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<平成26年度>井上円了哲学塾 公開講座 第3回が開催されました

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E3「海外での医療にたずさわって学んだこと」

2014(平成26)年11月22日(土)16時20分より、本学井上円了ホールにおいて、井上円了哲学塾リーダー哲学講義第3回が開催されました。

講師は聖路加国際病院付属クリニック・予防医療センター婦人科副医長である貫戸朋子氏で、「海外での医療にたずさわって学んだこと」というテーマで御講演いただきました。塾生・学生、および一般の公開講座申込者で聴講者数は約150名でした。

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貫戸氏は、子どもの頃に父親から「中国に裸足の医者と呼ばれている医師がいる」という話を聞いて、医師になろうと思ったといいます。医学部付属病院で研修をし、当時は「白い巨塔」の時代で、それは非常に厳しい環境だったが、その御蔭で鍛えられたという良い面もあったと話されました。

貫戸氏はその後、医師として働いていた時に、避難民のことを報告している国境なき医師団に興味を持ち、面接を受けに行った際のことを話されました。その面接で「戦地に行くことは怖くないか」と質問された時、「日本は平和だからわからない」、「暴力を見たことがない」と答えたことが恥ずかしいと思ったが、それが間違いであることが後になってわかったといいます。外国からは、日本が平和を保っていること戦争に出かけていかないことこそが尊敬されていたことを知ったと話されました。

貫戸氏は国境なき医師団の一員となって、紛争地域のスリランカやボスニアヘルツェゴビナなどで毎日患者を診ていると、多くの人々を苦しめているのがうつ状態だと気が付いたといいます。これは日本の被災地など苦境におかれている人々に相通じるのではないかと話されました。そこで、「海外でも日本でも困っている人の状況は似ている。それなら、海外で経験したことを日本で、日本で経験したことを海外で役立てることができるのではないか」と感じたといいます。

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さらに貫戸氏は、紛争地域では現地の人々は、「仕事があって、子どもが学校に行って、夕方にはみんなが帰ってきて、家族が一緒に居ること」という普通の生活を取り戻したいという当たり前の風景を求めていたと話されました。国境なき医師団のような外から来た者が活躍するのではなく、現地の人々が先頭に立って活躍出来るような環境を構築する手助けとなることが自分たちの役割であると話されました。

貫戸氏は最後に、「組織のために人がいるのではなく、組織はツールであり人のために利用するものである。組織を仰ぎ見ていたら停滞、腐敗する。組織も進化しなければいけない。それは個々人によって成しうる」という主旨で講演を結ばれました。