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学生の声(国際地域学科):国連ユースボランティアに参加しました

English (TOYO Global RDS)

国連ユースボランティアに参加しました

学生 東洋大学 国際地域学部 国際地域学科 3年
小川千春(おがわ・ちはる)

教員 東洋大学 国際地域学部 国際地域学科 教授
久松佳彰(ひさまつ・よしあき)

小川千春さん 久松佳彰教授

久松教授: フィジーよりお帰りなさい。小川さんには、すでに〔インターンシップだより〕国連ユースボランティア@フィジー共和国で、インターンシップの内容の一端をお話してもらいましたが、今回はもう少し広い視点でいろいろお話をお伺いしようと思っています。たとえば、どういう気持ちで国連ユースボランティアに参加することになったかというところから始めて、選考プロセス、行く前の準備、行ってからの業務についてもお話しいただき、さらにはフィジー共和国での生活、国連についての印象、そして最後に、後輩への言葉をお願いしようと思っています。

どうして国連ユースボランティアへ応募したのか

久松教授: それでは、まず小川さんはどういう気持ちで国連ユースボランティアに応募することにしたのかというところから伺わせてください。

小川さん: はい、去年(2013年)4月の新3年生向け学科ガイダンスで、国連ユースボランティア募集のチラシが配布され、興味をもちました。中学生のころから、国連に漠然としたあこがれがあり、国連と言う場で英語を使って働くなんてかっこいいと思っていました。それでもはじめは、自分には無理かもとためらっていましたが、挑戦してみたらと久松先生から勧められて、応募してみようと思いました。

久松教授: そうでしたか。では、実際の選考プロセスはどうでしたか。カバーレターや履歴書(CV)の英文での作成や電話インタビューに苦労されたと思うのですが。

小川さん: はい、初めての体験だったので大変でした。でも、カバーレターや履歴書の作成にあたってはランゲージセンターのボテフ先生やブラウン先生に丁寧にチェックしてもらいましたので、時間はかかりましたが期日までに完成させることができました。現地事務所との電話インタビューの練習も両先生にしてもらいました。

久松教授: 実際にランゲージセンターの電話を使って練習をされたそうですね。実際の国連現地事務所との電話インタビューはいかがでしたか。

小川さん: 時間は1時間弱ぐらいだったでしょうか。「あなたにとってのボランティアリズムとは何ですか」という質問には一瞬はっとしました。

久松教授: どう答えられたのですか。

小川さん: フェアトレードサークルの活動で、ネパール産品のフェアトレードをしていたので、それを続けて行くことだと答えました。私は活動の一環で、昨年(2013年)3月にネパールへスタディツアーに行きました。(ハートバザール「フィールドスタディ in ネパール」(記事リンク))その際、持続的な支援が、支援対象者だけではなくその家族の生活向上や地域の活性化にもつながるということを学びました。

久松教授: 自分の経験にひきつけて答えられたわけですね。他の質問はどうでしたか。

小川さん: DOA(Description of Assignment:現地での仕事内容が書かれた文書)の仕事内容はこうだが、あなたのこれまでの経験で類似したことはあるかと何回も尋ねられました。私はフェアトレードサークルでの活動と関連させて答えました。

久松教授: やはり、これまでの自分の経験が大事になるのですね。

小川さん: はい、そうだと思います。

ランゲージセンターにて

行く前の準備

久松教授: 帰られた今から振り返って、派遣が決定した後におこなった準備で、何か有益だったと感じることはありますか。

小川さん: そうですね。幹事校の関西学院大学で夏季休暇期間中におこなわれた事前研修はためになりました。とくにコンピュータ技術を学ぶICT研修で、写真の撮り方を習ったのは役に立ちました。現地で私がおこなっていた業務は〔インターンシップだより〕国連ユースボランティアで書いたように、パンフレットの作成業務が多かったのですが、そこでは写真を入れることが重要でした。国際ボランティアデーのイベントでは研修で習った撮影技術を生かして、報告文書を作成しました。

久松教授: この国連ユースボランティア派遣事業は、現地での業務に直結する研修が派遣前に置かれていることが魅力の一つですね。他に何か準備して良かったと思ったことはありますか。

小川さん: 久松先生に薦められた英語電子メールの書き方のテキストを現地に持って行きました。フィジー事務所では本当に電子メールが大事で、オフィス内のコミュニケーションの多くもメールで行われますし、私が担当していたパンフレットの作成作業でも、寄稿者にメールで文章をお願いしたり、催促したりしなければなりませんでした。ですので、当初は、このテキストや辞書を使い、インターネットでも何度も検索をかけ、1通に30分以上かけて書いていた記憶があります。それでも、最後の頃にはこれらを参照せず短時間で書けるようになりました。

派遣されてからの業務

久松教授: 小川さんは2013年9月に派遣されて翌年3月上旬まで国連フィジーオフィスで国連ボランティアとして働かれていましたね。業務の内容の一端については、すでに〔インターンシップだより〕国連ユースボランティアで話して頂いていますが、他にどんな仕事をされていたのか教えてください。

フィジーのオフィス小川さん: 私の作業の多くはオフィスワークでした。もちろん、先ほど触れた国連ボランティアデーへの参加や取材もありますので、外に出かける仕事がなかったわけではありませんが、オフィス内で使われているデータの更新や、ブックレット、リーフレット、パンフレット、ニュースレター、レポートというような文書の作成が中心でした。

久松教授: そういう仕事は全て英語ですよね。大変ではありませんでしたか。

小川さん: 最初は戸惑うこともありましたが次第に慣れていきました。大学での情報系の授業、例えば1年次必修科目の「国際地域学情報入門」などでソフトウェアの使い方に慣れていたので、それが生きたような気がします。あと、文書作成業務ではドラフトを書くことが多かったのですが、私が履修した英語の授業、例えば2年生のときに履修した「メディア英語」や「ビジネス英語」ではエッセイ執筆の課題がたくさんあったので、そのおかげでとにかく書くことには慣れていたような気がします。また、3年生の「演習ゼミナール(国際地域学演習Ⅰ)」では約20ページの比較企業財務レポートをワードとエクセルを使って執筆し、発表しなければなりませんでした。フィジーへの出発直前のことです。とにかくワードをずっと使っていたので、フィジーオフィスで使ったワードは日本語版ではなく英語版のワードだったのですが、よく使うボタンは同じなので、ボタンの場所や表示を覚えていて、英語版にもすんなりと移行することができました。

久松教授: パソコンを使う仕事が多かったのですね。

小川さん: はい。オフィスの同僚から、こんなことがワード上でできないかと尋ねられたりしたときにも、だいたい答えられたような気がします。例えば、ワード上でグラフィックと文字情報を合わせて使うやり方などを尋ねられて、こんな風にやればいいんじゃないと教えてあげたりしました。

久松教授: そんなにソフトウェアに元々詳しかったのですか。

小川さん: いいえ、そんなことはありません。たぶん、大学のフェアトレードサークルでビラやチラシを見たり作ったりする機会が多かったので、なんとなくオフィスの同僚がやりたいことが、できるはずだと知っていたのです。なので、あとはインターネットで検索してやり方を調べればいいんです。

久松教授: とにもかくにも、やれると思っていることが重要なんですね。そういう業務を通して、どんな力がついたとお感じですか。

現地でスタッフと小川さん: 一言で言えば、コミュニケーション力と編集力だと思います。文書を作るには、どんな文書が求められているかを知ることが大事になります。上司とのコミュニケーションを通して、求められている結果がわかるようになりました。その結果を実現するには、編集力が必要でした。

久松教授: コミュニケーション力と編集力は社会で非常に重要な力だと思います。話題を変えますが、勤務時間はどんな感じだったのですか。

小川さん: 月~木は8時から17時半、金曜日は8時から14時でした。金曜日の午後は早く終わるので、よくオフィスの歓送迎会になったりしていました。

久松教授: 通勤はどうしていたのですか。

小川さん: 徒歩です。30分ぐらいかかりましたが、自分にとっては健康に良いと思っていたので楽しんでいました。ただ、フィジーの職員はタクシーや自家用車で通勤している人が多く、私が徒歩で歩いていることがもの珍しいようで、次第に有名になると、歩いている私を見かけて、一緒に行かないかと車を止めて誘ってくれる同僚もいました。この徒歩通勤は、普段一緒に仕事をしない同僚との話の種にもなっていたので、続けてよかったと思います。

久松教授: 皆さん優しいのですね。では、送別会は大変だったでしょう。

小川さん: 4回ありました。国連ボランティア計画の上位組織である国連開発計画の人たちを含めたものが1回、国連ボランティア計画の人たちで一回、知り合いになった日本人の人たちが1回、そして、ホームステイをしていた家族が親族を招いて1回開いてくれました。とても感激しました。

パーティーの思い出

久松教授: それは良い思い出になりましたね。そしてフィジーの皆さんにも小川さんのことが良い思い出になったでしょう。交通の話に戻りますが、バスは使われたのですか。

小川さん: はい、私のオフィスのある首都スバ市ではバスはいくつかのルートを走っていて、週末にショッピングセンターへ買い物に行くときにはよく使っていました。

フィジーでの生活

久松教授: では、派遣されたフィジーでの生活を教えてください。週末にフィジーの人々はどんなことをされているのですか。

小川さん: フィジー人はキリスト教徒が大半なので、日曜日には教会に行く人が多いと思います。私は洗濯をしたり、映画を観に行ったりしていました。私はホームステイをしていたのですが、自宅に高校生の双子の娘さんがいらしたので、彼女たちと映画を観に行ったりしました。

久松教授: それは楽しそうですね。その他に週末はどんなことをされて過ごしましたか。

小川さん: 国連オフィスで働いていらっしゃる他の日本人女性と散歩したり、昼食をとったり、料理をつくったりしました。諸先輩はそれぞれ様々な経験を積んでいる方ばかりなので、そういう時の会話もとても刺激になりました。例えば、帰国後のキャリアについて、派遣前は日本ベースで働きたいと思っていましたが、今はもし自分の能力が上がり、専門的な力を身につけ、それが発揮できるのなら色々な土地で自分を試すのもいいかなと思うようになってきました。まだ、実行というより、頭の中のイメージだけですが。

久松教授: そういう目上の目標になる人(ロールモデル)が見つかる可能性があるのも、こういう長期インターンシップの魅力だと思います。そういえば、オフィスの同僚とジムに行かれていたと聞きましたが。

小川さん: はい、週2回、ジムでズンバというダンス風の体操のクラスに通っていました。あまり運動をしていなかったので、気持ち良かったです。また、同僚とオフィス以外で会話をできたので、楽しい時間でした。

久松教授: そもそも小川さんが暮らしていたスバ市というのはどんな町なのですか。

小川さん: 首都ですが、人口7万人程の小さい町です。とはいえ、ショッピングセンター等が充実しているため、南太平洋のなかでは一番大きな都市です。住人はなごやかでフレンドリーというのが私の印象です。すぐに他人とも仲良くなるし、お店の人も日本人が珍しいこともあってすぐに覚えてくれて、よく話しかけてくれました。スーパーのレジの人と世間話をすることもありました。

久松教授: 治安はいかがでしたか。

小川さん: クリスマスは買い物で色々な人がスバ市にやってくるので、ひったくりがあったようなことを聞きました。それ以外はあまり聞きませんでしたし、私は何も経験しませんでした。

国連で働くということを体験して、そして後輩への言葉

UNVのTシャツ久松教授: 今回、小川さんは約6カ月間にわたって国連のフィールドオフィスで働かれたわけですが、どんな感想をお持ちになりましたか。

小川さん: 先にも申し上げたように、他の国に派遣された学生の中にはもう少し現場に出る人もいたようですが、私は基本的にオフィスワークでした。また、本部の仕事を経験したわけでもありません。さらに、何か自分の専門をもって仕事をしたわけでもありません。学生としての極めて限られた範囲ではありますが、最終的にはそれなりの仕事ができたのではないかと考えています。もちろん、当初は会合で何が話されているのかさえ全くわからない状態でしたが、次第に専門用語や人の名前に慣れてくるとわかるようになりました。自分からも進んで質問するように努め、やってみようとするとなんとかなったという感じです。

そういう経験から、中学生のころから持っていた国連へのあこがれが消えたわけではないのですが、すぐさま国連でどうこうというのではなく、自分としては卒業したら、とにかくまずはきちんと働いてみるということをやってみようと思っています。その後いつかは大学院に進んで専門を持つことも選択肢の一つとして考えるようになりましたし、日本以外に拠点をもって働けるようになりたいなとも思っています。

久松教授: ボランティアについてはどうお考えですか。

小川さん: 今回の体験を通してカタカナの「ボランティア」と英語の「Volunteer」の違いを体感しました。日本で通用するカタカナのボランティアとは、<誰でもいつでもできる、スキル不要の作業で、ほぼ全費用を参加者が負担する活動>でした。これに対して、国連ボランティア計画で使う英語のVolunteerとは、<プロフェッショナルとほぼ同等なスキルをもって貢献し、生活費は支払われる活動>でした。つまり、専門的な能力が求められるということを感じました。今後も自分のキャリアを積み重ねながら、電話インタビューで尋ねられた「あなたにとってのボランティアリズムとは何ですか」という質問について考えていきたいと思います。

久松教授: 良い疑問が手に入りましたね。では、最後に小川さんに続く学生さん達に送る言葉をお願いします。

小川さん: はい、3つに分けてお話したいと思います。第一に、国連ユースボランティア計画に挑戦しようと思っている学生の皆さんには、柔軟性を意識してもらいたいと思います。このプログラムでは、当初は自分がやるとは思っていなかった仕事を担当することがあります。その時に、自分にはできないと考えるのではなく、自分がどの部分をどれだけできるのかを考えてもらいたいと思います。

第二に、長期のインターンシップへ参加する学生の皆さんには、度胸を意識してもらいたいと思います。留学であれば学ぶことが主な目的だと思いますが、インターンシップでは自分の力を発揮しなければなりません。前向きに行動する意志を大切にしてもらいたいと思います。

第三に、広く一般に海外志向のある学生の皆さんに対しては、挑戦心を大切にしてもらいたいと思います。自分がやりたいと思ったことには、あれこれと考えすぎず積極的に取り組んでみてください。この取り組みが積み重なり、後に自分の経験となり、大きなチャンスをつかむことができるかもしれません。私と同時期に国連ユースボランティアに参加した学生の中には、英語力は普通でもボランティアのことを自分なりに深く考えているという点でとても秀でている人がいました。英語力もたしかに大事ですが、ボランティアなどの体験やそこから何を見出しているかが問われていると思います。そういう意味では、英語ができないから尻込みをするのではなく、英語があまりできないからこそ体験が大事になるのかもしれません。

久松教授: 小川さんに続いて多くの皆さんに挑戦してもらいたいと思います。今日は長い時間を有難うございました。

小川さん: 私こそ自分の見聞を整理する時間を与えて頂き、有難うございました。今日申し上げたことはあくまでも私の眼から見えた体験です。数多くある体験談の一つだと思って頂ければ幸いです。読んで頂いた皆さんには感謝申し上げます。ありがとうございました。

久松教授と小川さん


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