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創立125周年事業〔W・B・イェイツ展企画〕東洋大学名誉博士ドナルド・キーン講演会/シンポジウムが開催される

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2012年11月10日(土)、13時30分より白山キャンパス井上円了ホールにて、創立125周年事業〔W・B・イェイツ展企画〕本学名誉博士ドナルド・キーン講演会/シンポジウムが開催された。参加者は約400人。
20世紀を代表する詩人であり、ノーベル文学賞受賞者でもあるW・B・イェイツ。日本の伝統芸能である「能」の影響を受けたことでも知られるイェイツと日本文化との関わりを学ぶことが本イベントの趣旨である。

開会に先立ち、竹村牧男学長より挨拶が行われた。挨拶の中で竹村学長は「今年、東洋大学は創立125周年と言う大きな節目を迎えました。長い歴史を経て、本学が現在のような総合大学としての姿に至っていることはひとえにご支援くださった皆様のおかげです。深く感謝申し上げますと同時に、新たな歴史を刻み更なる教育・研究活動の発展に尽力することを約束します」と、感謝の意と今後の展望について語った。
「本学の創立者である井上円了博士は、本日スポットを当てるW・B・イェイツの母国であるアイルランド訪問の経験があります。日本で円了博士が妖怪学の研究を行っていたほぼ同時期に、遠くアイルランドでイェイツは神秘主義の世界の扉を開きました。国は異なりますが、同じ時期に共通するテーマに興味を抱いた両者について、様々な視点から共通点や相違点を探ることで新たな発見が生まれ、本日のシンポジウムが実りあるものになるよう願っています」と本シンポジウムへの期待を語った。
次に、本企画の協催者である駐日アイルランド大使ジョン・ニアリー氏より挨拶が行われた。「東洋大学が創立125周年を迎えた今年、日本とアイルランドの架け橋となるこのようなイベントに参加できることをたいへん嬉しく思います。これから先もずっと両国が連携して教育・研究活動を進め、互いの国の発展につながる交流が続くことを願っています」と、協定校であるダブリン・シテイ大学そしてリムリック大学が所在するアイルランドと本学との教育連携の更なる発展への展望を語った。

  

続いて、ドナルド・キーン本学名誉博士により「日本文化とW・B・イェイツ」と題し講演が行われた。イェイツが活躍した時代はまさにアイルランド独立期であり、アイルランドの人々は自らのアイデンティティや歴史に特別な思いを抱いていた。そのような時代背景もあり、イェイツはアイルランド古代文化・伝説復興に尽力していたという。
「母国の歴史・文化を深く研究し向き合ってきたイェイツだからこそ、彼の作った詩の美しさは、外国語に訳すことが困難です」とキーン博士。「イェイツの書いた詩では韻がとても重要な役割を担っています。韻が詩全体のリズムを整え、世界観を形成しています。外国語に訳すことで、詩の意味を伝えることはできますが、韻が生み出す独特の世界観を外国語に訳すことはとても難しい」と、イェイツの詩における韻の重要な役割について言及した。
また、「イェイツは来日の経験こそなかったものの日本文化に大きな関心を抱きました。特に能楽からとても大きな感銘を受けました」と、イェイツと日本文化のつながりに触れた。「彼は、能の内容よりも演劇としての能に興味を持ちました。古代ギリシャ悲劇と能に共通点を見出し、能を総合芸術であると評価しました。実際、イェイツが原作を書き上げた“鷹の井戸”は世界の演劇に革命的な影響を与えました」と、彼が能から受けた影響の大きさ、そして彼が作った“鷹の井戸”が演劇の世界に残したものについて語った。
「オペラがヨーロッパ文化の最高峰とされていた時代、能楽に新たな可能性とそこにある計り知れない価値を見出したイェイツは未来の演劇の先駆者であったのではないでしょうか」と結んだ。

  

講演後はシンポジウムへと移った。「W・B・イェイツと井上円了の世界」をテーマに、両者の共通点・相違点、そしてもし仮に二人が出会っていたら・・といった内容について様々な角度から二人の研究を読み解いた。パネリストとテーマは以下の通り。
木原誠(佐賀大学教授)「穿たれた沈黙/「仮面」の秘義」
桑原文子(東洋大学名誉教授) 「イェイツ劇における超自然なるものの復権」 
永井晋(東洋大学文学部教授)「井上円了の妖怪学」