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学生の声(国際地域学科):途上国で調査を行い英語で卒論を書きました

English (TOYO Global RDS)

途上国で調査を行い英語で卒論を書きました

学生 東洋大学 国際地域学部 国際地域学科 4年
星建太朗(ほし・けんたろう)
教員 東洋大学 国際地域学部 国際地域学科 教授
荒巻俊也(あらまき・としや)

星建太朗さん 荒巻俊也教授

荒巻教授: まもなく、卒業ですね。ちょっと早いですが、おめでとうございます。星君は、この4年間さまざまなことにチャレンジしてきましたが、特にフィリピンでのサウスウエスタン大学での研修に始まって、現地でさまざまな調査や支援活動に取り組むようになり、最後は現地での調査を題材に卒業論文を英語で書き上げましたね。このインタビューでは、そのような活動に取り組んでいったきっかけやそれによって得られたもの、そして最後に後輩へのメッセージをお願いしようと思います。

海外への初挑戦でフィリピンへ

荒巻教授: 大学に入学するときからフィリピンのような途上国で活動することを考えていたのですか?

星さん: いいえ、そうではなかったです。中学の頃から英語が好きだったのですが、高校に進学してからは英語を学ぶだけでなく英語を生かしてさまざまな勉強をしたいと思うようになり、東洋大学の国際地域学科に入学しました。その頃は国際社会のさまざまな問題全般については興味がありましたが、特に途上国に関心があったというわけではなかったです。

荒巻教授: そうだったのですか。では、途上国に関心を持つようになったのはどうしてですか?

星さん: 国際地域学科の先生方はご自身の研究フィールドを途上国に持っている方が多く、授業の中で先生方の話を聞いているうちに自然と興味を持つようになりました。フィリピンということでは、例えばマリア・バレスカス先生(国際地域学科 教授)は母国ということもあり、授業の中でフィリピンに関するさまざまな話を聞くことができました。

荒巻教授: 2年生の夏にサウスウエスタン大学(SWU)での研修(海外国際地域学研修)に参加しましたよね。それはフィリピンへの興味からですか?

星さん: はい。ただそれだけではなくて、実は私はその時まで海外に行ったことがなかったのです。フィリピンのような途上国に自分だけでアレンジして行くのはハードルが高いと感じ、まずは大学のプログラムを利用して行ってみようと思いました。SWU研修は英語学習が中心の研修で、英語を海外で学んでみたいというのもありましたし、現地でボランティア活動ができるのも魅力でした。

荒巻教授: SWU研修に参加してみて何が収穫でしたか?

星さん: その後の課題を得たことです。2つありますが、まずは、自分が海外の人に日本のことをきちんと伝えられていないと感じたことです。SWU研修では、午後に週3回、現地の大学生がチューターとなって1対1や1対2くらいの少人数でいろいろなことを話すチュートリアルのセッションがありました。SWUの学生は日本に関心を持ってくれていろいろ聞いてくれるのですが、十分に説明できずに悔しい思いをしました。日本のこと、社会のさまざまな問題についてもっと勉強が必要だし、それをきちっと英語で表現できるようにならなければと思いました。

荒巻教授: そう思って、どのような行動をしたのですか?

星さん: 国際地域学科では英語で行われている専門科目が多くあるのですが、そういった授業を積極的に受けたり、大使リレー講義国際学生シンポジウムなども可能な限り参加するようにしました。「地域文化(日本研究プログラム)」という授業では、東洋大学に1年間来日している留学生とペアになって日本文化を一緒に調査したのですが、とてもよい経験になりました。ちなみに、私のグループは妖怪に関して調査をしました。そうした中でいろいろな社会の問題を英語で聞き、英語で表現することに慣れていったように思います。

荒巻教授: もう一つの収穫を聞いていませんでしたね。

星さん: はい。もう一つ強く感じたのは、授業で学んできたことと実際に自分の目で見て体験したことの違いです。例えば、私は事前に貧困層への支援について授業で学び、いろいろな支援策についてレポートでまとめたりしていました。しかし、フィリピンで実際に現場に行くと、さまざまな支援を本当に困っている方々にきちっと行き渡らせることがどんなに大変なことなのか実感し、自分がレポートに書いたものは、フィリピンでお会いした皆さんのニーズをきちっと反映できていないことがよく理解できました。

荒巻教授と星さん

フィリピンでの調査研究

荒巻教授: SWU研修の後、さまざまな形でフィリピンとのつながりができましたよね。どういう経緯だったのですか?

星さん: SWU研修の時に訪れた貧困層が多いコミュニティ(バランガイ)に、金ヶ江静子さんという日本の方のお墓がありました。この墓石が、地域の都市開発事業の関係で壊されてしまう可能性があることを聞き、帰国後、一緒に研修に行った後輩たちに誘われて「金ヶ江さんのルーツを探る」という調査を行うことにしたのです。調査としては、静子さんのお父さんである清太郎さんのライフヒストリーを中心に調べました。清太郎さんは、戦前からフィリピンに渡りビジネスを成功させ当時の大統領とも親しい関係だったという、当時の日本とフィリピンを繋いでいた方でした。

荒巻教授: そんな昔のことを調査するのは大変だったのではないですか?仲間たちとの調査

星さん: はい、そうですね。この話を紹介してくださった小早川裕子先生(国際地域学科 講師)のご支援が大きかったと思います。金ヶ江さんのご子孫を探し出すことができましたし、この調査の結果をフィリピン研究会で発表することもできました。一つのことを丁寧に調べて、それをまとめていくという調査研究の醍醐味を味わうことができたと思います。この調査の後、一緒に調査した仲間と「ConnAction」というグループを作りました。ConnAction というのはConnectionとActionをつなぎ合わせた造語なのですが、調査を行う中で自分たちのActionによりいろいろな方とのつながりconnectionができ、さらにその方のActionにより別の方へとネットワークがつながっていく、といったことを感じたことから名づけました。

荒巻教授: ConnActionではどんな活動を始めたのですか。

星さん: セブのバランガイ・ロレガというコミュニティに滞在して、現地の方と同じ生活、例えばコミュニティの子ども達とふれあい、ご飯を一緒に食べる等の体験をしながら交流を深める活動をしています。最近は、台風で甚大な被害があったレイテ島の支援活動なども行っているようです。私自身は4年生になってあまり参加できていませんが。

卒論を英語で書く

荒巻教授: それでは学生生活のクライマックスとも言える卒論の話に移りましょうか。セブでコミュニティビジネスとして行われているリサイクルプログラムを対象に、廃棄物の収集やリサイクルをコミュニティビジネスとして行っていく可能性について検討し、英語で執筆してくれましたね。まずはなぜ、このテーマを選んだのですか?

星さん: 1,2年生の時にいろいろな授業を履修した中で、国際的な問題についてはもちろん関心がありましたが、それと同時に環境問題についても興味を持っていました。SWU研修などで貧困層コミュニティを訪問した際も、こういったコミュニティの環境改善をうまくできないかと考えていました。その中で、コミュニティのメンバーによりビジネスとして行われているリサイクルプログラムを知ったのです。このようなプログラムを多くのコミュニティで展開できたらと思いました。

荒巻教授: どのように研究を進めていったのですか?

星さん: このようなプログラムを展開していく可能性を議論するために、まずプログラムのよい面、課題などについてきちんと把握しなければならないと考えました。そのためには、実際にプログラムに携わっている方へ聞き取り調査をしていかなければならないと。そこで4年の夏休みに現地に行って、リサイクルプログラムで実際に働かれている方々や管理をされている方々へインタビュー調査を行いました。

荒巻教授: 調査を行ううえで苦労したことは何ですか?現地にて卒論調査

星さん: 金ヶ江さんの調査などこれまで行った調査はメンバーの一員として行ってきたのですが、卒論の調査ではスケジューリング、面会などの約束の取り付け、調査表作成など全部一人で行ったので、大変だったというか不安が大きかったです。日程を考えると、調査は一回きりしかできないので、調査表作成も不安でいっぱいでした。先行研究もいろいろ調べて参考にしましたし、先生とも相談はしていましたが、これで本当に大丈夫かなと。調査が終わり、卒論を書き上げていく過程で自分の調査結果が論文として形になっていったときには本当にほっとしました。

荒巻教授: 卒論を英語で書きましたね。どうして英語で書くことにしたのですか?

星さん: フィリピンでの調査は全部英語で行っていましたし、ESP(英語特別プログラム)の認定を受けるために英語で卒論発表をする必要がありました。そのようなことから英語で書いてみようと思いました。荒巻先生も勧めてくださいましたね。

荒巻教授: 英語で書く中でどんなことに苦労しましたか?

星さん: 書き始めた頃は、学術論文独特の受け身形を使った客観的な表現などがなかなか思いつかなかったりしました。ただ、1年次よりESPに登録して英語で行われる専門科目をたくさん履修しており、それらの授業で英語のレポートをたくさん書いていたのが役に立ったように思います。あと、Language Centerで行われているConference Writingを受講したことで、英語で文章を書くときの引き出しが増えたと思います。

荒巻教授: 1月の学科の卒論発表会でも英語で発表してくれましたね。(2013年度 国際地域学科 卒論発表会) 優秀卒業論文賞を受賞することになりました。おめでとうございます。

星さん: 卒論が終わったときは、大きな達成感がありました。優秀賞も頂けてとても嬉しかったです。

学んだことを現場で生かす

荒巻教授: さて、いよいよ卒業ですが、この4年間の経験は、これからの人生にどう生かせそうですか。

星さん: 卒業後は海運会社に就職が決まっています。先日配属先が知らされて、船で荷物を運んでくるさまざまな国の船員さんたちをサポートする部署に配属されるようです。貿易関係の英語など新しく勉強していかなければならないことも多いですが、この4年間いろいろなことに取り組んできたように、これからも積極的に取り組んでいくことができればと思っています。

荒巻教授: そうですね、がんばってください。それでは最後に後輩たちにひとことおねがいします。

星さん: 大学に入った当初は海外に行ったことさえなかった私が、4年後には一人で途上国のコミュニティでインタビュー調査をしてくるまでに成長できました。少しずつステップアップしながらいろいろなことにチャレンジしてきた成果だと思っています。授業で学んだことを外にでて現場で試したり、確認したりしていく。そうすることによって、自分の習ったことを生かせますし、新たなモチベーションが得られました。この学科に来たからこそ、そういう機会に恵まれたのだろうと思います。是非、いろいろな機会を使って積極的に現場に出て、様々な人から刺激を受けながら自分を試していって欲しいと思います。

荒巻教授: 卒業間際の忙しい時期に、長時間ありがとうございました。社会に出ても前向きにいろいろなことにチャレンジしていってください。また、OBとして大学を訪問し、後輩たちにいろいろな経験を伝えてくれることを期待しています。

星さん: こちらこそ、このような機会を与えてくださいましてありがとうございました。今振り返ると本当に4年間はあっという間でしたが、荒巻先生はじめたくさんの先生方やスタッフの皆さんにご支援を頂けたからこそ今の自分があると思います。私自身も、後輩の皆さんやこれから国際地域学科に入学する皆さんのご活躍を楽しみにしています。

荒巻教授と星さん

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