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東洋大学創立125周年記念論文コンテスト 結果発表!

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東洋大学では、創立125周年を記念して論文コンテストを開催し、「哲学」「国際化」「未来」をテーマに論文を募集しました。
ご応募いただいた40点の論文の中から、本学教員の審査員による厳正な審査が行われ、このたび受賞論文が決定しました。

受賞論文は以下のとおりです。          
論文タイトルをクリックするとPDFデータで閲覧可能です。(最優秀賞・優秀賞のみ)

最優秀賞(全1点)

「日常の中からはじめる哲学 -フッサール『危機書』に見る哲学の役割-」 [PDFファイル/338KB]
文学研究科博士前期課程1年  増田隼人さん

優秀賞(全3点)

「日本における哲学 -西周による哲学の受容を手がかりに-」 [PDFファイル/393KB]
 文学研究科博士前期課程1年  寅野遼さん

「市民後見人の養成に向けた提言 -東洋大学が開く成年後見制度の未来-」 [PDFファイル/509KB]
(共同執筆)法学部3年  
為貝佳彦さん 石井茉莉奈さん 石塚綾夏さん 石原啓章さん 小松田元貴さん 鈴木里奈さん 西村友里さん 髙橋沙香栄さん 野西星彩さん 三上藍さん 内藤さちかさん 三好萌さん 和田雄志さん

「S vs B -Sartre 哲学をB'zで敷衍する」 [PDFファイル/385KB]
 経済学部1年  望月悟さん

入賞(全11点)

「TPPと日本の農業の未来について -TPPのメリット、デメリット-」 
 文学部3年  杉田早希さん

「The Actual Condition of Internationalized Japanese Animation」(日本語訳)国際化した日本のアニメの実情 
 文学部4年  川上皓也さん

「日本における支援の未来 -フェアトレードに見る新たな支援の形-」  
 経済学部4年  戸井田衛さん

「未来のリーディング産業 -コンテンツ産業は日本経済を牽引できるか-」      
 経済学部4年  徳地秋人さん

「地域金融機関の現状と未来」                
 経済学部4年  今井貴博さん

「未来の公的年金制度を考える -持続することができる制度を目指して-」
 経済学部4年  野坂弥麻斗さん

「国際理解教育における地域教材活用の有用性」
 国際地域学部4年  河辺智美さん

「リサイクルの国際化のあり方 -古紙リサイクルに着目して-」
 経済学研究科博士前期課程1年  鈴木悠さん

「子ども虐待対応の未来とソーシャルワークにできること -子ども虐待による死亡事例等の検証を通して考える-」
 福祉社会デザイン研究科博士前期課程1年  実方由佳さん

「坂口安吾と21世紀の日本哲学」          
 文学研究科博士後期課程1年  小池陽さん

「社会的企業の国際状況と就労支援の未来 -若者自立支援事業と中間的就労に関連して-」
 福祉社会デザイン研究科博士後期課程3年  宮竹孝弥さん

総評   審査委員長 薬師寺克行(社会学部教授)

 東洋大学125周年事業の一環である「論文コンテスト」は応募時期が4年生や大学院生の論文執筆のヤマ場に重なっていたため、どれだけの応募があるか心配した。しかし、結果的には40点に達し、本学の学生らの研究に対する意欲的姿勢が強く印象に残るコンテストとなった。
 その中から優秀な作品を選ぶ選考作業は比較的順調に進んだが、最終段階は予想通り難航し委員の間で活発な議論が繰り広げられた。
 最優秀賞となった増田隼人君の「日常の中からはじめる哲学」と優秀賞の寅野遼君の「日本における哲学」はともに社会における哲学の意味や役割を考察した良作であり、甲乙つけがたいものであった。
 増田君の作品は、東日本大震災で起きた原発事故を素材に、科学のいうところの「確率」の持つ限界性を指摘したうえで、自然科学的なものの見方に疑問を呈す。そのうえでフッサールの現象学を読み解き、現実社会に生きる哲学の価値を解いてみせる。「哲学など浮世離れした学問」という一般的な見方への攻撃的な挑戦の論考となっており、読む者を大いに刺激してくれた。
 寅野君の作品は日本に哲学をもたらした西周の軌跡をたどる作業が軸となっている。そして、明治期に日本が受け入れた西欧思想に対する丸山真男の批判的主張をはじめ、多面的に日本における西欧哲学を分析した。「自らの頭で考え、行動する、その道程を見つけ出すこと」が西の目指した哲学であると結論付けており、増田君同様、哲学の積極的意味を見いだしている。
 二つの作品を読みながら、ともに文学研究科哲学専攻博士前期課程1年である両君が日々、研究室で熱く語り合う姿を想像した。
 優秀賞の望月悟君の「S vs B」は実に個性的な作品だった。まず、驚くことは彼がまだ経済学部の1年生であるということだ。一般的な論文の形式をとらないこの作品は、会話形式でサルトルの実存主義を巧みに紹介していく内容となっている。こうした芸当は小手先の文章力でできることでもなければ、サルトルを単に教養として表面的に理解しただけでもできない。自らに内在化させて初めてできる作業である。我々審査員が文中に頻繁に登場するB’zを十分に理解できるはずもないが、最後まで引き込まれる作品である。
 もう一つの優秀賞である為貝佳彦君らの共同研究「市民後見人の養成に向けた提言」は、現行制度の分析と実証的データを積み重ねた上で、民法上の「成年後見制度」について「市民後見人」制度の一層の活用を提言するとともに、東洋大学も「市民後見人」の養成に積極的に取り組むことを提示した。膨大な資料を読み込み、多角的に分析した研究作業がにじみ出ている作品となっている。
 全体を通しての感想をいくつか記しておきたい。
 学術的論文には様々な要素が必要であるが、中でも重要なのが「独自性」「独創性」である。いろいろ読んだり調べたりしたことを整理し紹介するだけでは論文にならない。その観点から見ると今回の作品の中にこうした「独自性」が欠落しているものが目立った。
また、論文作成のルールがきちんと守られていない作品もあった。具体的には、参考にした文献、引用した資料などを明示すること、あるいは引用と考察を明確に区別するというような基本的作業である。
その上で必要なことは、実証研究の場合は特にそうであるが、集めたデータなどをもとに論理的展開を踏まえて結論に導く作業である。この作業がきちんと行われなければ論文足り得ない。いくつかの作品は、こうした作業を強引に行っていた。その結果、説得力を欠いたものになってしまっていた。
文章を書くことを積み重ねることによってこれらの課題は克服されていく。多くの学生諸君が、引き続き書くことへの挑戦を続けてくれることを願っている。

2013.2.21

たくさんのご応募ありがとうございました。

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