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【RDS WWP インタビュー】国連ユースボランティア(ウガンダ)から帰国

English (TOYO Global RDS)

【RDS WWP インタビュー】国連ユースボランティア(ウガンダ)から帰国

昨年10月から今年の3月上旬まで国連ユースボランティア(UNYV:United Nation Youth Volunteer)としてウガンダに派遣されていた畔上拓也さん(国際地域学部4年)が帰国したと聞き、今回も私、深津みちる(国際地域学部1年)が再度インタビューを行い、畔上さんの半年間の活動について伺いました。

(過去の記事)

国連ユースボランティア@ウガンダ共和国
【RDS WWP インタビュー】国連ユースボランティアでウガンダに派遣

国連ユースボランティア
〔インターンシップだより〕国連ユースボランティア@ウガンダ共和国

深津: 畔上さん、お久しぶりです。帰国後もインタビューに応じてくださり、誠にありがとうございます。では早速ですがまず全体を通して、最も印象に残った業務について教えてください。

畔上さん: 基本的に業務指示書(DOA :Description of Assignment)に基づいて仕事が行われました。その最大の目的は、ウガンダにある国連ボランティア計画を視覚化することです。それと共にUNCG(United Nation Communication Group)の一員として国連全体のコミュニケーションや広報活動に携わりました。そのため現地に着いて上司から「これをやってほしい」というようなことはほとんどありませんでした。でもDOAを見ながら、自分に何ができるかをずっと模索していることはありました。その内容は、「ソーシャルメディアを使って国連ボランティア計画ウガンダの存在感を高める」ということでした。これはwhatについての指示はあったのですが、how(手法)に関する説明が無かったので、そこに関して考えるのに必死でしたね。

深津: それではhowを模索している時が全体の活動を通して最も印象に残った、ということですか。

畔上さん: はい。自分がクリエイティブにならないと何も始まらないので。

深津: では広報活動の中で楽しかったもしくは成功した、と思ったエピソードはありますか。

畔上さん: 楽しかったことは、国際ボランティアデー(International Volunteer Day)ですね。実は今年、国連ボランティア企画課が予算不足で独自の企画ができなかったのです。なので、国連工業開発機関(UNIDO)が運営する企画に乗っかるような形で開催しました。その時に僕はビデオ作成を担当しました。ビデオの最後で現地の若者5人に、「あなたにとってボランティア精神ってなんですか」と聞いてみました。それは初めて自分一人で働いているのではなく、他のUNボランティアの人達と一緒に何かを作り上げるという機会であったので、とても楽しかったです。

深津: 基本的にUNYVの仕事って、自分がクリエイティブになって何かを企画する、ということなのですね。

畔上さん: はい。自分が動き出さなきゃ、誰にも何も指示されません。あくまでも「これをやって」と期待されている訳ではないので。DOAに対して自分の考えを示し、行動することが求められています。

深津: では広報活動の中で大変だったこと、伝えづらかったことを教えて下さい。なお、その時上司や同僚の方はどのような対応をしてくださりましたか。それを以ってご自身でどう解決しましたか。

畔上さん: まずソーシャルメディアのアップデートをしようと考えた時に、チラシ を数枚作成しました。データを国連ボランティア計画本部のウェブサイト から引っ張ってきてとりあえず作成したものの、自分一人でやっているのでどうしても情報の正確性に欠けていました。そこで国連ボランティア計画のユニット内の上司だけでなく、国連開発計画(UNDP)の上司(広報担当)にもお忙しい中アドバイスをもらいました。主に上司から指摘されていたことは、アイコンのデザインや言葉選びについてでしたね。その客観的なアドバイスがかなり助かりました。

深津: 週1ベースでチラシを作成していたとのことですが、ターゲットはあくまでも国連ボランティア志望者向けのみ、ということでしたか。

畔上さん: 作成していたチラシは国連ボランティアとは何か、ということだけではなくて、ユースボランティアの案件とかそれに関するサポートも紹介していました。それだけでなく、ユニット(部門)の年間の活動の紹介もしていました。これを作成することで、内部だけでなく、外部にも出せるというメリットもあります。(外部に出す=志望者自身が応募しようとしているユニットの情報を得られる)。

深津: (チラシを見て)「どうしたら国連ボランティアになれるか」”How can I become a volunteer?”…という質問の次に多かった質問ってありますか。

畔上さん: 基本的に僕に来る質問は全てそれに関連したものでしたね。例えば「私は今22歳以下の  大学生なのですが、どうやったら国連ボランティアに携われますか」という質問に僕は、「18歳以上ならオンラインボランティアに携われる機会があります」と返していました。他には「やる気があって、自分もぜひ国連ボランティアに参加したい」というメッセージが寄せられることもあります。

深津: 質問は世界各国から来ているのですか。

畔上さん: いいえ、すべてウガンダ人からです。もともとUNVのSNS(TwitterとFacebook)アカウントのフォロワーが少なくて。
(データを見せてもらう)例えばTwitterのフォロワーは最初60人しかいなくて。UNVについての情報を流して、フォロワーを増やすということがDOAの一つでした。最初に「持続可能な開発目標(SDGs)」等各国の国連に関連する情報をシェアしていましたが、それだけではフォロワー数は全然伸びませんでした。自分から内部の情報を紹介するためチラシを作成しました。最終的に2月にはフォロワー数が350人ほどになりました。Facebookページも作ったのですが、ページに「いいね、する」(以下ページライク)だけでは正確なフォロワー数の変化の指標が取れませんでした。しかしページライクをすることで、自分たちに興味を持ってくれたという指標は取れました。

深津: フォロワー数を増やす過程で苦労したことは何ですか。

畔上さん: 一番苦労したことは流せる情報が限られている、ということですね。国連で働くことで一番大切なことはNeutrality…中立性ですね。仮にクリエイティビティを出しても、国連の中立性に欠ければ公に出せません。

深津: それでは、業務を通じてどんな力がついたとお考えですか。

畔上さん: やはりクリエイティブ精神ですね。全ては計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Action)の順の繰り返しでした。でも上司が忙しかったので中々Checkには辿り着きませんでした。だからCheckを求める時一度に3つの案を用意していました。Checkを待っていると次に進まないのでとりあえずPlan→Doを繰り返していました。そうしてようやく承認をもらい、自分が企画したことがウェブサイトに載った時(Action)に周りの方から褒めてもらえて嬉しかったです。そのことがクリエイティブ精神に火をつけましたね。

深津: (データを見て)この”May or may not”の意味を詳しく教えて下さい。

畔上さん: 文脈的には「(公に)行くかもしれないし行かないかもしれない」という意味です。いくらPlan→Doを繰り返していても、上司の許可次第で世に出せるか出せないかが変わってきます。

深津: 職場の雰囲気について教えて下さい。

畔上さん: 職場の雰囲気と言いますと…静かでした(笑)。上司であるプログラムオフィサー(PO)が奥の部屋にいて、手前の部屋にプログラムアシスタント(PA)と僕の3人で仕事をしていました。皆パソコンに集中していて、たまにPAが歌を口ずさんでいるのが聞こえてくるくらいです。

深津: 上司の方はどんなお仕事をなさっていましたか。

畔上さん: PAの仕事は主にUNボランティアのサポートでした。彼らの必要な書類を用意してくれたり、インタビューの設置をしてくれたり、毎月の給与や契約期間の管理をしてくれました。POはUNVの顔として他の連携機関にアプローチをして、UNVをプロモートしたりしていました。

深津: 休日の過ごし方を教えてください。

畔上さん: 至ってシンプルです。朝早く起きて、食事して、ジョギングやエアロビクスをして、たまに映画を見たりしました。その時所属していたヘルスクラブで知り合った25歳くらいの男性に、”Government collapse”(政府の崩壊)が起こっているから世の中を変えたいと持ち掛けられました。そこで僕はフィリピンでのクリーンアップキャンペーンの経験から、所属していたヘルスクラブに週1回(毎週日曜日)の清掃活動を啓発しました。(”Clean up Campaign”) UNVの広報としてだけでなく、個人として、草の根レベルにおいてもボランティア啓発ができてよかったと思います。

深津: では”Clean up Campaign”がUNVの仕事へのヒントになったりしましたか。

畔上さん: ヒントになる、ということはほぼなかったです。これはUNV広報というより一日本人、一人間としてやっていました。自分のモチベーションを維持することに役立ちました。(国連という上位レベルにおける啓発活動だけではなく、草の根レベルで社会に変化を起こす啓発活動をしたいとずっと考えていたからです。)

深津: この経験を踏まえて今後社会人としてどのように過ごそうと思っていますか。

畔上さん: 元々このプログラムに応募したのは、海外で働く経験を積みたかったからです。実際にウガンダで、国際機関で働いてみて、上からの指示を待っているだけではなくて、常にここで培ったクリエイティブシンキングを持って4月から社会人として働きたいと思います。僕は元々教育に興味があって、将来は国境をなくすような働き方をしたいと思います。なぜ僕が教育に興味があるかというと、偏見を無くしていきたいと考えているからです。偏見と嫌悪は違うものだと思います。知っていて嫌うのは人間の性だと思いますが、知らないで勝手なイメージだけで決めつけることはどうかと考えています。そんな社会は嫌だな、って思っています。

深津: 渡航前にも聞きましたが、最後に後輩にメッセージをお願いします。

畔上さん: UNYVは国際機関ともあって、それなりの責任が伴ってきます。プロフェッショナルなバックグラウンドの方々と働くことは決して簡単なことではありません。しかし海外の人たちと協力して働く経験というのは、必ず将来生きてくると思います。なので、ぜひ忍耐を維持しつつ、創造力を伸ばしつつ頑張ってほしいです。

RDS WWP

RDS WWPRDS Web ライタープログラムの略称です。

取材・構成:深津みちる(国際地域学科1年)
編集: 久松佳彰(国際地域学部教員)、杉田映理(国際地域学部教員)