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【RDS WWPレポート】フィンランド大使の特別講義を受講して

English (TOYO Global RDS)

【RDS WWPレポート】フィンランド大使の特別講義を受講して

2016年5月26日、国際地域学基礎の講義で大使リレー講義が行われました。今回はマヌ・ヴィルタモ駐日フィンランド大使閣下より、フィンランドについて貴重な特別講義をしていただきました。今回私、小澤雅志(国際地域学部国際地域学科1年)が今回の特別講義の内容をレポートし、合わせて受講生として感じたことなどを報告しようと思います。

大使リレー講義

講義を受けるまで

フィンランド大使がいらっしゃると来校当日の1カ月ほど前に授業内で告知を受けました。それからフィンランドについてのインフォメーションガイドの冊子をいただきました。このガイドを読む前、フィンランドはスイスやカナダのように寒い国で自然がありきれいな国という印象でした。この特別講義はフィンランドを良く知れるチャンスだと思ったので、講義前にインフォメーションガイドを何回か読みました。その中で興味がある点や疑問に思った点はより注意して読んでみました。私の今の興味分野は環境、特に資源エネルギーなので、フィンランドから何か学べることは無いか、日本でも活用できるような事例があるかなど調べて特別講義に臨みました。

日本での活動内容

特別講義の最初にヴィルタモ大使が私たちにお話しくださったことは、2013年に日本の大使になられ、様々な公務やイベントに参加されたということでした。着物を着用されたことや、8月6日の広島の平和記念式典などに積極的に参加され、日本の歴史や文化を感じられたことが記憶に残っているそうです。

特に印象に残った公務は、日本郵便からムーミン記念切手が発売され、その記念式典に参加したということだそうです。ムーミンはフィンランドが誇るキャラクターであり、切手というかたちで、日本でムーミンが広く認められたことがとてもうれしかったそうです。

フィンランドについてと日本との関係

フィンランドの面積は日本とほぼ変わらないくらいの大きさであり、人口は550万人ほどです。国土の70パーセントが森林に囲まれています。また人が泳ぐことができるくらいきれいな湖がたくさんあるそうです。このためフィンランドは自然に囲まれた国と言えます。またフィンランドには約50万の別荘があり別荘地として有名です。長期休みには多くの方がフィンランドを訪れるそうです。

そういうフィンランドと日本は長い間にわたって交流を行っています。大使によると、2019年はフィンランドと日本が交流し始めて100周年になるということです。現在ではフィンランドと日本の間は週31便の飛行機で結ばれており、人々の往来が盛んになっています。

フィンランドは世界でも評価が高い

フィンランドは様々なグローバルランキングで上位に選ばれています。特にフィンランドは女性が過ごしやすく、自由な国として高い評価を受けています。政治に関して言えば、1906年に選挙権と被選挙権が与えられ、翌年には19名の女性議員が誕生しました。フィンランドは非常に早くから女性の権利を認めた国の1つです。現在も男女平等の環境を維持しており、世界男女格差指数が世界で2位と評価されています。男性と女性には同等の権利と自由を与えられ、男女間の差別が非常に小さいことが特筆されます。

また、フィンランドの自然環境は世界一と評価されています。例えば水道水はいつどこでも飲めるようなきれいな水を保っています。水をきれいにする技術を発展途上国に輸出して世界が抱えている大きな問題であるきれいな水の確保に取り組んでいます。フィンランドは環境汚染問題に配慮し、再生可能エネルギーを利用してクリーンな環境を保持しようと努力しています。

疑問に思ったこと

フィンランドがきれいな環境を保持する努力をしていることは、事前に頂戴したガイド冊子や大使のお話から伝わってきました。発電の際には、石油などの有限資源のかわりにバイオマスを使っているということです。しかしながらそれだけでは発電量が小さく石油には及ばないのではないかという疑問を持ちました。その他のエネルギー、特に原子力を使用しているのではないかとも思いました。原子力発電は、使っているときはクリーンなエネルギーですが、チェルノブイリや福島のように事故が起きれば環境を破壊する存在になります。また原子力発電をおこなえば、核のゴミが出るためどこで処分すればいいかという議論があり世界中で大きな問題となっています。それではクリーンなエネルギーを使っているとはいえないだろうと思ったのです。

この点については質疑応答の時間に、大使に直に質問することができました。大使のご回答では、フィンランドではやはり原子力を使用しています。しかしながらフィンランドはデメリットを理解し、解決策を考えた上で使用しているとのことでした。その1つの解決策として地下に核のごみを保管する場所を建設する計画があるそうです。このように対策を十分に考えた上で原子力を有効活用していることはすばらしいと思いました。環境対策に関するお手本の国だと感じました。

フィンランドの課題

フィンランドは様々なグローバルランキングで高い評価を受けていますが、他方で多くの問題を抱えています。2008年と2009年、フィンランドのGDPは-8.5%を記録し、失業率も約10%を記録しました。経済は重要項目の一つであり、その当時は状況を改善しようと政府は苦労したそうです。

また最近では日本と同じく少子高齢化が進んでおり人口減少に悩まされているそうです。

さらに、今日、中東情勢の悪化のため多くの難民がヨーロッパに押し寄せており、一部の難民がフィンランドに来ているということです。現在難民に関する対策が話し合われています。

講義を聴いて

私が当初、フィンランドに持っていたイメージは、自然がきれいな国というだけでした。日本とどんな関係があるかも知りませんでした。しかし、今回、特別講義を聞くことができ、フィンランドと日本は長い歴史があり文化的な交流も頻繁に行われていることを学びました。またフィンランドは国内のことだけでなく、世界にできる限り貢献をしていることを学び、感心しました。まさに理想の国だと感じました。

残念ながら大使は日本での任務をこの夏で終了し、今年の8月からアメリカ、ニューヨークに異動される予定です。この機会は、フィンランドについて学ぶ非常に貴重な時間でした。大使にこの場を借りて、改めて御礼を申し上げたいと思います。有難うございました。


RDS WWPRDS Web ライタープログラムの略称です。

取材・構成: 小澤雅志(国際地域学科1年)
編集: 久松佳彰(国際地域学部教員)