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【RDS WWP】私たちが「地域の力」に ―地域ベンチャー留学に参加しました―

English (TOYO Global RDS)

【RDS WWP】私たちが「地域の力」に
―地域ベンチャー留学に参加しました―

私、冨田真帆(国際地域学科1年)は、2016年2月20日から3月18日までの約1ヵ月間、地域ベンチャー留学というプログラムに参加し、青森県南部町でのインターンシップを行いました。

地域ベンチャー留学とはNPO法人eticが主催する、「地域の中小企業での実践型インターンシップ」を行うプログラムです。私たち学生がその地域に長期滞在しながら、企業と一体となって地域の課題解決にあたります。春休みにかけて、日本各地で様々な中小企業が長期インターンシップを受け入れました。

私は東洋大学内で行われた説明会に参加し、その後の説明会やskypeでの企業との面談を経て、今回の参加が決定しました。

インターン先企業について

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きたむら茶屋の店内

今回、私は青森県にある「ノースビレッジ合同会社」という企業のもとでインターンシップを行いました。この企業では、主に地元の食材を使った飲食店「きたむら茶屋」の経営や、農作物の販売、販売促進事業を行っています。

そして今回提示されたインターン課題は、この「きたむら茶屋」で行なわれる「地域の郷土料理を伝承するためのイベントの企画運営、およびマニュアルの作成」というものでした。

数多くの受け入れ先企業がある中で、私がこの企業を選んだ理由は2つあります。1つは、私自身が日本の伝統文化に興味があったので、日本に受け継がれている郷土料理を実際に味わい、自分もその伝承活動に携わってみたいと思ったから。そしてもう1つは、まだ一度も訪れたことのない青森で、雪国の冬の生活を体験してみたいと思ったからです。

私は、神奈川県からはるばる青森県へと向かいました。

イベントの企画、運営

私がインターンした南部町は、青森県南部にある、人口1万9000人ほどの町です。豊かな自然に恵まれ、果樹栽培を中心とする農業が盛んに行われています。

現地では木曜日から月曜日が勤務日で、火曜日と水曜日が休日でした。1週間ごとに異なる、計4つのご家庭にホームステイをしました。日中は「きたむら茶屋」でイベントの企画を練り、勤務が終わるとステイ先に戻って、ご家族の方との会話を楽しみました。

インターンが始まってまず苦労したことは、仕事とプライベートの両立でした。

青森に到着したものの、3週間後にはイベントが迫っていました。そのためインターン1週目は、イベントのターゲットは誰にするのか、コンセプトは何か、など、イベントの内容に関する話し合いの連続でした。ステイ先に戻ってもご家族との時間があまりとることができず、はじめは少しご迷惑をおかけしてしまいました。さらに、私は大阪から来た大学3年生の先輩と一緒にインターンを行ったのですが、先輩とはステイ先も同じで24時間行動を共にしていたので、なかなか自分の時間をとることができずにいました。
なので、どのようにするのがステイ先のご家族にとっても、私たち個人にとっても生活しやすいのかを話し合うことは、これから1カ月間一緒に生活していくうえで、企画と同時に大切な課題でした。

イベントは、話し合いの結果、南部町の郷土料理である「かっけ」を男女で作る婚活パーティー、通称「茶屋コン」を開催することになりました。

「かっけ」とは、小麦粉などを混ぜ薄くのばした生地を食べやすい大きさに切り、それを大根などと一緒に煮た鍋料理のことです。ニンニク味噌やねぎ味噌をつけて食べるのが一般的です。普段はスーパーでできた「かっけ」の生地を買ってしまうことが多いそうなのですが、今回は自分たちで生地から「かっけ」を作ってもらい、手作りのおいしさを知ってもらうのがイベントの狙いです。

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南部町の郷土料理「かっけ」

また、1週目は地元の様々な交流会に参加する機会をいただき、南部町の郷土料理を実際に味わいながら地元の方々と交流を深めることができました。その都度「かっけ」についてのヒアリングも行い、「かっけ」についての理解を深めることができました。

2週目からは、イベントの準備を進めながら広報活動も行いました。イベントのチラシとFacebookページも作成し、活動のための準備を進めました。

しかし、初めての土地での広報活動は、思っていたよりも大変な作業でした。

町の施設にチラシを置いてただ宣伝するよりは、地域のつながりが強い地方の良さを利用して、知り合いの方に広報の協力を直接お願いするという形をとるほうが、より効率よく広報ができるのではないかと考えました。そこで、これまでにお世話になった方々をリストアップし、ご協力のお願いをしていきました。しかし、南部町に来たばかりの私たちには地域の方とのコミュニティがまだまだ薄く、2人だけでイベントに十分な人数を集客するのは難しいということに気づかされました。結果、社長の栗谷川さんをはじめ周りの方のお力を借りることになり、力不足だったと反省する部分がありました。

それでもなかなか参加者の方々を集めることができず、特に女性の方の応募が十分にありませんでした。男女比等を考慮した結果、茶屋コンではなく「かっけ」の料理教室にし、日程も12日のみで開催することになりました。もともと小規模なイベントではありましたが、それでも希望していた定員数まで集めることができず、イベントの集客の大変さを実感しました。

イベントは、3月12日に無事に開催することができました。
当日は、私たちが覚えた「かっけ」の作り方を、参加者の方々に逆輸入するといった形で行いました。「かっけ」を作る前に、まずは「かっけ」の歴史や由来など、地元の方から聞いたり調べたことを発表しました。次に、近年は郷土食をアレンジして食べることもあると聞いたので、この地域の方にはなじみのある南部せんべいの「みみ」のアレンジメニューを使って、一緒に「かっけ」を作る際のペア決めを行いました。

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写真左:イベントの様子、写真右:ハートに型抜きした「かっけ」

そして、私たちが作り方を教えながら、実際にみんなで「かっけ」を作っていきました。一般的な「かっけ」は三角形ですが、今回はハート型に型抜きしたものも用意しました。さらに、参加者の方にはこの地域の郷土料理や地元の食材を出すお店で使える食事券を配り、今後も地域の食に興味を持ってもらう仕組みを盛り込みました。

参加者の方からは、「ただ『かっけ』の作り方を教えるだけではなく、地元の人でも知らないような豆知識を披露した点が良かった」とおっしゃっていただき、有意義なイベントにすることができたと感じました。

本来考えていたイベントとは違う形になってしまい残念でしたが、今回の反省点を生かし、次につながる良いイベントになったと思います。

イベント後は、マニュアルの作成に取り掛かりました。今回の反省と次回への改善策、タイムスケジュールなどをまとめ、提出しました。次からはこのマニュアルをもとに、私たちの代わりに栗谷川さんが中心となってイベントを継続してくださる予定です。

これをもって、今回のインターンは終了しました。

1ヵ月間、南部町で生活してみて

今回、1カ月間南部町で暮らしてみて、感じたことがたくさんありました。

私がこの1カ月間でとても強く感じたことは、「相手に自分の考えを伝える」ことの大切さです。

今回南部町でのインターンが私と先輩の2人だけだったので、仕事上で話し合いをする上では、自分が今どのように考えているのかを伝えることが必要不可欠でした。また、生活面においても、ステイ先での過ごし方をご家族ともしっかりと話し合ったことで、お互いがより良く生活することができました。

私は自分の気持ちを相手に伝えることが苦手なので、初めは苦労しました。ですが、時間が経つにつれて「話さなければ何も伝わらないし、分からないなら分からないなりに今思っていることを伝えよう」という気持ちになり、少しづつ発言する回数が増えていきました。

これは社会人になる上でもとても大切なことだと思うので、今回の経験はとても有意義なものになりました。

また、地方で暮らすことの良さ、大変さも実感しました。まず初めに感じたのが、自分の近所の方だけでなく、町内に住んでいる多くの方同士が知り合いであるということです。実際に公民館などでは、料理教室などのイベントが開催されていたりと、地元の方が交流する機会が多いように感じました。そして、休日には皆さんのご厚意で様々な場所に連れていっていただき、本当に感謝しています。

交通手段に関しては、不便さを感じることが多くありました。目的地が歩いていける距離ではないのに電車やバスは本数が少ないため、移動のほとんどが車でした。そうなると、免許を持っていない中高生にとっては移動がしづらく、また多くの人が運動不足になってしまうのではないかと思いました。

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写真左:町のシンボル・名久井岳、写真右:直売所はりんごだらけ!

また、南部町は地元のNPO法人などが積極的に地域活性化に取り組んでいたり、町全体でもグリーンツーリズムを推進し、農業体験などを通して国内外から人を受け入れていたりと、様々なことに力を入れていました。

私は、自分が知らないだけで、地方でこんなに頑張っている人たちがいるのだということに衝撃を受けました。日本人として、もっと日本のことを知っていかなければならないと深く感じました。

おわりに

今回、地域ベンチャー留学を通して普段では絶対にできない経験をすることができました。この経験を生かして、今後も様々なことにチャレンジしていきたいと思います。

最後までサポートしてくださったNPO法人eticの方々、そして南部町の皆さんには本当に感謝しています。ありがとうございました。

RDS WWP
お世話になった皆さんと


RDS WWPRDS Web ライタープログラムの略称です。

取材・構成: 冨田真帆(国際地域学科1年)
編集: 久松佳彰(国際地域学部教員)