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【学生研究紹介】『回転翼の反トルクを車輪操舵に用いる車輪と飛行の劣駆動型ハイブリッド移動ロボット』-理工学研究科機能システム専攻博士課程前期課程2年 金木 智さん

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学生研究紹介~私たちのプライド~

Pride9 .『回転翼の反トルクを車輪操舵に用いる車輪と飛行の劣駆動型ハイブリッド移動ロボット』
理工学研究科 機能システム専攻 ヒューマンロボットインタラクション研究室
博士課程前期課程2年 金木 智さん

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写真:研究をしている様子

重量増軽減を考慮した車輪と回転翼を備えたハイブリッド移動ロボットを研究しています。車輪で平坦な床を走りつつ、回転翼によって車輪では走れないような階段や段差などを乗り越えることができるロボットを作っています。

車輪が一つとプロペラがついているような小さなロボットで、屋内の巡回を目的としています。
屋内巡回ロボットに分類されるものの数多くは車輪のみで移動するものが一般的で、階の移動はエレベーターを使う等しなければなりません。そこで、車輪を基本的に使用することで長時間の稼働を可能にし、段差や階段などの車輪では乗り越えられないような環境は、回転翼によって乗り越える、車輪と回転翼を組み合わせたハイブリッド移動ロボットが提案されています。この移動ロボットは、屋内巡回ロボットとしてそれ一台でエレベーターがない多階層の建物でも、全体を見ることができるようになると考えています。しかし、車輪と回転翼の2つの移動機構を組み合わせるため、重量増問題が生じてしまいます。その重量増という問題を、回転翼から発せられる反トルク、回転翼が回った際に車体に加わる逆の向きの回転力を利用し、車体が左右に曲がる際の操舵用のモーターを省略することで軽減しようと試みています。研究を進めることで、具体的には、警備員の巡回の代わりなどにも利用できると考えています。

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写真:作成した試作機

この研究はテーマ、内容を決めるところから始めました。

まず、自分の興味のあることを並べ、それに関わるたくさんの論文を読み、そこから問題点をピックアップしました。
その問題を解決するための手法を考えると、新しいアイデアが生まれていきます。ただやみくもに、思いついたことをやっても、既に研究されている場合がほとんどです。同じような問題意識をもとにした研究テーマなのでどうしても、内容が似通ってしまう部分は出てきてしまいます。そこで、論文を沢山探して、他でやっていないことを確認してから研究を始めます。この先行研究調査も重要で、研究の中で時間がかかるところです。また、研究途中で他と似たようなものが出てしまうと方向性を変えて違う新規性を生みだします。万が一というときのためにもいろいろなパターンも考えながら研究を進めています。

シミュレーション上でロボットを作り、ロータの反力により操舵が可能であることを確かめ、実機でその動作を検証しました。現在は、飛行により、障害物を乗り越える動作の実現を目指しています。修了までには空間移動、地上走行を実現し、提案するロボットを形にする予定です。

日本では得られない体験ができた国際学会

昨年の10月にイタリアのフィレンツェの学会で発表しました。学部4年の段階で翌年の10月にフィレンツェの学会(IEEE IECON 2016)に行くことを目標にし、スケジュールを組み研究を進めました。1年間で研究成果を蓄え、3月から投稿する論文を書き始めました。もちろん、論文は,全部英語で用意しなければいけませんし、査読審査も通さなければならず、準備はかなり大変でしたが、それをやり切った時には今までにない達成感がありました。

国際学会は日本とは違った空気があります。スライドの作り方、話し方、特に一番印象深かったのは、海外の学会は積極的な人ばかりで質問の数が多かったことです。話すのも質問も英語で聞き取らないといけないし、それを返さないといけない。とても難しいことでしたが、世界中の人の発表を聞くことができたことはとても刺激になりました。英語は苦手で避けていたのですが、学会に参加してから英語の勉強への意欲があがりました。今では、毎日勉強するようにしています。英語へのモチベーションも上がり、研究に関しても世界の人相手に発表したということが自信になりましたし、質問もしてくれたこと、海外の方が興味を持ってくれたことが、やる気を出すきっかけにもなっています。現在は、来年2月にフランスで開催される国際学会への投稿に向けて研究を進めています。

出来なかったことも成果のひとつ。とにかくやってみる

横田先生のもとで学び始めて3年目になりますが、先生から学んだことは、「やらないと進まない」ということです。新しい試みは,最初のうちは出来なくて当たり前で、辛くても手は動かさないとダメ、手を動かさなくては、人はどんどん不安になっていくため、手を動かすことが一番楽だということを教えてくださいました。研究ではうまくいかなくて辛くて逃げ出したくなることもたくさんあるのですが、逃げたら永遠に出来ないままです。そのようにして今まで何回も乗り越えてきた経験から、やればきっとうまくいくとポジティブになりました。時々やっていたことが間違いで、一からやり直しをすることもありますが、そういう時は、出来なかったことも成果だ、という考え方をするようにしています。プログラミングがうまくいかなかったり、あと少しでうまくいくというときにロボットが急に原因不明で壊れたり。そうすると一からやり直しで、修理に一日かかってしまいその日に考えていたことができず、自己嫌悪になることもありますが、でもやらなければならない。それも成果だと思い、気持ちを切り替え前に進みます。

プログラムを組んでもうまく動かなかったり、きちんと設計したと思っていても少しずれが生じていて、うまく組み立てられなかったり。特にプログラムはどこが間違っているかわからないことが多いので、最初からやり直しということもあり、日々、大変なことだらけです(笑) 。 学部4年の12月に参加した国内の学会発表に向けて、原稿提出締め切りまで2週間以内という時、なかなか実験データがとれなくて、辛かったことがありました。何回やってもうまくいかず、その都度少しずつ数値を変えてプログラムを修正するという作業を、数え切れないほど繰り返したのではないでしょうか。最初は空をつかむような感じで、本当にうまくいくのか不安もあったところから、だんだんうまく動いていくようになる。最後はジグソーパズルのようにピタッと決まる、その時は爽快です。

将来は人に喜んで貰えるものづくりをしたい

将来は開発に携わりたいと思っています。開発は、ゼロから作り出すという今の研究に似ていると思います。ゼロからというのはとても大変ですが、試行錯誤を繰り返し思い通りに動いてくれた時、自分の気持ちを現実世界にアウトプットできたというような喜びを感じます。将来は研究での経験を、人に喜んで貰える製品づくりに役立てていきたいです。

 

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写真: IEEE IECON2016での発表

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写真:三研究室合同で行ったゼミ合宿の打ち上げ

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