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東洋大学板倉キャンパスシンポジウム、東洋大学LiFE研究会パネル展を開催しました

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2014年6月27日(金)板倉キャンパスにて、東洋大学板倉キャンパスシンポジウム、東洋大学LiFE研究会パネル展を開催し、地域住民および関係企業・本学学生が参加しました。

林清学部長による板倉キャンパスシンポジウム開催の挨拶

東洋大学板倉キャンパスシンポジウム

「健康とミネラル」―食環境科学部 健康栄養学科 西牟田 守教授

シンポジウムでは、はじめに、食環境科学部健康栄養学科の西牟田守教授が「健康とミネラル」と題して講演しました。
西牟田教授は医学・栄養学的に定義されていない「ミネラル」を、水素(H)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)の4つの主要元素以外の元素の総称と定義し、元素レベルで健康を考えることを研究テーマのひとつとしています。食環境科学部健康栄養学科西牟田守教授

1日の塩分最低必要量は1.5g、米国での摂取基準は1日6g未満とされていますが、本当にその基準値は適切なのか、と西牟田教授は疑問を提起。検証のために、ミネラルの代謝実験と出納実験を行いました。代謝実験では、食塩摂取量1日6gで運動したときの汗中ミネラル排泄を調べ、汗中のNa濃度が低くなったほか、CaとMgの濃度が上昇するという結果を得ました。出納実験とは、摂取した量と排泄された量の差を明らかにする試験のことで、体内への蓄積量(出納)の概算を求めることができます。今回は、摂取量と糞便および尿中排泄量から出納を概算し、Naの出納はほぼ0にもかかわらずCaとMgの出納は負という結果が得られました。これらの結果から、実際には塩分6gの食生活ではNaが不足しており、骨を構成し骨に貯蔵されているCa、MgとともにNaが供給されていることが推定できます。次に、CaまたはMgの出納を0にするNaの摂取量を実験結果から求めると、68kgの男性(30-49歳)に換算し食塩相当量で1日11.3gとなりました。これは、摂取基準を大幅に上回る値。しかし、この結果は、日本人の国民健康・栄養調査成績の平均値と一致します。これらの結果をうけ、西牟田教授は「日本国民は塩分過多と言われていますが、食事摂取基準を策定した栄養学者より正しい選択をしていたのかもしれません」とまとめました。

「邪魔な海藻を健康素材に…産官学コラボによる食品開発」―食環境科学部 食環境科学科 太田 昌子准教授

 続いて、食環境科学部食環境科学科の太田昌子准教授が「邪魔な海藻を健康素材に…産官学コラボによる食品開発」と題して講演しました。

食環境科学部食環境科学科太田昌子准教授による講演の様子太田准教授は、低利用な海藻「アカモク」を有効利用した減塩効果の期待される麺を産官学連携して開発・実用化することを研究テーマのひとつとしています。アカモクは「邪魔モク」とも呼ばれ、2~10mに成長して船のスクリューに絡まり、漁業関係者を困らせています。この海藻を有効利用して地域の特産物をつくれないか、と神奈川県から相談を受けたことが本研究のきっかけ。アカモクなどの海藻はナトリウム排出効果のあるアルギン酸やフコイダンの含有量が多いことが特徴です。この効果を活用し、高血圧の方も塩分を気にせず食べられるラーメンを作れないか、と太田准教授が神奈川県水産技術センターへ提案。平塚市の製麺企業が協力し、産官学連携の研究体制となりました。研究過程で壁となったのは、海藻成分を汁に流出させず麺にそのまま残すこと。この問題点について産官学で解決策を模索し神奈川県水産技術センターからは海藻の抽出液を凍結乾燥して麺に混ぜ込むという案、平塚市の製麺企業からは真空ミキサーで混ぜるという案、太田准教授の研究室の学生からは、食品添加物に関する授業で紹介されていた「サイクロデキストリン」を使用する案が挙げられました。それぞれの案を検討したところ良い結果が得られませんでしたが、全ての案を組み合わせると麺に海藻成分を残すことができました。更に、実際に海藻添加麺を食べた際にナトリウム排出効果があるか確かめるために、平塚市の5つの企業に協力いただき社員食堂で学生が試食実験を実施。この結果から、ナトリウム排出効果が認められました。最後に、太田准教授は産官学連携研究のメリットとデメリットについて述べ、実用化に向けた現在の状況について説明しました。

会場からは、学生の他に地域の方や企業の方からも活発に質疑応答が行われ、シンポジウム終了後も個別質問をするために西牟田教授、太田准教授のもとへ多くの方がいらっしゃいました。

東洋大学LiFE研究会パネル展

シンポジウムと同時開催していた東洋大学LiFE研究会パネル展では、群馬県内の産官学連携ネットワークを構築することを目的とし、生命科学部・食環境科学部の専門領域である「いのち(Life)」「食(Food)」「環境(Environment)」を基礎として、群馬県内で活動する企業、農業者、また、研究機関や行政等の研究支援機関などが共同して行った研究や開発の成果を展示。シンポジウム参加者を含めた多くの方々に、研究成果をご覧いただきました。

東洋大学LiFE研究会パネル展の様子