1. トップページ
  2. 新着情報・イベント情報
  3. 平成27年 新年のごあいさつ
MENU CLOSE

平成27年 新年のごあいさつ

  • English
  • 日本語

平成27年 新年のごあいさつ

東洋大学長 竹村 牧男

 皆さま、あけましておめでとうございます。昨年は、種々ご指導・ご鞭撻賜り、まことに有難うございました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。平成27年、2015年の年頭にあたり、一言、ごあいさつ申し上げます。

現代社会には、さまざまな困難な問題が横たわっています。イスラム国、シリア内戦、ウクライナ・ロシア間の紛争、サイバーテロ、エボラ出血熱の問題等々、枚挙にいとまがありません。依然として、南北間格差の問題、環境問題等は解決を見ないままです。日本では、少子高齢化の進展、人口減少、財政破綻、地方の疲弊等、かなり深刻な問題をはらんでいます。しかも近年、世界的に経済の発展のみが至上命令となり、人々は激しい競争のなかで効率のよい業績向上を絶えず迫られるといった状況になっています。あるいは絶えず欲望が刺激され、精神的に深い地平の豊かさの追求というようなことは忘れられています。その上、人間の生き方を支える価値観は混迷を深め、人々は生きる目標を見出しえないという、人間にとって非常に混乱した状況さえあります。

今後、多くの若者が、こうした状況の打開に取り組んで、公正で豊かな地球社会を構築していく事業に参画していくべきであり、そのためには、大学がその任に堪えうる人財を育成して世に送り出していく責務があると考えています。その意味で、今日の大学の使命には、大変重いものがあると自覚しています。

今日の社会の諸問題の根底には、もはや西洋的な合理主義だけでは立ち行かないという状況があるのではないでしょうか。西洋は基本的に、分割して支配する divide and ruleの立場といえるでしょう。この分割する知性に対し、全体を洞察する叡知、対立から出発する立場ではなく、融和のうちに問題を解決する立場、父性に対する母性が東洋的なるものと言えるかと思います。現代社会が行き詰まりを見せているとき、私たちの社会・文化に根づくその東洋的なるものの可能性について、私たちは深く考えていくべきです。

日本もしくは東洋独自のものとしては、哲学としての根本的な思想や、芸術・文化があることはもちろん、それをふまえての実際のあり方として、ものづくりの発想や技術、経営や企業の組織のあり方、コミュニティ形成のあり方等々、種々のものがありえると思います。日本ないし東洋的な発想が、各方面で行き詰まってしまった現代の地球社会をイノベートする、その原動力になるに違いありません。特に時代がグローバル化し、ボーダーレス化した今日において、もっとも大切なことは、自国の文化の伝統を理解し、上手に発信できる能力ではないでしょうか。そのことを、本学としては、あらゆる教育・研究分野において考えて行きたいと思いますし、東洋大学こそ、このことを推進していく充実した拠点になっていく覚悟であります。

私たちは次世代以降の地球社会を切り拓くような、新たな文明原理とその現実社会における具現のありかたを開発・提言していくべきであり、そこに東洋的な要素を訴えていけるのでなければならないでしょう。まさに日本発のグローバル・スタンダードの構築が、現代社会における東洋大学の重要な使命であると思うのです。

最後になりましたが、この一年が皆さまにとって幸多い年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。