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【RDS WWP インタビュー】〔卒業生だより〕夢を原動力に

English (TOYO Global RDS)

【RDS WWPインタビュー】卒業生だより
夢を原動力に

シャンティ国際ボランティア会 中尾乃絵(なかお のえ)さん
2010年国際地域学部国際地域学科卒業

中尾乃絵さんインタビュー中尾乃絵さんは2010年に国際地域学部国際地域学科を卒業、専門商社に入社するが、4年後に公益社団法人シャンティ国際ボランティア会に転職し入社した。シャンティ国際ボランティア会とは、アジアの子供たちへの教育支援を行っている団体である。教育支援の中でも特に本の力を大切にしており、本を通した支援を行っている。
現在中尾さんは「クラフトエイド」というフェアトレード事業の担当をしており、支援対象国に住む生産者とのやり取りをはじめ、営業活動や経理、在庫管理に至るまでフェアトレードに関わるすべての業務を行っている。
今回は私、永楽萌々(国際地域学科1年)が中尾さんの学生時代から現在に至るまでを伺ってきた。

学生時代

フェアトレード販売に関わって

高校生の頃から世界の文化に興味があり、比較文化について学びたいと思い国際地域学科に入ったという中尾さん。
「文化人類学の授業や3、4年のゼミで開発人類学について学べたのはすごく楽しかったですね。あと、私は英語が苦手だったのですが、話す中心の英語の授業は楽しかったですね。話すことで友達が増えるということが理解できたし、話すことの大切さを実感しました。」

しかし1年生の頃は自分の取りたかった授業が全然取れなかったという。
「1年生の頃は比較文化や文化人類学とか私が取りたかった授業が必修科目とかぶってしまって、全然取れなかったんです。それで、なんで学びたいことが学べないんだ!と思って、その時たまたま教務の担当だった久松佳彰先生に相談しに行きました。」
自分の学びたい分野が学べないという不満をぶつけにいった中尾さん。そこで新たな出会いがあった。
「その時に文化人類学の分野に詳しい子島進先生を紹介していただきました。子島先生の研究室に訪問して相談したら、ちょうど夏休みにゼミでフェアトレードの商品の販売をするから参加してみないかと誘われたので、やってみようかなと思い参加しました。」
これが中尾さんとフェアトレード販売の出会いである。
「高校生の頃にフェアトレードについての論文を書く機会があって、そこでフェアトレードという言葉を初めて知りました。言葉は知っていても実際に販売を行っている人がいることは知らなかったし、何事も経験だと思って参加しました。関わっていく中でこの商品はどのように作られているんだろうとか、どんな人が作っているんだろうとかもっと知りたいと思うことが出てきて、いろんな発見がありました。」
中尾さんは4年間フェアトレード販売を続けた。フェアトレードは現在のお仕事にも繋がっている。

インターンシップを通して

中尾さんは2年生のときはカンボジアで、3年生のときはセネガルでインターンシップを行った。
「その頃は将来開発コンサルタントになりたいと思っていました。当時国際地域学科で教えてらした金子先生が、カンボジアでの開発コンサルタントの企業でのインターン募集をかけていたということもあり、カンボジアでのインターンシップに参加しました。そこはインフラ整備の業務が中心だったので、次はソフト面での業務を行う開発コンサルタントの仕事を知りたくなって、また新たにインターン先を探すことにしました。なかなかインターンの募集がなく、杉田映理先生に相談してみたところ、たまたま私が行きたいと思っていた企業の社長さんと杉田先生が知り合いだったため、運よくインターン活動を行うことができました。その時社長さんはセネガルで事業運営をしていたため、現地まで来るなら受け入れるとのことで、一人でセネガルへ行くことに決めたのです。」

自分が挑戦してみたいことのために、初めて降り立つ地へ一人で行くことを決めた中尾さん。セネガルではどのような経験をしたのだろうか。
「セネガルでは、給水塔を維持するための衛生教育や農水利用などの住民活動の支援の現場を見ることができました。私は女性と開発にも興味を持っていて、開発プロジェクトに女性が積極的に参加することで、もっと活動が活性化するのではないかと考えていました。そのことを社長さんに話したところ、今やっているプロジェクト地域に住む女性に対してアンケートをとってみたらどうかと提案してくださり、アンケート調査を行うことができました。調査をしていく中で3つの村を回ったのですが、それぞれ違った状況の村で女性達がどのような意識を持ってプロジェクトに関わっているのかということが学べたので良かったです。インターンというよりは学ばせてもらいに行ったという感じでしたね。」
中尾さんはこのアンケート調査を基に卒論を書いた。卒論は最優秀賞に選ばれた。

中尾乃絵さんインタビュー 中尾乃絵さんインタビュー

英語を話すことの楽しさ

インターンシップだけでなく、学部主催の海外研修や長期休暇には海外旅行にも行ったという中尾さん。英語が苦手とのことだったが、どのようにフォローをしていたのだろうか。
「英語が苦手というより、英語の文法の勉強が嫌いでした。今でも苦手です。でも1年生の夏休みに友達とフィリピンのサウスウエスタン大学での研修に参加したときに、たどたどしくても高校受験で勉強してきた単語を並べていけば、コミュニケーションがとれ、友達ができるということを実感しました。そうすると話すことが楽しくなってきたんです。何か話せば思いが通じるということが原動力となって、話したかったけど話せなかったからなんて言えばいいんだろう?と単語を調べるようになったり、変な話し方をしたなと思うときは文法を調べたり、『話す』主体で学びなおすということをしていました。話したいから勉強するというかんじです。」
話すことを楽しみ、経験を積むことによって実践的に英語の実力をつけていったのである。

4年間を通して

このように中尾さんはフェアトレード、インターンシップ、海外研修など国際地域学科でたくさんの経験をした。現在のお仕事は、国際地域学科で学んだことに繋がるようなお仕事であるが、中尾さんは国際地域学科での4年間をどう振り返るのだろうか。
「在学中に開発に関わるたくさんの分野について学べたので、今の仕事に必要な背景の知識があったので入りやすかったですね。また、フェアトレードにも関わっていたので、商品の背景を伝える販売の仕方を経験していたことも良かったです。もちろん英語は勉強していて良かったと思います。仕事で海外出張に行くときは英語でしかコミュニケーションがとれませんし、英語は本当に大切だと思います。1年生の頃は将来何になりたいというのが明確ではありませんでした。とにかく海外の文化が好きでそれを学びたくて大学に入ったけど、それはどんな職業に繋がるのかわからなかったのでずっと考えていました。でも4年間を通して開発途上国というものを知って、実際に行って人々と交流することで、将来は開発途上国で暮らす人と一緒に働ける仕事に就きたいと具体的にやりたいことが見つかりました。これは4年間で自分が一番変わったことですね。今、学生時代からずっと興味のあった文化について関係する仕事につけたことで、商品についても積極的に調べたいと思うし学ぶ意欲があります。」

就職

学生時代の就職に対する考え

大学での4年間で自分のやりたいことを見つけることができた中尾さん。特に3年で行ったインターンシップで意識したという。
「3年生になってからはやりたい仕事を意識して過ごしていましたが、やはり決定的になったのはインターンシップですね。実際にセネガルで働いている人たちを見て、大変だとは思うけどこの人たちみたいに働きたいなというのが固まっていましたね。でも実際に開発コンサルタント等の業界に入るのは、大学院の資格が必要だったり、経験が重視されたりするため狭き門だということはわかっていました。当時は3年生の12月には説明会が始まっていたので、その時までには就職するのか、留学するのか、大学院に行くのかということを選択しなければいけませんでした。いろいろと自分で考え、周りの人の話を聞く中で就職しようと決めました。」

就職活動

中尾さんは卒業後、専門商社に就職したあと転職し、現在の仕事に就いた。自分のやりたいことが明確になっていたので、将来転職することも多少は意識して就職活動を行ったという。
「新卒募集をしている開発途上国支援を行う企業を受けようと思いましたが、それはやはり狭き門で落ちる可能性が高かったので、一般企業でも就職活動をしようと思いました。ただ企業を受けるだけではなく、やりたいことに近い仕事をしたいと思い、メーカーか商社の営業職に就きたいという考えを持っていました。ちょうど3年生の夏ごろに学生主催の就活セミナーがあったので、その実行委員になりました。その時に商社で働いている先輩にインタビューする機会があり、お話を聞く中で商社は支援という形ではないけど、ビジネスという形でインフラを整えたりと開発途上国に貢献できるのではないかと考え、一般企業は商社を受けることを決めました。また、海外と繋がっていないと気持ちが薄れてしまうかもしれないから、絶対に海外とのやりとりがある企業に入りたいと思っていたのも決め手でしたね。」
セネガルに行って、よりやりたいという気持ちが強くなったことを就職活動へ繋げていったのである。

仕事のやりがい、苦労

「やりがいはやはり自分の興味のあること、やりたいことを仕事にできたことです。フェアトレードは文化に関わっていますし、女性支援でもあるので女性と開発にも関わることができています。だから自分の興味のあること、やりたいことを総括して仕事にできたと思いますね。あと、自分が大学で学んできたことと一般企業で働いたことが全く無駄にならなかったということは嬉しいです。」と語る中尾さん。
自分の興味のあること、やりたいことをぶれずに、諦めずにいたことでこう語ることができているのだ。では、反対に苦労することはどんなことなのだろうか。
「そこまで苦労はないのですが、ただ商品を作って売るだけではなく、それ以外のことも自分たちすべてやらなければならないのは結構大変です。経理の仕事や事務作業、商品を梱包して発送したりとひとつひとつの作業はそこまで難しくないのですが、やる幅が広く細かいです。でも自分が関わった商品が売れて、使ってもらえたり感謝の言葉をいただいたりするととても嬉しいです。やった分だけ成果がでるので大変だけどやりがいでもあります。」

仕事とは

自分のやりたいことを仕事へ繋げることは容易ではないが、それを実現した中尾さんにとって仕事とはなにか伺ってみた。
「とにかく楽しいですね。やはり興味のある分野だし、自分のところの商品も好きだし、もちろん人と接することも好きなので仕事を楽しめています。商社での仕事が嫌いだったわけではないのですが、ビジネスである以上この会社とはやれないなと思ったら、スパッと切ってしまわなければならなかったり厳しいことも言わなければならなかったりと葛藤する部分がありました。100%楽しいとは言えなかったかもしれないですね。今の仕事では支援である以上、フェアトレードの商品を作っている団体とは継続的にやり取りをする必要があると思うし、かなり相手に寄り添った仕事の仕方をしていると思います。この人たちとずっとやり取りしていくんだと思うと信頼関係も生まれます。今は海外に行く機会は年に1回程度ですが、取引先のことをもっと詳しく知り、より良いものを作るためにも今後はもっと海外とのやりとりを増やしていきたいです。」と語る中尾さんからは本当に仕事を楽しんでいる姿勢が伝わってきた。

学生に向けて

最後に学生に向けてのメッセージをいただいた。
「とにかくやってみたいことはためらわずにやってみることですね。社会人になって一番学生と違うことは長期休みがないことです。学生はお金はないけど時間はたくさんあります。もし本当にやってみたかったら、親に頼みこんででも、バイトをたくさんやってでもなんとしてでもやってみたほうが良いと思います。やりたいことをやっていると自分はこれをやってみたいのかもしれないと、自分が興味のあることが行動からわかっていくと思います。もしそこにハードルがあったとしても、本当に魅かれたことならきっとハードルを乗り越えられると思います。あとは先生と仲良くなっておいたほうがいいですね。私は大学に入ってからこんなに先生との距離が近くなるとは思っていなかったです。研究室に行って相談したいことを話せばアドバイスがもらえるし、雑談もできる。ゼミ関係なく興味のある先生に話しかけることができるオープンな雰囲気は、国際地域学科ならではだと思います。」

【インタビューを終えて】

どんな分野であれ好きなことややりたいことを仕事にするというのは誰もが思い描く理想像だと思う。中尾さんは自分のやりたいことをぶれずに諦めないで努力し続けてきたからこそそれを実現できたのだと思う。お仕事の話をする中尾さんは本当に楽しそうであった。とにかく学生時代にやってみたいことはやってみるというのは社会人の方とお話しをするとよく耳にする言葉だが、今回中尾さんのお話しを聞いて改めて強く感じた。私もこの4年間を無駄にせず社会へ出ることができたらと思った。(永楽萌々)

中尾乃絵さんインタビュー
(写真左:中尾さん、右:永楽)

RDS WWPRDS Web ライタープログラムの略称です。

取材・構成: 永楽萌々(国際地域学科1年)
編集: 久松佳彰(国際地域学部教員)