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館長挨拶

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歴代図書館長を引き継いで  
- 図書館のあり方の明確化 -

齋藤洋館長

 明治20年(1887年)に哲学館が創設された後、大正8年(1919年)に逝去した創設者井上圓了の意志を継ぎ、大正13年(1924年)の初代図書館長から93年、39代の館長を数えた東洋大学附属図書館は、時代のうねりを読み解きながら着実に発展してきました。今では歴史上の事実となっている第二次世界大戦を経て、高度経済成長、バブル経済、リーマンショックなどを経験する中で、日本の大学制度の改正、大衆化と濫立化、全入時代、そしてグローバリゼーションへと対応しつつ、本学を含む日本の私立大学は存続の努力を重ね、私大卒が大卒者の大半を占めるようになり、彼らは日本を支え、牽引し、また世界で活躍する人材にもなっています。

 将来の人材となる学生と切り離せない大学図書館は、歴史の変遷の中で、文献資料の保存整理という書庫としての役割から、ネット技術の進化にも助けられて情報センター化し、学生・教職員のみならず地域社会へと貢献の場を拡大してきました。そして現在、より積極的な学修センターとしての役割を担うようになったのです。
 歴代館長がこれまで検討してきた路線を継承し延ばしてゆきますと、学修センターとしての東洋大学附属図書館は次の計画を実施するというはっきりとした将来像が現われてきます。

 第一に、蔵書スペースの狭溢化と云う永遠の問題に対処するために、収集保存する文献資料のデータ化を諮り、国会図書館などの学内外の関連機関と連携を強め、蔵書分担の協力を考えなければなりません。本学内だけで云えば、白山・朝霞・川越・板倉そして赤羽台(計画中)という5キャンパスごとに異なる学部と図書館および各種研究所や研究室がありますので、夫々をメカニズムとして書庫化するという制度も可能です。

 第二は、蔵書のデータ化に伴うメリットを最大限に有用化するため、国内のみならず世界のどこにいても条件が揃えば当該文献データにアクセスできる様にすることです。これは通信教育課程を有する本学の特徴を世界規模で発揮し得ることにも、また、世界には日本語で日本の文献で勉強したいと思う人達も多くいますので、そのような場面への貢献にもなり、学祖の考えの現代に於ける具現化に繋がるはずです。

 第三に、図書館独自の学修講座を設置することです。本学が文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援(タイプB)」に採択されたことに伴って、英語を基軸とする諸計画が展開されていますが、図書館は学生の多くを占める中間層の底上げを、学部等と協力して担うことで、本学全体の向上の一助になるということです。東洋大学は英語だけを学ぶ大学ではなく、哲学を基礎とする諸分野を学ぶ学問の最高学府であり、その基礎は母国語(日本語)にあります。外国語の重要性とともにこの点を意識しながら基礎部分あるいは応用部分に関する講座を提供することです。

 第四に、共同学習室等の増設があります。図書館の学修センター化にともなって、個々人が静粛に利用する場所と、複数人あるいは講座として議論等が認められるスペースとの区分けが必要となります。これは施設の問題ですが、上記第三点と連動しなければなりません。

 第五に、図書館内のよりよい雰囲気作りが必要でしょう。図書館は学修のための空間であり環境です。その雰囲気は利用者の心理に大きく影響します。世界的に認められている大学の図書館には、それなりのアカデミックな雰囲気を意図的に作り出す計画があります。そのためには、専門家の協力を得ることが必要となります。本学にはその人材に溢れています。

 以上、概略的に述べましたが、これらは全て当たり前のことのように思われるでしょう。しかしその実施には、現状の制度や規則、予算、人員などの問題が立ち塞がっていることも事実です。もし上記のことを実行しなければ、大学図書館としての、そして本学にとってのあるべき姿を利用者に提供することは困難になると予想されます。これらは一朝一夕には実現しませんが、多くの関係者の理解と協力を得て少しずつ可能なことから着手しなければなりません。そこには「東洋大学附属図書館の理念」とともに「理想を現実に埋没させてはならない」という思いがあるからです。
 私の館長就任期間は短いですが、本学図書館の発展に皆様のご理解とご協力を賜ることができれば幸甚です。

東洋大学附属図書館
第39代館長 齋藤 洋

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