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大学院教育改革支援プログラム選定記念シンポジウム『サンディ・スプリングスの衝撃-完全PPP都市の出現-』 を開催

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東洋大学は、2008年2月18日(月) 午後、白山キャンパス5号館井上円了ホールにおいて、シンポジウム「サンデイ・スプリングスの衝撃  -完全PPP都市の出現-」を開催した。2006年度に開設した大学院経済学研究科公民連携専攻の人材育成プログラムが、平成19年度の文部科学省大学院教育改革支援プログラムに選定された記念シンポジウムである。

サンデイ・スプリングス市は、米国ジョージア州アトランタ市に隣接する地域( 人口99千人)であり、2005年に市政全体を民間企業に委託した。近年、日本でも公共サービス分野への民間導入が進みつつあるが、市政丸ごとという包括的なケースは世界で初めての例である。その先駆性が注目を集め、会場は自治体、建設、コンサルタントなど約400人の聴衆で埋め尽くされた。

ゲストは、民による地域経営の発案者であり、サンデイ・スプリングス住民の意志そして民間企業との契約をまとめたオリバー・ポーター氏(市監理委員会議長、元AT&T役員)、市の運営を引き受けた建設会社CH2M HILL OMI社上級副社長のゲイリー・ミラー氏、同じく同社に新設された公共サービス部ヘッドであり、現在サンデイ・スプリングスの指揮をとっているリック・ハーシュコーン氏、さらに、本学と友好協定を締結しているNCPPP(米国PPP協会)からアート・スミス会長である。また、大学からは松尾友矩学長からの開会挨拶の後、塩川正十郎総長からの記念スピーチがなされ、橋下知事誕生で話題の大阪府の財政再建に向けての可能性も表明されたほか、昨年末サンデイ・スプリングス市に実際に訪問した院生によるブリーフィングも行われた。

当日、あきらかにされた概要は以下の通りである。
○米国ジョージア州アトランタ市に隣接する地域。住民投票で市設立を決めた。(99千人)
○米国では、住民による自発的な行政サービスの確保のため、地方団体を創設できる。
○住民代表による委員会は、市を迅速に設立するために民間企業への全面委託方式を選択(除く警察・消防)。
○日本的には“民営化”。だが、市が資産を保有し税収から契約料を支払うため正確にはPPP。
○民間企業は公募。最終的に3社残りCH2M HILL OMI社が選定された。
○CH2M社は1946年創業の全米有数の建設業。従業員数は全世界で 23,000人。
○同社子会社であるCH2M HILL OMI社は、1980年創業、従業員数1600人。公共サービス、特に、下水道などの公益事業の運用・維持管理サービス、廃棄物浄化サービスなどの事業サービスを提供。
○2005年12月市制を施行した。市長1名、市職員4人、議員6名。警察120人、消防90人。
○CH2M HILL OMI社135人。うち、プログラム・ディレクター(幹部)7人、業務管理部48人(財政、歳入管理、人事管理、コールセンターなど)、地域開発部44人(計画・ゾーニング、建築・開発、規制管理)、公共事業部23人(交通計画、フィールドサービス、交通管理)、公園・レクレーション6人、広報その他。
○米国でも単独企業が所有する広大な土地を自治体として、事実上当該企業が公共サービスを実施するケースはある(例:ウォルト・ディズニー・ワールド)。
○だが、多数の地権者からなる通常の地域の公共サービスを全面的に民間委託したのは初めて。
○包括的な自治体運営の効果として、同規模の市の予算に比べて半分以下の予算規模に効率化されたとの試算がある。
○その結果、周辺の市の固定資産税率の半分以下になった。
○こうした成果から周辺地域でもCH2M HILL OMI社に委託する動き。ジョーンズ・クリーク市(65千人)、ミルトン市(20千人)、チャタフーチー・ヒル・カントリー市(3千人)。
○つい最近、既存の市で全面委託したケースが生じた。ルイジアナ州セントラル市。

(2013年8月12日追記 詳細は開催記録参照)

この後、日本でも包括的な公共サービスプロバイダー事業を行っている大新東株式会社の川島隆明会長を交えてパネルディスカッションが行われ、契約期間と官民のリスク意識の問題、民間委託後の公共事業の発注方式の問題、包括的なサービスプロバイダーの存在の問題など広範囲の話題が討議された。特に、サンデイ・スプリングス市のPPPのモデルが、米国(さらには新しい市を設立する場合)固有のものではなく、日本にも十分に応用可能であること、その展開をはかるために官民はもとより市民が自らの意識を高めるべきことが、複数のパネリストから指摘されたことが印象的であった。

東洋大学では、今後も、PPPの健全な発展と普及啓蒙のために、定期的なフォーラムの開催等を継続する予定である。

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