしたりと、プロジェクトが円滑に進むよう様々なサポートを行う業務です。まだ先輩方のようにカウンターパートの前でプレゼンテーションをしたり、報告書を作成したりといった華やかな業務はしていませんが、全体を俯瞰できるため、経験の浅い私には最適な業務だと思っています。

業務調整は、日本人である私とは全く異なる環境で育ち、異なる考え方を持った人達の間に立って物事の調整をしなくてはなりません。話をまとめていく過程は苦労もありますが、関係者が合意に至った時の喜びは何物にも代え難いです。

業務調整の傍ら、専門性を高めるような業務も任せてもらえています。例えば初出張先のミャンマーでは、社会調査データの見せ方や考察について、上司が夜遅くまで指導してくれました。私も大学生時代、発展途上国での調査を経験していましたが、やはりプロとして、図表の細部までこだわり、読み手が理解しやすいレポート作りをする先輩方の背中は大きく見えます。

ミャンマーでの経験談

写真これまでにミャンマー、ヨルダン、ホンジュラス、南スーダン、ウガンダと、様々な国で仕事をさせてもらっています。今回は、中でも印象に残っているミャンマーでのエピソードをお話しします。

ミャンマーのマンダレーという街で、1000世帯分の各戸給水調査を行いました。各世帯に水道を接続するため、その世帯の人数は何人か、住所記録と居住者は一致しているか、道路幅の長さ、埋設物の確認等、パイプを敷設する際に考慮するポイントの確認を、現地のスタッフ3人と行いました。

3人に仕事を覚えてもらうため、測量のやり方をやって見せたり、実際に彼らにさせてみたり、間違えてしまった理由を一緒に考えたり、うまくいったところを褒めたりと、工夫を重ねました。

この街では夏場の気温が40℃を越す日がほとんどなので、調査帰りには1日の仕事の反省会も兼ねて、4人でアイスクリームを食べました。その時、少数民族出身でこれまで教育の機会にあまり恵まれていなかったスタッフの一人から、自分にできることが増えて自信がついたということを言われて、嬉しかったことを憶えています。肝心の調査の方も、汗と土埃でドロドロになりながらも期間内に終えることができました。

この仕事をしていると、様々な人々と一緒に働くことになります。例えば、少数民族出身のため教育の機会を逃してしまった人、元少年兵で24歳の時に初めて小学校レベルの教育を受けた人、枚挙に暇がありません。

その中で私は、相手の立場に立って考えることを大切にしようと常々心に留めて仕事をしています。それぞれ育ってきた境遇が異なりますので、感覚が違うのは当たり前かもしれません。だからこそ、相手の立場で物事を考え、手戻りなく仕事を進められるよう心を砕いています。

後輩へひとこと

将来国際的な仕事をしたいと思っている後輩の皆さんにアドバイスをするとしたら、今、皆さんが持っている趣味に加えて、もう1つ趣味を持つことをおすすめします。例えば発展途上国で働きたいなら、「お茶」や「コーヒー」、「日本の踊り」に詳しくなっておくといいかもしれません。

なぜかというと、発展途上国の人は紅茶やコーヒーが大好きで、よくお茶に誘ってくれるのですが、お互い話題探しに困ってしまう場面が多々あるのです。そんな時に「お茶」や「コーヒー」に詳しく、「おいしいコーヒー・お茶の淹れ方」を話せたら、きっと親近感を抱いてくれると思います。

また、途上国の人は踊りや歌が大好きです。私もアフリカに行ってアフリカの民族ダンスを見た後、カウンターパートから「日本の伝統的な踊りを踊って欲しい」と言われ、炭坑節(盆踊り)を披露しました。正直、下手な踊りだったのですが、彼らはとても喜んでくれました。

仕事をする上で、自分の仕事に詳しくなければならないことは当たり前ですが、さらにお互いの距離を縮められる方法があれば、もし仕事上のトラブルがあっても、しっかり相談できるような人間関係が作れるので、おすすめです。

私は学生時代、意識してはいませんでしたが、授業に出てレポートを提出する、卒業論文をしっかり仕上げる、先生の研究室にお邪魔して雑談をする、アルバイト先のお客さんや他大学の学生さんと話をする、友達とくだらない話をする等々、様々な何気ない行動の一つひとつが、読み手が納得しやすい文章を仕上げる、相手の話を聴いて質問を考える等の練習になっていたように思います。その経験が血となり肉となり、今の仕事に生きていると感じています。無駄なことなど一つもありません。色々なことを吸収して、将来につなげていってください。

(2017年3月取材)