1. トップページ >
  2. 国際地域学部 >
  3. グローバル人材育成プログラム >
  4. 【RDS WWP インタビュー】シップ・フォー・ワールド・ユース・リーダーズ(世界青年の船)に参加して―国際地域学部参加者3名へのインタビュー―

【RDS WWP インタビュー】シップ・フォー・ワールド・ユース・リーダーズ(世界青年の船)に参加して―国際地域学部参加者3名へのインタビュー―

English (TOYO Global RDS)

【RDS WWP 学生インタビュー】
シップ・フォー・ワールド・ユース・リーダーズ(世界青年の船)に参加して―国際地域学部参加者3名へのインタビュー―

2016年1月から3月にかけて行われた内閣府によるシップ・フォー・ワールド・ユース・リーダース(世界青年の船)に参加された小林峻也さん(国際地域学科3年 ※参加時、以下同じ)、後藤杏奈さん(国際地域学科2年)、佐田毬絵さん(国際地域学科2年)の3名に、応募の動機や実際の内容、そして関心を持つ人へのメッセージを町田沙南(国際地域学科1年)がお聞きしました。なお、小林峻也さんが今回の経験を約1分半でまとめた動画を作成されていますので、リンクを下記に記します。

Moviehttps://www.youtube.com/watch?v=cdpojuIlt0E【外部リンク】

Ship for World Youth Program 
左から、後藤さん、小林さん、佐田さん

なぜこのプログラムに応募したのか、どうやって見つけたのか

町田: まず、なぜ学外で行われるこのプログラムに参加したのですか?また、どこでこのプログラムを見つけたのですか?

後藤さん: 学内の繋がりも大事。でもほかの大学の人とも交流したい。知らない人ばかりの環境で自分の力を試したい。だからあえて学外のプログラムを選びました。3号館のPC室付近に掲示されていたポスターでこのプログラムを知ったのですが、そのあとに、以前このプログラムに参加したことのある学科の先輩、畔上拓也さんから具体的な話を聞き、参加することに決めました。

小林さん: このプログラムを知ったきっかけは後藤さんと同じで、畔上さんから話を聞いたことです。正直、応募の時点では明確な理由はなかったんですけど、<やる>か<やらない>の2択なら参加するしかないと思い応募しました。

佐田さん: プログラム自体は去年(1年生の時)から知っていたのですが、応募時期を逃してしまって。そして、後藤さんと一緒に畔上さんから話を聞いて、今年は応募しようと思いました。参加した理由には自分が将来やりたいこと(ゲストハウスのイメージに近いものを開くこと)が大きく関係しています。自分で宿を開くとしたら、日本だけでなく海外の人にも来てもらいたいけれど、一つの空間に全く違うバックグラウンドを持つ人が多数いる環境で生活する状況が想像できなかったので、自ら体験し、また、そういう環境でほかの人の生活を見てみたいと思い、船に乗りました。

小林さん: このプログラムには一次募集と二次募集があり、3人とも二次募集で合格したのですが、日本人の倍率は2倍もなかったと思います。ですが海外参加青年の倍率は非常に高く、特にスリランカでは400倍以上と聞きました・・・。非常に有名なプログラムです。

Ship for World Youth Program
レターグループ内で衣装交換した時の集合写真 画面左—小林さん 

事業内容について

小林さん: まず概要を簡単に説明すると、このShip for World Youth leaders (SWY)プログラムは内閣府主催の次世代グローバルリーダー育成事業で、計11 カ国・約240名の青年(18-30歳)が約1カ月半の間、船内での共同生活を通して異文化理解力やリーダーシップスキルを養うというものです。主な活動としては各種セミナーやコースディスカッション、文化紹介活動、寄港地活動等があります。今回の寄港地はインドとスリランカでした。

町田: 参加青年が所属しなければいけないレターグループ、委員会、クラブなど名前だけ聞くと学校のようなイメージですが、実際はどんな雰囲気だったのですか?

後藤さん: 確かに学校と似ていました。でも大きく違うのは、主に仕切るのが自分たちの中から選ばれたリーダーだということです。

町田: 先生はいないけど、組織図上ではほぼ学校と同じということですね。

後藤さん: はい。でもプログラムの中に、コース・ディスカッションというものがあるのですが、ここでは各グループにファシリテーターと呼ばれる、その分野のプロフェッショナルがいました。

町田: 地域づくりコース、防災コース、教育コース、環境コース、情報・メディアコース、青年起業コースの6グループに分かれたということですが、どのグループも丁度いい人数にばらけることができたのですか?

小林さん: 日本人の場合は9月の時点で希望調査をしました。

佐田さん: 希望理由を材料にして選考されるけど、人数調整はあったみたいです。

町田: みなさんはどのコースを選択しましたか?

小林さん: 私は教育コースです。コースのテーマが人生を豊かにする教育的リーダーシップだったので、これだと思って志望しました。計5、6回のディスカッション、寄港地での施設訪問を通して、大きなことを学べたと思います。自分自身に無いものじゃなくて、自分自身が持ってるもの・力を再認識してそれを高めて突き進むこと、自身の宝物(スキル)にすること。それが将来的にリーダーシップ、そして社会貢献につながっていく。簡単に思えるけどそれが本当に大切なことだと考えられるようになりました。

Ship for World Youth Program
出港の際、船内で流れる曲に合わせてギターを演奏し回った時の写真

後藤さん: 教育コースのよかったポイントとして、発言は英語でも日本語でもいい、というルールにしたことだと思います。私のコースでは、英語力への不安から、良い意見を持っていても発信できずにいる人が多かったので。

小林さん: 本当にそう。そのルールにしてからディスカッションの質がものすごく良くなったと思います。すごく良い転換で、さすが教育コース!と思いました。

後藤さん: 私は地域づくりコースでした。基本的にコミュニティ開発といった広い意味での地域づくりというテーマでした。それぞれの国の参加青年たちが問題を提起し、グループにわかれて解決策を探っていく。しかし参加国によって、抱えている地域の問題は異なっていて、途上国といわれる地域と日本のような先進国とでは、開発とか地域づくりという言葉の意味合いが違っていたからすごく大変でした。日本だと高齢化社会や少子化、孤立化といった、社会的な問題を取り扱っていたけれど、これがタンザニアになると、ストリートチルドレンの問題、オーストラリアだと原住民のアボリジニの方たちの問題などになります。このように、自国では馴染みの薄い海外の問題を基礎から理解し議論することは簡単でないと感じましたが、同時にその多様さから学ぶことも多かったです。専門分野ですでに働いている参加青年からは、プロの視点で、実際の現場経験を聞くことができました。また、こんな印象的な場面もありました。スリランカ内戦について議論した回では、あるインドとスリランカ青年の間で意見のすれ違いから衝突が起きました。一瞬緊張が走りましたが、国際的な場で議論するのがどういうことか、皆が実感した瞬間でした。このほかにも多くの忘れがたいシーンが、私たち一人ひとりの中に貴重な体験として残っています。

Ship for World Youth Program
「Talent Show」でタンザニアの友だちと歌ったときの様子

佐田さん: 私は環境コースでした。ただ環境というとすごく広く、温暖化の問題や、自分たちの身の回りのことなど、幅広い問題があります。その中で、私たちが考えた「環境」は、持続可能な社会をどうやって実現していくかということでした。環境コースのファシリテーターは、昔この船のプログラムに参加したことがある人で、普段は実家が農家のお百姓さん。特別に環境に特化したキャリアがある人ではありませんでした。ただ、農業は持続可能なもので、代々土地を受け継ぐもの。自分でほぼすべて自給自足ができる生活をしているという視点から、どうやって持続可能な生活をしていくか、全員で考えることを中心に進めていきました。その中でも、食生活について考えたこともあったし、今と昔の生活がどのように違ってきているのか事前に調べてきて、各国で比べてみるなどもしました。前半は生活について考えることが多かったと思います。中盤になると、リーダーシップセミナーの先生が実際に取り組んでいる「トランジション・タウン」について話をしてくれて、持続可能な社会の大きなモデルの一つということで、これに基づいてみんなで話し合うことになりました。そして船の中でトランジション・タウンならぬトランジション・シップを実践しよう!となって、グループごとに案を出し、企画を立て、ということを終盤までしていました。環境コースで扱ったテーマは一人ひとりが行動していけばちょっとずつ改善していける、形に見えやすいものだったから、船を降りてから一カ月後、一年後、十年後に自分が達成するゴールを3つ考え、コース・ディスカッションの最後に輪になって発表しました。ファシリテーターが、先祖代々受け継いできた大豆を持ってきて、それを一粒ずつもらって、目標を約束しあいました。とても印象的な場面で、豆を見るたびにアクションを起こしているか考えるようになりました。コースのみんなと同じ日に木を植えて育て、成長を報告しあう計画もしています。コースの繋がりを保ちつつ、環境についてずっと考えて動いていこう、と約束しました。

船生活で成長できたこと

町田: 船生活をして成長したと思うのはどこですか?

後藤さん: 自分のコンフォトゾーンを知り、広げられたことです。人とのコミュニケーションをとおして自分のコンフォトゾーンを広げられました。常に周りの人が良くも悪くも必ず<言葉>で評価してくれる。その環境が一番恋しいと思います。自分のしたことに対して具体的になぜ良かったのか伝えたり、アドバイスをくれる人に囲まれていました。この環境だと何でもできるし、失敗しても損はない。今まで自分がしてこなかったことも試すことができました。船で感じた気持ちをどうやってアウトプットしていくかが今後の課題です。これからは相手のためになると思うことなら些細なことでも言葉に出して伝えるようにしようと思っています。

Ship for World Youth Program
ホスピタリティ精神に感激したスリランカを出航

小林さん: 自分のできることをその場その場で考え対応できるようになったことです。リーダーシップセミナーを受けて、リーダーとは決して前に立って進めていく人、組織の上にいる人だけではないということを学びました。その場その場で自分の役割を考えて実践していくことがリーダーシップというものなんだと思えるようになったこと、すごく身近な存在に感じられるようになったことは本当に大きな学びだと思います。また、Think globally act locally という東洋大学国際地域学部のモットーが理解できるようになりました。今まではlocallyはすごく広い意味、例えばある地域であったり地元のコミュニティを指すものだと思っていたんですけど、今は「locally」というのは「自分のすぐ近く・身の回り」だと考えられるようになりました。たとえ言葉通りの地域活性化ができなくても、例えば隣にいる誰かにこの船事業について説明することもact locallyになるんだと。

佐田さん: プログラムやセミナーにすごく関係している、ということではないけれど、自分の内面を見つめること、それを表現することの大切さに気づけたことです。船で経験した音楽も影響の一つで、即興でメロディーをつくって発表することなどで、自分が内側に思っているものを素直に外に出して、それが受け入れられる経験をすることで、ありのままを表現していいんだと思えるようになりました。それは音楽だけではなくて、言葉も行動も同じです。まず自分がどう感じているかを認識して、それを素直に出せばいい。帰ってきてからは、他の人に何かを指摘したり、自分の意見を主張することを不必要に怖がらなくなったし、ありのままの自分を愛せるようになりました。

Ship for World Youth Program
太鼓とソーラン節は一大旋風を巻き起こしました

参加者からのメッセージ

町田: 最後にこの記事を読んでいる人にメッセージをお願いします。

小林さん: 言葉ではなかなか説明しづらいですが、このプログラムで得られる物は本当に大きいです。でも私が一番価値を感じたのは、世界中に同じ特別な経験をした240人の家族ができることですね。プログラムはたった一カ月半でしたけど参加青年みんなとはこれからも一生繋がっていく。むしろプログラムが終わったこれからが本番という感じです。これからなにかあっても、このSWYの家族があるという安心感は素晴らしいものなので、ぜひ参加してこの感じを味わってみてほしいです。

後藤さん: 自分自身を含め、周りの世界が違って見えて、動き出しているように思えます。自分がどういう人間か理解できます。日本について興味を持つきっかけにもなります。Love yourselfで、自分を愛せないと人を愛せないということをものすごく感じました。今までは多様性にばかり目を向けていたけど、今は人間そのものがどういうものなのか、違いだけでなくどれくらい同じ物を持っているのかを考えるようになりました。

佐田さん: 全部の巡り合わせがすごく大きかったです。アナログな環境だったけど、偶然や巡り合わせから生まれたことはすごく多くて。自分が去年じゃなく今年のプログラムに参加したこともなにかしらの巡り合わせのおかげだと思っています。そしてそれを将来自分のやりたいことに確実につなげていけたのは、あのメンバーだったから。読者の皆さんが、この記事を読んだことも巡り合わせです。決断するのは自分だけど、転がってきたチャンスを逃さないでほしいと思います。

町田: 本当にたくさんのお話しをしてくださってありがとうございました。

Ship for World Youth Program
涙がとまらなかったお別れ。また世界のどこかで!

インタビューを終えて

今回インタビューをした3人の先輩から、「言葉にするのが難しいけど、ものすごく良い経験だった」という発言が多かったのが印象的でした。一般的に想像する留学や異文化体験とは全く違っていて、11カ国の青年たちが全く同じ空間にいるという濃密な時間を過ごしたことが言葉の節々から伝わってきて、聞いている側もワクワクしました。帰国したばかりで新鮮なインタビューができました。

Ship for World Youth Program
みんなで描いた手描きの団旗 画面右下―佐田さん

Ship for World Youth Program

RDS WWPRDS Web ライタープログラムの略称です。


取材・構成: 町田沙南(国際地域学科1年)
編集: 久松佳彰(国際地域学部教員)