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平成29年度 哲学堂祭を挙行しました

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墓前祭

平成29年度 哲学堂祭を挙行

2017(平成29)年11月4日(土)10時00分から、東京都中野区の蓮華寺・哲学堂公園において平成29年度哲学堂祭を挙行しました。

「哲学堂祭」とは、哲学の普及を願った本学の創立者井上円了の遺志により、毎年11月の第1土曜日に東京都中野区の蓮華寺・哲学堂公園において挙行するものです。11月4日の開催となった今年は、大学関係者や一般の方々など約100名が出席しました。

墓参哲学堂公園に隣接する蓮華寺で行われた墓前祭の後、哲学堂公園にある「四聖堂」に移り、哲学祭がとり行われました。冒頭に福川伸次理事長の挨拶、続いて井上円了の孫にあたる井上民雄氏による遺文の朗読、竹村牧男学長による「南無絶対無限尊」の三唱が行われました。

哲学堂公園にある四聖堂には、井上円了が哲学の「四聖」と崇めた釈迦、孔子、ソクラテス、カントが祀られています。この四聖を毎年順番に取り上げ、同じく哲学堂公園内にある「宇宙館」において記念講演が行われます。

今年度は「ソクラテス」をテーマとして、本学文学部哲学科の辻内宣博准教授が「ソクラテスにおける無知の知と愛智の精神としての哲学」と題して記念講演を行いました。

ソクラテスにおける無知の知と愛智の精神としての哲学

講演の様子講演は、最も有名な哲学者でありながら、紀元前399年に裁判で死刑判決を受け70 歳で刑死するまでに自らの言動や思想についての著作を残さなかったソクラテスの哲学の立脚点である「無知の知」と「愛智」について、解説しました。

「ソクラテスより知恵のある者はだれもいない」という神託を受ける一方で、自身は「自分が大にも小にも知恵のある者などではない」と自覚していたソクラテスは、世間で代表的な知者を訪ねて問答を行いました。

その知者達は「知らないのに、何か知っているように思っている」のに対し、「知らないことは知らないと思う」ソクラテスは、評判の知者たちよりも自身の方が知恵があり、そして「神だけが本当の知者であり、人間の知恵は価値のないものである」と結論付けました。

講師辻内准教授は、この「知らないと思う」という無知の自覚があるからこそ「知りたい」と願い、それこそが智を愛する「愛智」である。自分や他者の「知」の在り方を批判的に吟味して、無知・不知を覚らせる作業こそが「愛智」としての「哲学」であると指摘しました。

このソクラテスの思想は後世にアリストテレスの哲学へと、その一面において受け継がれていき、「愛智の精神としての哲学」とは、知りえないこと/理解不可能なことをその内側に含みながらも、それでもなお知的な探究を続けていく姿勢のことである、というお話で講演を終えました。

当日、哲学堂公園では「六賢台」「無尽蔵」などの通常は非公開となっている古建築物が公開され、公園を散策する地域の方々が熱心に見学していました。また、円了の遺言によりふるまわれた甘酒やコーヒー、お茶を楽しみました。

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