1. トップページ >
  2. 国際地域学部 >
  3. グローバル人材育成プログラム >
  4. 〔留学だより〕アイルランド・リムリック大学

〔留学だより〕アイルランド・リムリック大学

English (TOYO Global RDS)

リムリック大学(アイルランド)に留学中

福田智さん(国際観光学科3年)

English

リムリック大学 University of Limerick (UL)

私は2015年の9月から交換留学生として、アイルランド西部にあるリムリック大学(UL)に来ています。

留学だより 留学だより

日本の都市と比べると比較的小規模ですが、リムリックはアイルランド第3の都市と呼ばれ、数多くの中世の建物が残る町です。雄大なシャノン川にまたがるULのキャンパスは広大で、美しい緑に囲まれていることからアイルランドで一番美しいキャンパスをもつ大学と言われています。
私が滞在している学生寮はこのシャノン川にまたがった場所に位置しており、天気の良い日は授業への行き帰りの時、また自分の寮の部屋からこの美しい眺めを見ることが出来ます(アイルランドは基本的に天候が不安定で良くないので、あまり見ることはできませんが)。

ULはクラブやアクティビティなども充実しています。なかでもInternational Societyというクラブは留学生のためのコミュニティで、アイルランドの観光地や都市へのツアーを企画・実施してくれます。世界中から集ったULの留学生達はアイルランドの観光も含めて充実した時間を過ごすことが出来ます。

International Management 国際ビジネス

留学だより最初のセメスターでは、ビジネス・経済の分野を中心に5つの授業をとりました。東洋大学では国際観光学を専攻していますが、ULには学部生用に観光学の授業がないので、できるだけそれに関連する分野、近い勉強をしたいと思いこれらの分野に絞って授業を選びました。

授業は大教室の講義形式がほとんどで、チュートリアルと呼ばれる少人数のクラスもそれぞれありましたが、時間数が少なくてディスカッションをいつものクラスメイトと行うという雰囲気ではなく、クラスの友達と一緒に勉強するということもなかったので、これに関しては出発前想像していた留学先での勉強と異なり少しショックでした。

最も興味深かった授業はInternational Management(国際ビジネス)というクラスです。この授業では、主に国家の枠を超えて他国で企業がビジネスを始めるとき・経営するときにどのような障害があり、何に考慮してどのようにリスクを避けて対処していくのかということを数々のケーススタディを通して学ぶことができました。
政治や文化をはじめ、法的環境、国家間の関係性、また国の歴史までもが、企業が国際経営を行う上で重要な要素として密接に関係しているということを知ることができたのは自分にとってプラスだったと思います。というのもこのクラスで学んだことは民間の多国籍企業に限らず、私が将来働きたいと思っている国際機関や国際NGOなどにも共通することがあるからです。まだ分厚い教科書を読みきれていないので、帰国後時間のあるときに読み込みたいと思っています。

初めての発展途上国・アフリカで感じたこと 

私はセメスター間の冬休みを利用して、ヨーロッパ4ヶ国へ1週間程観光に行き、その後ウガンダ共和国に3週間ボランティアをしに行きました。初めて訪れたアフリカのウガンダではここに書ききれないほど様々な経験をしました。

留学だよりまず現地についてすぐ目がいったのは貧しいインフラでした。車道に沿ったライトがいっさいないため夜は対向車のヘッドライト頼りに運転、道路もほぼ整備されてないためぼこぼこで車はまるでアトラクションのように上下に揺れます。なんでインフラがこんななのかと聞くとみんな口をそろえて「Corruption(政府の汚職)」と言います。あらゆる問題が最後にはこのCorruptionという言葉で片づけられてしまう国の現状に強い違和感を覚えたため、第2セメスターでアフリカ政治の授業をとって、そこからアフリカの発展について学ぼうと思いました。

私のボランティア先はアフリカのSustainable Tourism Development(持続可能な観光の発展)の促進に従事している現地の観光NGOでした。私の携わるプログラムは、Community Based Tourismという観光地周辺のコミュニティに基づいた観光の発展を促すことによって、その地域の住民も観光業の経済利益を享受できるようにするというものでした。
Sustainable Tourismはこのとき一番興味のあるものだったので、どのように貢献できるか楽しみにしていたのですが、このNGOの担当者がひどかったため予定通りプログラムに従事することができませんでした。自分の担当者の体調不良やアポイントメントのミスなど日本ではありえないようなくだらない原因で、自分のスケジュールは全く最初の予定通りいきませんでした。これらは長くなるので割愛しますが、私が不満を訴えたときの彼の言い訳に印象的なものがありました。「We haven’t yet reached yet to the international standard that developed countries have.(自分達は先進国の国際基準にまだ達していない。)」ただの言い訳と捉えればその通りなのですが、政治的・経済的要因に加えてこういった人的な要因も発展途上国の発展を遅らせているのであれば、アフリカの発展の実現はどれだけ困難で長い道のりなのだろうかと考えさせられました。

留学だより

もちろんネガティブな経験だけではありませんでした。私は現地のウガンダ人夫婦の家でヨーロッパからきたボランティアの2人と一緒にホームステイしました。私達ボランティアはこの2人に様々なコミュニティに連れていってもらい、現地の学校やスラムにも行きました。

留学だよりそして、自分と同じくボランティアとしてきた2人からは3週間ものすごく良い刺激を受けました。2人とも完璧な英語を含め4カ国語以上話すことができ、自分の国のことをはじめ、政治や社会問題などに関する様々な知識を持っていて賢く、なおかつ人としてもいい人でコミュニケーションが上手くて優しくて美人でどれだけ完璧なのかと思いました。普段の2人の会話を聞いていると政治や哲学の話をしていたり、構造が良くできている刑務所の話までもしていて、この知識を追求する姿勢は見習わなければならないと強く感じました。

外国語を操って自国の文化を発信できて、国際経験や知識が豊富でどこでも活躍できる、日本でよく聞くグローバル人材もしくはグローバルリーダーという言葉は彼女達のような人のことをいうのだなと思いました。尊敬すると同時に自分ももっと努力してこの素晴らしい2人に追いつきたいと思いました。

国際的視野・世界観を広げる 

留学だより日本で生まれてからその後約20年間ずっと日本で育った自分にとって、留学による異国で過ごす時間は自分の国際的視野を広げる良い機会になったと思います。

日本はこちらと比べてメディアが国際問題などを大きく取り上げることは比較的少なく、単一的な国家であるためか、自分が国際社会の一員であることを感じにくいような環境にあると個人的に思います。一方こちらでは、難民の問題やロシアによるシリア空爆をはじめ、北朝鮮の動きまでも日々ニュースで耳にするなか、多様なバックグラウンド・価値観を持った人達、大学では学生達と言葉を交わす機会があります。
このような環境で生活をしていく中で、日々国際社会は動いているという感覚とその中の一地球市民として実際に自分は生きているのだという感覚を強く感じるようになりました。

また、学問においても今まで興味を持たなかった分野に目が行くようになり、海外での経験を通して視野が広がっているように思います。
私の場合、冬休み中に訪れたアフリカでの経験をきっかけに他分野の学問に興味を持ち始め、その後のセメスターではアフリカの政治学の授業や、不平等・社会的除外・人権に関する授業を受講することにしました。
ウガンダへの渡航前まではSustainable Tourism Development(持続可能な観光開発)によって途上国の貧困削減に貢献することをメインに将来従事していきたいと考えていました。しかし、実際に現地に行ってみると、貧困に直面している苦しいであろう状況にいながらも笑顔で手を振ってくれる子供たちの姿やコミュニティで協力し合って力強く生きている大人たちの姿などを見て、貧困=不幸ではないことを知りました。そして、「じゃあもっと絶望的な困難な状況下にいて、笑顔なんかでてこないような人達は誰でどこにいるのか」ということを考えるようになり、たどり着いたのは、私達が当たり前のように思っている根本的な人権さえ享受できていない難民や国籍のない人達。そして、その人たちを適切に支援して状況を変えるにはどうすればいいのかなどを考えていくうちに人権問題についてもっと知らなければならないと思うようになりました。

留学だよりまた、観光と人権にも接点があり、Accessible Tourismという言葉があります。これは、人々の人権が適切に尊重された上で観光は世界中の全ての人々に利用可能なものであるべきである、ということを意味します。

このように今まで焦点を当てることのなかった分野や、国際問題に新たに興味を持つようになることも国際的視野・世界観が広がることの一つだと思います。様々な刺激を受けながら異国で時間を過ごしていく中で、留学中には自分と向き合ったり、時には向き合わなければならなかったりする時があります。このプロセスを繰り返すことによって成長できたり自分の中に新しい発見をしたりすることができるのではないかと思います。

留学を目指す学生のみなさんへ 

最後にこれから留学を目指す、または実際に留学することが決まっている学生のみなさんに一点だけ伝えたいことがあります。

英語をはじめ、しっかり留学前に勉強したほうがいいと思います。英語に関しては、私のように海外経験が少ない人や帰国子女ではない方は渡航前に本当に努力したほうがいいです。

私は大学一年生の夏から二年後の交換留学への切符を手にするべく英語の勉強を本格的に始めました。小中高とサッカーだけに専念して、日本の公立学校の残念な英語教育にがっちりはまってきたため全然英語ができなかった私でしたが、TOEFL ITPに集中して勉強し続けた結果、留学前にそのTOEFL ITPで600点を越えることができ、TOEICでも留学前に900点を越えることができました。

しかし、留学生活がはじまって数週間もたたないうちに「自分は何をやってきたのか」と思うほど英語に苦労し、他国からの留学生との大きなレベルの差を感じました。彼らは基本的に留学初期から英語での会話に慣れているようで、スピーキングは留学にいけば何とかなるかなと少しでも考えていた自分が甘かったです。正直のところ6カ月程経った今でも授業によってはあまり理解できない時が多々あります。
英語で専門的な学問を勉強していく上で、言語が障害となり自分が知識を得たいと思っているものを効率よく吸収できないのは非常につらいです。
そのため、これから留学を目指す方には4技能バランスよく勉強することと、ある程度必要なTOEFLなどのスコアをとったら、そんなテストのためのくだらない勉強はすぐやめて、より実践的な英語を身に着けるように勉強することをお勧めします。

英語以外の勉強もしっかりやるべきだと思います。海外の優秀な学生は自分の専攻に加え、社会問題や自国のことをはじめとした、あらゆることに対して持っている知識量がものすごいです。
グローバルな舞台で活躍するということは、何かを目指して世界中の優秀な人達と共に切磋琢磨していくことだろうと思うので、彼らに負けないくらい努力する必要があると思います。そして英語も含めしっかり準備をしてから渡航したほうが、より留学生活を充実したものにできて楽しめると思いますので頑張ってください!

留学だより 留学だより

国際観光学科3年 福田智
(留学期間:2015年9月~2016年5月 リムリック大学)


【学生の声】ページへ

【留学・国際交流】 国際交流協定校のページへ