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【campuslife】「ときがわ町おためし住宅」プロジェクトに参加して―建築学科3年 寺山友香さん、厚木麻南子さん、舟橋仁美さん

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東洋大学理工学部建築学科は、2017年10月に埼玉県ときがわ町と「相互協力及び連携に関する協定」を締結し、まちづくりプロジェクトを進めています。今回は、このプロジェクトの中心となって、古民家改修に取り組んだ建築学科3年 寺山友香さん、厚木麻南子さん、舟橋仁美さん( 写真左、中央、右)からお話を伺いました。

集合写真

 


厚木)この取り組みは有志の学生6名(2年3名、3年3名)が参加しています。もともとは私たち3人で、2年生の時にときがわ町で小屋を作るというプロジェクトに参加したのがきっかけです。3年生でこのプロジェクトの話を聞き、引き続き参加することにしました。

寺山)ときがわ町には空き家がとても多く、その空き家を利活用する一つの手段としシェアハウスを作ってほしいとうのが、町からの要望でした。

寺山)町から指定された古民家はかなり大きな家で、最初に見た時、やりようによっては住みよいところになるのではないかと感じました。その一方で、老朽化も進んで床が腐っていたり、修繕するところが沢山あり、どこから手をつけていいのか全然わからない状態でした。地元の工務店の方にお話を伺ったり、入居したいという方から要望を聞いたりしながら作業を進めていきました。私たちは、設計するところまでがメインで、8月に最終提案をさせていただき、ようやく実際に建築工事が始まったところです。

改修した古民家
(写真:改修した古民家)

厚木)まず、実地調査で役場の方に経緯などを聞きながら家を見て回り、細部にわたって計測し、窓の位置などを確かめたりして、図面に起こす、という作業をしましたが、図面を起こす時に実地調査で計測出来ていなかったところが出てきてしまったり、苦労しました。こんなに大変なものなのかと・・・。先を想定して現地に行かないと、二度手間になってしまうことが沢山あって、先を読むことの大切さを学びました。

舟橋)このプロジェクトは、古民家を改修するだけではなく、ときがわ町を活性化するというのも大きな目的のひとつです。そのため、設計コンセプトを「繋がり」とし、地域の方々と住む人との繋がり、そのコミュニティを大切に出来るように考えました。

厚木)利用者は、若手で起業を始めたばかりの方を対象にしています。PC一台、軽い荷物でどこへでも行くイメージですが、その仕事場としてコーキングスペースを1階の畳部分に設けて、気軽に集って、仕事をしたり、食事をしたりということを考えています。畳部分が共同生活の一番の特徴的なところです。2階が主に6人の居住スペースとしました。居住者6人の交流も大切にしたかったので、2階部分に共用のリビングを作り、壁も上部を開けて、パーティションのようにしました。

舟橋)地域の方々とも触れ合える場所にするため、なるべく1階をオープンなスペースにしたくて、広くとり、畳部分を仕事のスペースとして、縁側では外からも中からも交流できるようにしました。

 
平面図改修前平面図改修後
平面図改修前 [PDFファイル/373KB]平面図改修後 [PDFファイル/473KB]

授業では経験できない様々な体験と要望を聞く中で身についた交渉力

寺山)地域住人が来るようなシェアハウスって何だろう、その目玉になるものをどうしたらいいのか、というところも、難しかったです。

厚木)その答えを出すためにも、空き家の周辺にある商業地域などを知らないと引き込めないので、実地調査の時には、周辺も含めて歩いたり、山に登って、森林について聞いたり、いろいろなイベントに参加して、町のことを知るようにしました。1泊2日のイベントに参加した時には、現地の方のお話を聞いたり、地域で採れたものをいただいたり。ときがわ町の雰囲気を知る上でとても役に立ちました。

寺山)ときがわ町の事をあまり知らない状態で始めましたが、様々なイベントに参加して、町を知りながら設計を進めていったことは、うまく進められた要因の一つだと思っています。何か建物を建てる時には、周辺のこともしらなければならない。家はそれ1つで建っているのではなくて、ちゃんと町になじむように設計しなければならないと思いました。

舟橋)現実的な予算と私たちのやりたいことの差が出てきたということも苦労した点です。最初は自分たちのやりたいことを全面にだして提案していったのですが、良く話を聞いてみると、市役所の要望では、私たちの案は組み込めないのではないかと気づいてから、行き詰ることも多くなりました。そういう時は、こちらで判断できないことなので、先方と一緒に話し合いを何度もしました。希望を聞いて、この予算の中で出来ることをしようという風に考えて、工夫していきました。

寺山)理想だけではものづくりはできないのだということを学びました。予算を考えた上で、自分のやりたいことを通していく、それが現実だと。また、一つ進めるにもすごく時間がかかって、いろいろな方面の方々の意見を聞かなければいけなかったり、予算が足りなかったりで、自分が思っている以上にものづくりには時間がかかるものだということを実感しました。

舟橋)最終段階で施工者さんと確認をする際、居住予定の方は、自分はこういう風に住みたいという理想をおっしゃるのですが、工事は予算内に納めなければいけないし、梁などの工務的な問題などを考慮して設計する難しさもありました。細かい部分をお話していく段階で、騒音や空調など、人と人がシェアハウスしていくことの中でも解決していかなければいけない事があるということも分かりました。


厚木)話し合いで役場の方からアドバイスいただいたところの対策方法を考えるのも、知恵を絞らなければならないことで、時間がかかりました。予算の都合という逃げられない問題が沢山出てきてしまい、その中でどうやって工夫するかという。例えば、役場の要望では、エアコンは1室に一つでしたが、予算オーバーです。予算が無くて設置できないと言うのではなく、壁をパーティションタイプにすることで、少ない台数で全部の部屋に空調が回るようになるという説明をしました。そうすることで役場の方も納得され、話し方や説明の仕方で、伝わり方が違うのだと実感しました。実際に比較を見せたりするのも効果的でしたね。

寺山)また、当初は居住者8人という要望でしたが、それでは狭くなりすぎてしまう。その時も、8人は無理です、と言うよりも、6人の方が部屋にゆとりができ、コミュニケーションも円滑に取りやすいですよ、といった方が理解してもらい安かったです。

三人)社会人になってからも役立つ力がついたと思います。

打ち合わせの様子
(写真:関係者との打ち合わせの様子)


舟橋)細部にわたって、自分たちだけで考えるという機会は授業ではありません。実際に、コストを考慮しつつ、床暖房や水回りの改修のことを考えたりしたことは、新鮮でした。

厚木)専門家の方から「ここはどうするの?」と突っ込まれて、気づくことも沢山ありました。

舟橋)授業で教わっていないことは、インターネットや書籍などで調べました。次のミーティングの時に調べたことを話し合うので、それまでにかなりの時間を費やしました。お金のこともしっかり考えないといけなかったし、その分責任も重く、大変でしたが、必ず実現するというやりがいがありました。プレゼンは終わりましたが、実際にまだ目に見えた成果がないので、それほどやり遂げた、という感じはありません。実物を見たら感じるのかと思います。実際に立って、人が暮らすようになったら、感慨深いと思います

寺山)私たちの主な役割は、設計までですが、これからは、自分たちの設計を見届けるためにお手伝いをするというスタンスです。お手伝いしながら完成を待ち、人が入居するところまで見届けたら、ようやく肩の荷が下りたという感じです。人が住んでくれなければ始まらないのでドキドキしています。

 
立面図改修前立面図改修後
立面図改修前 [PDFファイル/574KB]立面図改修後 [PDFファイル/577KB]

この経験があったからこそ…

厚木)今後は、実践的なことをお手伝いしながら、地域の活性化に携われることが嬉しいです。この経験があったからこそ、都市企画演習を履修しましたし、さらに面白みを感じることが出来ています。一つのものを設計するというより、それを設計したことによって周りがどう変わるというのに興味があるので、やっていてとても楽しかったです。

舟橋)一つの家を作ることによって、それは、町全体の一部であることを実感しました。このプロジェクトや都市企画の授業を通して、町づくりの楽しさを体感することが出来たので、少しでも携われる職業に就けたらいいなと思っています。

寺山)街づくりに興味があります。特に、日本にたくさんあるあまり知られていない町の地域全体を見た時のランドスケープ的なこと、そこから地域活性化に繋がるお仕事に関われたらいいなと思っています。

(敬称略)

(2017年12月取材)

 

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