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〔海外ボランティアだより〕アメリカ・フロリダで「子ども達に世界をプレゼントする」ボランティアをしています

English (TOYO Global RDS)

アメリカ・フロリダで「子ども達に世界をプレゼントする」ボランティアをしています

菅野夏子さん(国際地域学科 4年)


ボランティアだより私は2016年2月現在、休学をしてフロリダのオーランドという所で語学学校に通いながらGive Kids The Worldでボランティアをしています。

私はここに来る前、トビタテ留学Japanという日本政府の奨学金制度に2度応募していました。しかしどちらも面接で不合格となり、留学を諦めて就職活動をしました。そして無事に内定を頂く事ができたのですが、私の心の中にはずっと迷いがありました。このまま就職していいのか?このままやりたい事を諦めて卒業していいのか?とずっと考えていましたが、やはりやりたい事をやって、もっといろいろな経験をしてから社会に出たいという思いが強く、4年生の秋学期を休学して留学する決心をしてここに来ています。

Give Kids The Worldについて

私はGive Kids The World(以下GKTW)、つまり「子ども達に世界をプレゼントする」という場所でボランティアをしながら留学をしています。

このGKTWという施設は、病気の子供とその家族を世界中から招待し1週間普段の苦しい治療から解放され子供たちが子供らしさを取り戻し、家族が家族の時間を一緒に過ごしてもらうための<夢の国>です。
そしてオーランド市にはディズニー・ワールドやユニバーサル・スタジオなど数えきれないくらいのアミューズメントパークがあり、GKTWだけでなく多くの遊園地で子供たちは思いっきり遊びます。また、普段看病に追われ夫婦の時間がとれない夫婦のためにデートの時間も用意されていて、子供を支える家族の幸せも考える施設でもあります。

子供たちがGKTWへ来るための渡航費も滞在費もパークの入場料も全て寄付で賄われています。
GKTWの園内はテーマパークのようになっていて子供たちが普段できない事を思いきり楽しむことのできる施設がたくさんあります。そしてそのほとんどの施設を多くのボランティアが支えています。毎日ここには200人ほどのボランティアが世界中から集まって活動しています。

この施設はヘンリー・ランドワースさんという方が1989年に設立しました。
彼がホテルを経営していた頃、ひとつの家族がホテルの予約をキャンセルしたそうです。その理由とは、その家族の娘さんが病気で亡くなったためでした。そしてその女の子の夢はディズニーでミッキーに会うことでした。
その時ランドワースさんは病気によりミッキーに会うという夢さえも叶えることのできない実情を知り、施設を作って多くの病気の子供たちの夢を叶えて笑顔にしてあげたいと思いました。そしてGKTWを創ったのです。
また、彼自身小さいころナチスにより両親を殺され、自身はアウシュビッツの収容所で暮らし明日生きられるかもわからない体験をした経験から、同じく明日生きられるか分からない子供たちのために希望を作りたいという思いもこの施設を作る背景にあったそうです。

私がなぜこのGKTWでボランティアをしたいと思ったのかというと、高校生の時に地元仙台で東日本大震災を経験したことが大きいと思います。
その時に私自身は被害が少なかったので毎日避難所などでボランティアをしていました。私は全てを失った方々を多く目にしました。今まで築き上げてきたものが一瞬で奪われ、明日への希望も無くなったように思える人たちがいました。それでも皆、必死に前を見て生きていました。
そんな方々と接していると私は“どんなに辛い環境にあっても楽しみや、楽しむ事の必要性”を強く感じました。避難所に普段テレビでしか見ることのできない芸能人やスポーツ選手が来た時にたった一瞬だとしても本当に心から笑った嬉しそうな顔を見た時や、「昨日誰々が来たんだよ!頑張らなくちゃね!」という言葉を聞いた時に、どんなに大変で辛い状況にあったとしても楽しいことや嬉しいことが私たちの生きる糧になるのだと知りました。

そして、私は将来、苦しんでいる人や辛い人にも笑顔を与えられるような仕事をしたいと思いました。そして大学入学後にこの“辛い環境にあっても楽しみを与える”場所であるGKTWを知り、ここでボランティアをしようと思ったのです。

また、他にもダイバーシティ、ノーマライゼーション、寄付文化についても勉強したいと思いGKTWに来ました。

ボランティアだより
(Give Kids The Worldの入口)

語学学校での学び

英語力が足りないため、普段は語学学校に通いながら授業後や週末にボランティアをしています。語学学校では毎月一回クラスを上がるためのテストがあるので、毎日勉強に追われています。

入学当初は何も聞き取れず、またディスカッションなどに参加しても何も発言できなかったり、自分が言った事を理解してもらえず毎回聞き返され、何が言いたいの?と言われたりと苦労しました。しかし、自然ともっと勉強したいという気持ちになり、今までで一番楽しく、また自分で工夫して勉強できているように思います。

学ぶことだけでなく、多くの自分の足りない事にも気づかされます。
授業やディスカッションでの彼らの積極性には毎回驚かされ、また自分の知識の足りなさや意見を持つこと、そしてそれをはっきり伝える大切さに気づかされます。とくに、どうして日本人は宗教がないのか?何に祈っているのか?もし大きい問題が起きた時には誰に守ってもらうのか?と質問された時は何も答えられませんでした。
こちらへきて日本について本当に何も知らないことを思い知らされ、今は英語だけでなく日本についてももっと勉強しなければいけないと痛感しています。

また、彼らの留学にかける思いや将来の目標などを聞くともっと真剣に将来について考えようという気持ちにさせられます。

ボランティアだより
(語学学校の仲間たちと)

ボランティア活動の実際

GKTWでのボランティアの仕事内容は本当にたくさんあります。私はレストランで子供や家族の配膳を手伝ったり、子供の遊び場の管理などをしています。

実際に活動してみると多くの壁にぶつかります。とくに言葉の壁にはとても苦労しています。
普段学校だと非ネイティブ同士なので話すのがゆっくりで、聞き取ったり会話したりできるようになってきたのですが、ボランティアだとネイティブの方が多く、話すスピードやスラングの多さについていけないことばかりでした。初日は指示さえも聞き取れず苦労しました。
それでも、言葉や行動を見よう見まねで真似したり、使えそうなフレーズをノートに書き出して予め覚えておいて実際に使ったりしています。そして常に行動を先読みして行動することを心掛けています。また、わからない事はわかるまで説明してもらい行動しています。
しかし先日は、子供に「昨日何したの?」ときいたら “I can’t speak Spanish,”と言われてしまいました。ショックです。

それでも子供も家族もすごく感謝してくれます。何かすると「本当に本当にありがとう!」と言われますが、毎回こちらこそがありがとうという気持ちになります。
そしてここはGKTWのスローガン、”Where Happiness Inspires Hope”の通り、自分の想像以上に笑顔と幸せに溢れた場所でした。全てのスタッフとボランティアが心から子供と家族の笑顔と幸せを願い、「子供に希望のある世界をプレゼントしたい」という思いで働いています。そしてそのことが誰からも伝わり、世界で一番優しさに溢れた場所だなと感じます。ボランティア達の子供を見る目、子供と家族が幸せそうにしているところを見ている目がすごく優しいのです。
私も、いつも苦しい治療に耐えてきた子供たちと、彼らを支える家族に心から幸せな気持ちになってほしい、そう思って活動しています。ここは、いつも”Keep Smiling! Enjoy!”という言葉が飛び交っている場所なのです。

ボランティア前のミーティングでも「何よりもとにかくあなた達が楽しんで!」と言われます。ボランティアもいろいろな国から集まっています。今の時期は冬を暖かいフロリダで過ごしているご夫婦が多く参加しています。高校生から何十年もボランティアを続けているベテランの方まで様々です。中国からの留学生にも出会いました。色々な背景を持った方々がいますが、それでも皆来た理由は同じく、GKTWのコンセプトに感動して自分も何かしたい、力になりたいと思ったからだと言います。
そんなボランティアが毎日200人近く集まり続けていることにも驚き、GKTWの価値の大きさを思い知らされます。設立当初からすべてを寄付で賄っていて、寄付が集まり続けることがすごいと思っていましたが、ここへ来て誰もが子供達の笑顔を願って行動し、その子供と家族が普段の治療から解放され幸せそうな顔を見ると、寄付が集まり続ける理由がわかります。
幸運なことに今月にはヘンリー・ランドワースさんの娘さんで現在のCEOであるパム・ランドワースさんにより最近のGKTWや今後のプランについての講演が予定されているので、GKTWだけでなく寄付文化についても勉強してきたいと思います。
また、”I can’t speak Spanish”と言われたように、自分の発音の悪さを実感しているので、カフェなどでネイティブの方の会話を録音したりメモしたりして発音の練習や会話で使われるスラングなどを勉強しています。
今後は子供たちをサプライズする仕事や、顔などにペイントしてあげる仕事などもっと喜ぶ顔を近くで見られる仕事にもチャレンジしたいと思います。そのためにもっと英語上達の努力をしたいと思います。

ダイバーシティやノーマライゼーションについても勉強したいと書きましたが、これらについても普段の生活で常々実感し、勉強することができています。
こちらではスーパーなど身近な場所でも障害を持った方も健常者に混じって同じ仕事をしているところをよく目にします。GKTWのボランティアの方も障害を持った方や病気を持った方も活動していてダイバーシティの浸透を感じます。
また、オーランド市には本当にテーマパークが多いのですが、どのパークに行っても車いすの方が同じように楽しむことができます。初めてディズニー・ワールドを訪れた時、乗り物が頻繁に停止するのでどうしてなのだろうかと思ったら、車いすの方々が乗るために毎回止めているとのことでした。ここではそれが当たり前の光景で、車いすだからだとか関係なく楽しめる空間があります。もっとも驚いたのがウォーターパークへ行った時、12階建ての高さのスライダーへ行くリフトに車いすの方専用のリフトがあったことです。ウォーターパークでも多くの車いすの方が楽しんでいました。日本では行くのを諦めたり、乗れない乗り物が多かったりすると思いますが、こちらではほとんどの乗り物に乗れることに驚き、やはりノーマライゼーションの進んだ環境なんだなと感じます。

ボランティアだより
(語学学校のあるセレブレーション市の風景)

最後に

学びも多い反面、自分の無力さを痛感したり打ちのめされることもすごく多いですが、以前に聞いたトビタテ事務局の方の講演で、今の若者たちはアウェー体験や失敗体験が足りないとおっしゃっていました。ですから、こうして打ちのめされる経験が出来ることもとても貴重な経験なのだと思っています。

残り滞在期間も少なくなってきましたが、辛い環境にいる人にも楽しみを与えられるような人になって活動できるようにもっと多くのことを経験してきたいと思います。そして何よりも子供と家族が少しでも笑顔で幸せな気持ちになるようにGKTWで自分になにができるのか考えながら活動していきたいと思います。

最後になりましたが、休学して留学するという自分の決断を受け入れて支援をしてくれている両親や、トビタテ留学JAPANの応募の頃から真摯に相談に乗って下さった先生方や国際教育センターの方々には本当に感謝しています。感謝の気持ちを忘れずに活動していきたいと思います。ありがとうございました。

ボランティアだより
(Give Kids The Worldの園内)

 

国際地域学部 国際地域学科4年 菅野夏子
(ボランティア期間:2015年11月16日~2016年3月20日 アメリカ・Give Kids The Worldボランティア)


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