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井上円了哲学塾 公開講座 第7回が開催されました

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E7「日本文化の基層にあるもの」

2013(平成25年)12月21日(土)16時20分より、白山キャンパス井上円了ホールにおいて、井上円了哲学塾リーダー哲学講義第5回が開催されました。

 講師は元内閣総理大臣細川護熙氏で、「日本文化の基層にあるもの」というテーマで御講演いただきました。塾生・学生、および一般の公開講座申込者で聴講者数は約290名でした。 

 細川氏ははじめに自身の生い立ちについて、小学校のころから『論語』や『万葉集』などの古典文学に触れる一方、『三国志』『信長記』『太閤記』などの人物伝やチャーチルなどの政治指導者の伝記を興味深く読んだこと、また決して優等生ではなかった中学時代など、意外な一面を語られた後、政治家となり総理大臣職を退任されるまでの経緯を静かな口調で語られました。

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 その後自分の魂の平安と充実に努めたいと考え陶芸の道に進まれたというお話を、自身の作品や工房の映像とともに語られました。そのように芸術活動を続けられている細川氏は、「今の日本では品格や素養に関わる教育が少なく、人々の創造力が失われている」と指摘し、日本人の美意識とは何かを3つの観点から述べられました。一つ目は、「不完全できちんとしていないもの」であり、これに対して日本人はやすらぎを感じるという点です。また二つ目は、「簡潔さ、控え目」であり、これは哲学的、瞑想的であると考えられます。第三は、「はかなさ、定めなさ、滅びの感覚」であり、日本人は朽ちる感覚の中に熟成の美を感じるということでした。今後も奈良、薬師寺の襖絵などを描く予定の細川氏ですが、一方原発などの社会問題にも大きな関心を寄せておられ、政治家と陶芸家という二つの人生を歩まれた、細川氏の人となりが感じられる興味深い講演でした。