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教員が語る大学院の魅力(マーケティング専攻 李炅泰准教授)

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マーケティングを研究することは、市場における価値創出について追求することです。

 李


Q.教員としてご自身の専門分野を踏まえ、「研究者として研究」することの意味とは?

マーケティングを研究することとは、市場における価値創出について追究することです。

マーケティング研究の対象は多岐にわたりますが、一般に取引や交換に関わる種々の関係者が互いの目的に符合する価値をいかに創出して享受できるかを追究します。そのため、研究者には、プロダクト(product)やブランドを介してみられる企業・顧客・その他利害関係者の相互作用と関係性について、価値創出の視点からじっくりと洞察・分析する姿勢が求められます。市場における価値創出は、様々な取引関係者のニーズを満たしたり便益を高めたりしながら実現するもので、この点においてマーケティング研究は社会的価値の創出と向上にも寄与するものといえます。

Q.教員としてご自身が、研究者になった経緯をご紹介ください。

仕事の経験がマーケティングを研究するきっかけになりました。

大学卒業後、日系商社の韓国法人で働きました。日本企業から製鉄設備や部品などを輸入して韓国の大手製鉄所に供給する業務を担当しました。この実務経験を通じて、中長期的な商品の販売ならびに安定収益を確保するためには、商品そのものの良さだけでなく、持続的で良好な関係性を築き管理するマーケティング活動が重要であることを実感しました。その後、日本文部省(現、文科省)国費研究留学生として渡日する機会を得て、大学院進学にあたってマーケティングを専門として選びました。

Q.教員としてご自身のご専門分野について、現在までにどんなテーマを研究されているのかご紹介ください。

国際マーケティングと消費者行動を中心に研究しています。

市場のグローバル化が進む中、国境を越えて行き交う製品・ブランドに対する消費者の反応を追究してきました。少し具体的にいいますと、製品やブランドの出自国(原産地)のイメージが購買意思決定に与える影響、そして、消費者の様々な心理的要因および対人的要因が、どのように国内・国外出自の製品やブランドの評価に関わるのかについて分析してきました。現在は、とりわけ、マテリアリズム(materialism)、コンシューマー・エスノセントリズム(consumer ethnocentrism)、アニモシティ(animosity)、社会的規範(social norms)などに着目した実証分析に取り組んでいます。その他に、スポンサーシップとコーズ・リレーテッド・マーケティング(cause related marketing)に関する研究も行っています。

Q.研究者として、つらかったことや、嬉しかったこと?

 研究が行き詰まって悩むときもあります。

研究を行う過程では行き詰まるときが時々あります。研究課題を精緻化する段階から悩むこともあれば、データの収集や分析、論文の執筆などで苦労する場合もあります。私が大学院生だった頃にも研究が行き詰まって悩むときがありました。ときには研究の中間報告で何度も厳しい批判にあい、方向性を失いそうになったこともありました。そんなときには、頻繁に指導教授を訪ねて教えを乞うたり、周りの先輩や同期らに相談したりして、行き詰まった状況を少しずつ改善していきました。研究は孤独ですが、周りの人々とのコミュニケーションと協力を続けることで、より良い成果が期待できるものだと思います。

Q.大学院で学ぶことの魅力とは?

 学部では経験できない世界が大学院にはある。

 大学院では教授および仲間の院生らと濃密な知的交流を経験します。多くの授業はディスカッション中心ですし、論文執筆の全過程を通して指導教員や仲間の院生と幾度なく深度のある議論を交わします。このような大学院課程の日常は、互いの知見を高め合い、鋭利かつ論理的な視点を育てる、素晴らしい知的経験といえるでしょう。 

Q.大学院で学びを考えている受験生にメッセージを一言。

私も、仕事を辞めて大学院に進学することについて悩んだ時期がありました・・・。

会社員の頃、仕事を辞めて留学し、大学院に進学することについて、悩んだ時期がありました。当時の仕事は職場環境も良く、学べることがいろいろあって充実していたからです。しかし最終的には、実務を経験して学びの場に戻ることで、更なる自己成長が図れるのではないかと思い、留学を決心しました。大学院では研究と論文でアップアップすることもありますが、その過程で自身が努力しただけの高度の洞察力と分析力が身に付きます。自己啓発の道は様々でしょうが、学問的な識見の深化を通じて自身の可能性を最大化したい方に、大学院は良い環境を提供してくれると思います。


プロフィール

氏名: 李 炅泰(い きょんて)

経歴: 現在、東洋大学経営学部マーケティング学科准教授

    韓国三菱商事株式会社勤務後、2001年渡日、

    京都大学大学院経済学研究科修士課程および博士課程修了。

    2007年より、東洋大学経営学部マーケティング学科。

専門: マーケティング論、国際マーケティング論

研究業績:李炅泰(2014)「スポンサーシップとコーズ・リレーテッド・マーケティングの効果~スポーツ・アイデンティフィケーションの視点から~」日本商業学会『流通研究』第17巻 第1号、51-73頁。Lee, Kyung Tae, Lee, You-il and Lee, Richard (2014), "Economic Nationalism and Cosmopolitanism: A Study of Interpersonal Antecedents and Differential Outcomes,"European Journal of Marketing, Vol. 48 Iss: 5/6, pp.1133-1158。李炅泰(2009)「第5章 ブランド・コミュニケーション」清水公一編著『マーケティングコミュニケーション』五弦舎、2009年3月、pp. 79 – 95。など


(掲載されている内容は2016年5月現在のものです)