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〔留学だより〕アメリカ・メリヴィル大学

English (TOYO Global RDS)

メリヴィル大学(アメリカ)に留学中

坪田実咲さん(国際地域学科3年)

ミズーリ州セントルイスのメリヴィル大学

留学だより(メルヴィル大学)私が現在留学中のメリヴィル大学はアメリカの中西部ミズーリ州のセントルイスというところにあります。セントルイスはミズーリ州の中でも最大の都市圏ですが、それでも東京と比べるととても静かで田舎です。
よくセントルイスのダウンタウンに遊びに行くこともありますが、あまり治安はいいほうではないので友人と共に車移動をするのが基本で、バスや電車などの公共の交通機関は利用しません。

メリヴィル大学はとても規模の小さな大学で、アメリカの一般的な大学に比べると生徒数はとても少なく、キャンパスも小さいです。したがってキャンパスのどこにいても友人に会うことができ、キャンパス内の移動もとても簡単で居心地の良い大学です。
大学内の建物はほとんどが新しく、毎学期新しいビルが増え、公共施設もとても利用しやすいのが自慢です。
コミュニティが狭いこともあり、友人も作りやすく、“友達の友達は友達”の原理でどんどん知り合いが増えていきます。また、基本的に日本からの留学生は東洋大学からの交換留学生2人しかいないため、日本語を話す機会はほとんどなく、自然と英語漬けの生活を送ることができるので英語学習には最適な環境です。

授業

留学だより(メルヴィル大学)メリヴィル大学は日本の多くの大学とは違い、すべてのクラスが少人数で、一番大きい規模のクラスでも生徒数は30人に限られています。したがって教授と生徒の距離が近く、一人一人が丁寧な指導を受けることができます。

私が受講していた科目は、1学期目:English 101, English as a Second Language, Comparative Politics, Macroenconomics、2学期目:English 104, American Government, Microeconomics, Personal Finance, Money and Bankingの合計9科目です。

ここでは特に印象に残っているComparative Politics, Macroeconomics, English 104について紹介したいと思います。

Comparative Politics(比較政治学)~アメリカの授業の典型~

Comparative politics(比較政治学)は1学期の授業の中で最も苦戦した授業でした。なぜなら教授がフランス人の新しい先生だったからです。英語を完全に習熟していない私にとって、ヨーロッパ訛りの英語はとても聞き取りにくく、初めは教授が何を話しているのかが全く理解できませんでした。
また授業の進め方がとても独特で、課題などの提出物の指示も途中で変わることが多く、現地の学生も苦労しているほどでした。
しかし、そんな中でもこの授業の単位を取得できたのは友人の助けと、積極的に教授との意思疎通を図っていたからだと思います。私のクラスメートは、私が教授の英語の訛りに苦労していることを知り、毎回の授業後にその日の授業の復習と次の授業の予習を手伝ってくれました。また、個人的にも教授に何度もメールをし、授業や課題の内容についてわからないところは質問するように努めました。

授業の内容はとても面白く、比較政治という一つの手法を用いて様々な国の政治について学んでいきました。クラスメートは皆、政治に関心を持っている人が集まっていて、時にはクラス内で激しいディスカッションも繰り広げられていました。
議論の中で自分の意見をはっきりと述べ、反対意見にも堂々と反論するクラスメートを見て、傍観していることしかできない自分が情けなく感じました。私はその中に割って入っていくことはできず、話を振られた時にしか意見を言えないという始末でした。この授業では自分の勉強不足を痛感させられただけでなく、自分もクラスメートのような振る舞いができるようになりたいという意欲にもつながりました。

Macroeconomics(マクロ経済学)~挑戦と関心~

Macroeconomics(マクロ経済学)の授業を履修したことは私にとって大きな挑戦でした。この授業は本来、英語と数学の基礎のクラスを受講してからでないと履修できない授業なのですが、私には2学期分しか時間がないという事情があったので教授に直接交渉して履修させていただきました。

マクロ経済学では、国家全体の経済の動向について勉強します。この授業の中で苦労したのはアメリカ人が常識的に知っている政府や経済に関する機関の名称を知らなかったことです。そのほかにも専門的な用語などにも苦戦しましたが、すでに東洋大学でマクロ経済学を履修していたため、授業内容についてはあまり苦労せず、より経済学の知識を深めることができました。

この授業はそれ以外にも私にとってとても重要な役割を果たすことになりました。この授業の教授は、“経済”というものがどれだけ私たちの生活や日常に近しいものかという事を感じさせるのに大変長けていました。私はこの授業を履修するまで、経済とは複雑で難解なものだと思い込んでいましたが、教授のおかげで経済学を学ぶことの楽しさを知ることができました。私は元々、国際政治学をアメリカの視点で勉強することを目的に留学することを決心したのですが、こちらに来てすっかり経済学に方向転換をしてしまいました。

留学だより(メルヴィル大学)またこの授業は大変人気の授業で、私の友人も多数この授業を履修していました。この授業の教授はいつも私たちに友人と勉強することを推奨していたため、私も友人と共に学習することが多かったです。
以前までの私は、勉強は一人でするほうが無駄な時間が生まれることがなく、効率も良いと思っていましたが、この科目のおかげで友人と勉強することのメリットを知ることができました。わからないところは友人に説明してもらい、わかるところは人に説明するという単純なプロセスがいかに自分の理解を深めることができるのか、という事に気が付きました。また、集中力が下がってだらけてしまっても友人と励ましあうことで勉強し続けることができ、勉強を楽しむことができました。

English 104

English104はEnglish101と同様にほぼ全員の1年生が履修する授業です。English101ではどのように文章を効果的に書くのか、という事を学びましたが、English104では著者がどのように文章を書いているのかを分析することが主な授業の内容です。また、同時にどのようにして相手を納得させるか、などの議論の方法についても学びました。

最初の課題はRhetorical Analysisというもので、教科書の文章を一つ選び、その筆者が何を・どのように書いているかを分析し、それが有効かそうではないかを評価するというものでした。私は自分がどのようにして説得力のある文章を書くかという事しか考えたことがなかったので他人の文章をしかも英語で分析するのはとても大変でした。ですがこの課題のおかげで、筆者がどのように文章を書いているのか、どのような方法で読者を説得するのが有効か、など“文章”というものについて深く考えることの面白さを知ることができ、大変勉強になりました。

英語のクラスにはpeer reviewという授業内容が必ずといっていいほど含まれています。Peer reviewとは、クラスメートと自分の文章を交換し、互いに添削をし合うというものです。
自分の文章を評価されるだけではなく、ネイティブの生徒の文章を評価しなければならないこの時間が私はとても苦手でした。相手は私のミスや構成などを訂正してくれるのですが、私のできることはとても限られていていつも申し訳なく思っていました。しかし、一方で回を重ねるごとにpeer reviewがいかに双方に利益があるかという事を学びました。自分の文章を客観的に評価してもらえるだけではなく、相手の文章をcritical reading (批判的に読む)ことで自分の文章にも役立てることが多いことを知りました。
今後もpeer reviewの時間は苦手ながらに頑張っていきたいと思っています。

留学生の輪

メリヴィル大学は全生徒約6400人に対し、留学生は約150人で、全体の約2~3%ほどしかいません。中国や韓国、インドなどのアジア圏からの留学生は特に少ないです。

メリヴィル大学に到着してからオリエンテーションに至るまで私はほかの国からの留学生たちと一緒に過ごしました。ですが私と同じ時期にこちらに来た学生はそのほとんどがアフリカからの留学生でした。私はこれまで、アフリカ人とは話したこともなかったので、初めは何を話せばいいのかが全く分からずとても戸惑いました。また、彼らの話す英語はアフリカ訛りが強く、何を話しているのか理解するのにも一苦労でした。さらには、彼らはとてもシャイで、誰も私に話しかけてきてはくれませんでした。それでも根気強く話しかけていくうちに打ち解けあい、今では全員が私の大切な親友になりました。
彼女たちと接するたびに、生活習慣や考え方の違いに驚くばかりですがそういった時間もとても楽しいです。

留学だより(メルヴィル大学) 留学だより(メルヴィル大学)

留学生の数が少ないためか、各国からの留学生の絆はとても強いように感じます。例えば、サッカーやバスケットボールのチームに留学生が所属している場合、ほかの大学までその試合を応援に行きます。私もその留学生の1人として、ミズーリ州内にあるイリノイ大学という大学まで片道三時間かけてサッカーの応援に行きました。自分たちの大学をアピールするために、大学のイメージカラーを身に着け、応援用の横断幕を作りました。イリノイ大学のサッカーフィールドに入ると、その大学の生徒からブーイングされたりもしましたが、同時に自分の大学への誇りや愛着も増していきました。

また、留学生の友人の誕生日はレストランに行ったりパーティーを開いたりしてみんなでお祝いします。私の誕生日の時は、私とスウェーデンからの留学生の誕生日が同じだったため、二人一緒にブラジリアンレストランでお祝いしてもらいました。ポルトガル語でハッピーバースデーの歌を歌っていただき、理解はできませんでしたがとても良い思い出になりました。

ほかの国からの留学生と会話をしていると、皆母国語ではないにも関わらず流暢に英語を話すので気弱になることが多々あります。ですが友人たちは拙い英語を話す私の話をちゃんと聞いてくれるので私ももっと勉強しようという気になります。
最初の頃は伝えることがすべてだと思っていた英語も、時が経つにつれて“この言い方をすれば失礼にならないか”“どのように伝えたら好印象を与えられるだろうか”など英語を話すにおいての気を付ける箇所が変化してきました。
今、英語を勉強するのに最適な環境にいるという事をいつも忘れず、帰国までにできるだけ自分の英語力を伸ばしたいと考えています。

留学だより(メルヴィル大学) 留学だより(メルヴィル大学)

意識の変化

アメリカで留学生活を送る中で自分の中にも変化がありました。
まず、自分自身のことについて考える時間が多くなったことです。留学する前までは、ほかの人と同じように小学校、中学校、高校を卒業し、大学に入り、自分なりにもやりたいこと、勉強したいことはしてきたつもりでいました。しかしこちらに来てから、人と同じことばかりしていた自分はいったい何者なのかという疑問を持つようになりました。
“皆がしているから”という理由はこちらでは通用しません。様々な国や様々な境遇から集まった、生活環境がまるで違う人たちの中に1人入ると、自分のアイデンティティについて考えざるを得なくなります。自分はどんな環境で育ち、どんな人で、何をするのが好きなのか、本当に勉強したいことは何か、将来はどんなことをして生きていくか、など素の自分と向き合う時間が格段に増えていきました。
ですが、私が今関わっているすべての人はどんな私でも受け入れてくれています。アメリカでは集団よりも個人を尊重するとよく言いますが、本当にその通りで、人からどう思われているかを気にすることなく自分が自分でいられる場所があり、とても居心地が良い空間だと感じています。

2つ目は“日本”という国・文化についての関心が高まったことです。こちらの人達は、私が日本人だということを知ると私が日本に関しての専門家であるかのように接してきます。例えば、“日本の政治って今どうなっているの?”“村上春樹の小説を読んでどう感じた?”“日本の一番典型的な夕ご飯を教えて”など、質問は広範囲に及びます。日常会話だけでなく、授業の中でも日本の歴史に関することや日本のあいさつの文化、日本の偉人に関する情報など多岐にわたって質問されます。

最初のころ、私は日本のことを何でも知っている専門家ではないし、自分の国だからといって知らないことがあって当然だと思っていましたが、ほかの国からの留学生が自分の国のことを流暢に、そして詳しく話している姿を見て自分が恥ずかしくなりました。そのとき自分が“日本人の代表”としてメリヴィル大学に留学しているのだという事を強く自覚しました。
さらにそのように日本に興味を持ってくれている人がたくさんいることがとても嬉しく、今では自分が日本人であることに誇りを持っています。
また、海外の人から見た日本はとても興味深いものがあり、彼らの日本や日本人に対するイメージを聞くたびに、物事を客観的に見る楽しさや大切さに気付かされます。

最後に、こちらに来てから自分に訪れた変化の中で一番苦労しているのが“自分で考える”という習慣です。例えば授業においても、問題と答えがあるのではなく、問題と答えが与えられてその過程を考えます。どうしてこの答えになるのか、どのように導き出すのか、という過程を重視されます。また、答えのない問題を出されて“自分で考える”という課題もとても多く出されます。
勉強以外の場面でも、すべてのことを“自由”に決めることができます。何かをやるのもやらないのも自由で、皆が自分で考えて“自己責任”で物事を行います。そういった意味ではアメリカに来てから学習の場面でもそうでないときも、すべての時間が“考える”という勉強の時間で、同時に留学した意義でもあるのではないかと感じています。

終わりに

留学だより(メルヴィル大学)私は中学校の頃から留学したいと考えていました。そして留学を志したそもそもの理由は、様々な国から人が集まるアメリカが大好きで、そういった人たちと関わりあうことで自分をもっと大きな器の人間にしたいという漠然とした理由でした。
大学生になり、アメリカで学習したい具体的な事柄が増えて実際に留学の準備を始めたわけですが、根本的な部分は今も変わっていません。
私が少しでも留学してみたいと思っている人たちに伝えたいのは、理由は何でもいいから勇気を出してみてほしいという事です。私は留学を志すのに適していない理由など一つもないと思っています。
大学生の時間は限られていますが、どのように使うかを自分で決めることができる一番自由な時間です。やろうと思えばできないことなど何もないので後輩の皆さんにはやりたいと思ったことに思い切りチャレンジしてほしいです。

 

 

国際地域学科3年 坪田実咲
(留学期間:2015年8月~2016年5月 メリヴィル大学)

 

 

 

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