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【学生研究紹介】 『台風からリンゴを守る』 理工学研究科 松本浩乃さん

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学生研究紹介~私たちのプライド~

Pride 1.  『台風からリンゴを守る』

理工学研究科 生体医工学専攻 生物機械システム研究室(望月修教授)
博士前期課程1年 松本浩乃さん

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写真中央:松本浩乃さん
左:望月修教授、右:窪田佳寛助教

台風が通過した後にリンゴが沢山落下してしまうという被害を防ぐにはどうしたらよいかということで研究を始めました。

リンゴの落下は、リンゴが強い風を受けて抵抗力が大きくなり、その結果ヘタが耐え切れずに落ちてしまうという物理的な現象です。台風が来る時期にはリンゴは袋掛けをされている場合が多くその袋掛けによって落ちやすくなっているのではないか、流体力学的にみると抵抗係数や投影面積が大きくなるので落ちやすくなるのではないかという仮説がたち、それを実験的に調べています。

具体的には、生のリンゴでは浮いたり腐ったりして形が変形してしまうのでリンゴのモデルを作り、それにどのくらいの力が作用するのかを定常流という流れが一定な環境下にモデルを置き、袋をかけた時とかけていないときの抵抗力の計測をしました。今はさらに、周りの流れの可視化を行い流れと抵抗力の関係を調べています。

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―様々な分野に応用できる。研究の広がりが面白い。

「カタチと力」がどのように関係しているのかを研究しています。身の回りにあるいろいろなカタチが異なると受ける力が違います。「カタチと力」を考えたときにいろいろな現象を見ることできるところがこの研究の面白いところです。

リンゴという身近なものをテーマにしているところや、自分の研究が世の中の役に立つということもやりがいになります。

以前、食品メーカーと共同研究させていただいた時にも、カタチと流れる力について研究したことが面白く、食品分野でもこのような「カタチと力」が応用できるということを実感しました。食品や医療機器などいろいろな分野に応用できる部分があるというところに面白さを感じています。

もともとは生物系を志望していました。結果、生物機械システム研究室で機械系の研究をしていますが、農業や食品にも応用でき、やりたかった分野につながっていることも魅力のひとつです。

―高校までとは違う研究室での実験。繰り返しの作業の中で得られる結果がやりがいに。

私は学部1年生の時からこの研究室で研究をしてきました。
高校生まで、理系の大学は実験室で実験をする、実験に追われる、というイメージがありました。入学してみると、授業の実験では時間に限りがあり、答えがあるものを調べるというように感じ、継続して実験を自分で進めるという感覚がなかったので、少し理系らしいことがやりたいと思い、1年生から受け入れている望月研究室へ出入りするようになりました。

研究室での研究では、中高生の頃とは違い、繰り返しする実験の大変さを知りました。
なかなかスムーズに実験が進まず、少しずつやり方を変えて繰り返し、繰り返し、実験します。測定機器の準備段階から、測定しては待つ、の繰り返し。根気のいる作業です。この、繰り返す、ということが一番大変ですね。大変な作業ですが、試行錯誤しながら進めていき、少しずつ変化が表れたり、良いデータが得られたときには、本当に良かったと思うことができます。良い結果が得られたときに、指導教授に「どうだ!」という顔(ドヤ顔)をすることができるという(笑)。その中で、結果をまとめたり、発表したりして、その発表が最終的に上手くいった時にもやっていて良かったと感じます。また、共同研究のときには研究成果が商品の一部にもなり、純粋にうれしく思いました。理系で良かった!と思った瞬間です。

どのようにしたら袋の抵抗を小さくできるかということを研究しましたので、今後は、実用化に向けて袋の開発をやっていきたいと思っています。抵抗力のかかりにくい袋を開発したい。これから、どういったカタチや構造がいいのかということを研究していきます。

そして将来はリンゴだけでなく他の果物などに応用できるようにしていきたいと思っています。

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実験風景
<実験概要>

台風の強風によって収穫前のリンゴが落下する被害を受けることがある.落ちたリンゴをみると袋掛けされている.果実袋を被せられている分,大きな流体力を受けると考えられる.しかし,リンゴに作用する流体力を見積もろうとしても,リンゴのような非球体形状の抵抗係数は調べられていない.そこで,袋掛けをされたリンゴの供試模型に作用する抵抗力を実験的に計測することでリンゴの抵抗係数とリンゴのヘタに作用するせん断応力を調べた.その結果,袋掛けするとリンゴに作用する抵抗力が大きくなり,ヘタに作用するせん断応力が許容せん断応力を上回ることを明らかにした.

The strong wind with a typhoon gives a serious economic damage to dropping apples before the harvest. We experimentally investigated the drag coefficient CD of the apple models and the shear stress acting on the stem of an apple. The farmer uses the paper bag to protect the apple from worms. We are focusing on the influence of this paper bag to prevent the apple dropping from tree by the strong wind from the fluid dynamics. The drag force acting on the covered apple was larger than that without the bag. The shear stress when the typhoon attacking on the stem of the covered apple exceeds the allowable shear stress of tree when the typhoon strikes the tree.


 

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